ラーニングアナリティクスとは?最新の学習履歴分析の手法を解説
教育現場で注目されている「ラーニングアナリティクス」。
ラーニングアナリティクスは国内外でも注目を浴びている教育法で、生徒や社員の学習状況を正しく把握するために欠かせない考え方です。
そこで今回はラーニングアナリティクスについて詳しく解説。
ラーニングアナリティクスを導入する目的やラーニングアナリティクスシステムを導入する方法まで、詳しく紹介しています。
ラーニングアナリティクスを取り入れて、より生産性の高い学習を目指しましょう。
ラーニングアナリティクスとは?
ラーニングアナリティクスとは、学習の履歴(ログ)を分析し、学習の進捗状況や学習状況を把握した上でフォローやサポートを行うことです。
これまで学習分析を行う際はアンケートによる情報収集やテストによる評価が一般的でした。
しかしこういったデータは学習者の意見や成績は収集できるものの、結果までのプロセスを分析するのは難しいと言えます。
そこで注目されているのがeラーニングなどの学習履歴を分析し、学習者1人1人に合ったフォローやサポートができる「ラーニングアナリティクス」なのです。
そもそもeラーニングは何を導入すべきか悩んでいる方も多いと思います。UMUの記事『eラーニングのプラットフォーム選びはどうすればいいの?』では、eラーニング導入の要となる“プラットフォーム選び”について解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ラーニングアナリティクスを導入する目的!2つの理由
ラーニングアナリティクスを導入する目的は、おもに以下の3つです。
- 個人に合った学習が実現する
- より踏み込んだ教育が目指せる
- 教育方法をブラッシュアップできる
ラーニングアナリティクスは学習効率や学習の理解度アップを目的に行われます。
では具体的にどんなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
個人に合った学習が実現する
ラーニングアナリティクスを導入すれば、学習者個人に合った学習支援が可能になります。
これまでの教育は集団に向けて教育を行い、学習の進捗や適性、苦手とする部分は個人で把握する必要がありました。
しかしラーニングアナリティクスは蓄積された膨大な学習履歴(ログ)から傾向やパターンを分析し、苦手分野や必要な学習を導き出せます。
また適性の把握は、個性や得意分野を伸ばすことにもつながるでしょう。
より踏み込んだ教育が目指せる
ラーニングアナリティクスの導入は、より深く踏み込んだ教育が実現できるでしょう。
近年「ものづくり」から「新しいものづくり」を目指す時代に変化していることを受け、文部科学省では個人が自ら物事を考える「アクティブラーニング」を推奨しています。
しかし教育者だけの力では1人1人に合った教育を行うのは難しく、実現するには膨大な労力が必要。
ラーニングアナリティクスを導入すれば、労力などのコストを減らしながらより深く的確なサポートが可能になるでしょう。
教育方法をブラッシュアップできる
ラーニングアナリティクスでログを分析すれば、教育の良い点や改善点を洗い出すことも可能。
効果的だった取り組みや反対に効果がなかった取り組みを把握すれば、教育方法のブラッシュアップにつながるでしょう。
教育方法が確立されれば、教育者による教え方のバラつきも防げます。
さらに教育による成果が数値として見えるため、教育者自身のスキルアップも目指せるでしょう。
ラーニングアナリティクスの取り組み事例!海外と国内の特徴
「ラーニングアナリティクス」という言葉はまだ一般的ではないかもしれません。
しかし海外をはじめ、日本国内でもラーニングアナリティクスに取り組んでいる教育機関は存在します。
ここからは国内と海外の事例について、詳しく見ていきましょう。
国内:九州大学アナリティクスセンター
九州大学アナリティクスセンターは2016年に設立されました。
教育ビッグデータの管理、分析を目的としたこの施設は、世界最先端のラーニングアナリティクス教育研究拠点として以下のような取り組みを行っています。
- 先進的なラーニングアナリティクス手法の研究開発
- 安全安心かつ便利な教育システムの設計と運用
- 学習管理システム、学務情報システム、及びシラバスシステムなど教育に関するシステムの設計と運用
参考:九州大学
学生に対してはAIを活用した個人に適した学習支援を行っており、教員に対しては学習成果の可視化や学生の成長データを提供するなど、教育の現場を大きくサポートしています。
このように収集・分析されたデータは教育の現場にいち早く活かされ、常に学生の成果につながる授業が行われているのです。
海外:各国で独自のシステムを構築
海外は日本以上にラーニングアナリティクスに関する取り組みが盛んです。
実際にラーニングアナリティクスに関する会議「LAK」では、ラーニングアナリティクスの研究や活用方法についてセッションが行われています。
各国の取り組みや成果については以下を参考にしてみてください。
取り組み | 成果 | |
台湾 | PCをはじめ、スマホやタブレットでいつでも学習できるよう、スケジュールのリマインダーやメンターの手配を可能にした。 | 課題完了率が約17%増。
ULEへのログイン率はデスクトップ環境に⽐べて約50%増加。 |
ブラジル | ドロップアウト予測、教育的アクションのサポート、テキスト分析など、学習データを可視化するシステムを提供。 | 平均87%の精度で⽣徒の退学率を予測。中退率の⾼い確率の学⽣に対して介⼊を⾏ったところ、中退率は平均11%減少。 |
参考:国⽴情報学研究所「海外におけるラーニングアナリティクスの事例紹介」
このように、ラーニングアナリティクスの導入は個人に適した学習サポートが可能。
また学生のモチベーションが下がる前のフォローが実現するため、退学率を減少させることもできるでしょう。
ラーニングアナリティクスシステムとは?導入するメリット
ラーニングアナリティクスにかける労力を減らし、1人1人に適切なサポート、フィードバックを行うなら、システムを導入するのがおすすめです。
ここからはラーニングアナリティクスシステムとはどんなことができるのか、またシステムを導入するメリットもあわせて紹介します。
ラーニングアナリティクスシステムとは?
ラーニングアナリティクスシステムとは、eラーニングの学習ログの管理はもちろん、分析、フォローができるシステムです。
学習の進捗や達成率、成果などのデータをはじめ、不足している部分の分析や個人に合った学習方法の提案が可能。
たとえばラーニングプラットフォームである「UMU」は以下のようなことが実現できます。
- 学習者1人1人に合った学習設計
- 最先端のAIコーチング機能による的確なフィードバック
- 学習活動データの多角的な分析
- ゲーミフィケーション、ソーシャルラーニングによる学習
そのほか、アカデミック版は教育者の質を向上するサポートも豊富。
最新技術を利用し、学習者にとっても教育者にとっても使いやすいシンプルなツールに仕上がっています。
ラーニングアナリティクスシステムを導入するメリット
ラーニングアナリティクスシステムは教育者が踏み込むことが難しい、深い部分まで学習者のデータを分析、フォローできるのが魅力。
システムによっては家庭と教育現場の関係をサポートしたり、宿題のリマインドや反転授業を行うことも可能です。
またラーニングプラットフォーム「UMU」は、ITリテラシーが高くなくても短時間で簡単に導入できます。
教育者も学習者も使いやすいシンプルなシステムであることも大きなメリットと言えるでしょう。
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UMUの「イケてる」使い方をダウンロードするまとめ:ラーニングアナリティクスは今後の教育に必要不可欠
マイノリティやオリジナリティが重要視される今、個人の強みを活かす教育が注目を浴びています。
ラーニングアナリティクスは個人の強みや得意分野を分析できるだけでなく、苦手分野のフォローや最適な学習設計まで行うことが可能。
データの収集・分析は難しいと思われるかもしれませんが、ラーニングアナリティクスシステムを活用すれば、eラーニングでの学習データを分析し、学生1人1人に最適なサポートを行うことができるでしょう。
学習をより効果的なものにするために、UMUの記事『 【徹底解説】ゲーミフィケーションを学習設計に取り入れる』では、「ゲーミフィケーション」をいかに取り入れるか、設計するか、という点について、お役に立てる内容をご案内しているので、企業での研修や学校での学びにおいて、より”効果的に” ”楽しく” 学習を進めていきたい方はぜひ参考にしてください。
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