ブレンディッド・ラーニング設計の事例とは?

今回は、ブレンディッド・ラーニングによる研修の設計について、3つの「型」とその事例をご紹介します。ぜひ事例を参考に、ブレンディッド・ラーニングによる研修の設計に挑戦してみてください。

 

▼前回までの記事はこちら

1.ブレンディッド・ラーニングとは? 社内研修で抜群の成果をあげる最先端の学び方

2.ブレンディッド・ラーニング成功のカギ。成果につながる効果測定とは?

3.ブレンディッド・ラーニング 研修設計に活用できるテクノロジーとは

4.コンテンツの揃え方で効果が変わる「ブレンディッド・ラーニング」

 

この記事を読んで得られること

・ブレンディッド・ラーニングの3つの型
・3つの型による、研修設計の参考となる事例を知る

ブレンディッド・ラーニング設計の基本となる「3つの型」 

ブレンディッド・ラーニングは、テクノロジー、コンテンツ、教育学のあらゆる要素をブレンドし、さらに事前・当日・事後など時間軸も考えて設計するものです。

まずは基本の「型」を学んで実践し、その経験を応用して、すべてオリジナル、いわゆるフルスクラッチの設計に取り組むことをおすすめします。

 

ブレンディッド・ラーニング設計の基本の「型」は、次の3つです。

1反転学習型(オンライン事前学習→同期型の研修)
2 OFO型(Online、Face-to-face、Offline)
3ブレンド型(オフライン研修、オンライン研修、オンライン学習、職場実践の組み合わせ)

 

ブレンディッド・ラーニングの型① 反転学習型

「反転学習型」は、同期型の研修をフォローする形で、オンライン事前学習を取り入れるものです。

事前に知識をインプットすることで、研修当日はアウトプット中心の実践的な学びを得られます。また、個別にオンラインでできるものは事前に済ませ、同期型の研修の効果を最大化します。

ただ、事前学習のボリュームが大き過ぎると、負担が大きくモチベーションが下がるなどネガティブな影響が出る可能性もあります。

 

反転学習型の具体的な例は次のとおりです。

・オンライン学習(非同期)+オフライン研修(対面型集合)
・オンライン学習(非同期)+オンライン研修(同期)

 

反転学習型の事例:新入社員研修

ご紹介する反転学習型の事例「新入社員研修」では、研修に集まれるのは1日だけという制約がありました。一方で限られた時間で実現すべきことが多いため、集合研修の前にオンラインでの反転学習を取り入れました。

こうした事前・事後における仕掛けの多くは、OFO型、ブレンド型でも採用されています。

 

ブレンディッド・ラーニングの型②:OFO型

「OFO型」は、「Online」「Face-to-face」「Offline」の3つを組み合わせたスタイルの研修で、反転学習型に事後学習を加えたものです。研修後に、職場実践や課題提出などを通じて学びを深めます。

 

OFO型の具体的な例は次のとおりです。

・オンライン学習(非同期)+オフライン研修(対面型集合)+職場実践
・オンライン学習(非同期)+オンライン研修(同期)+職場実践

 

OFO型の事例:チームビルディング研修

ご紹介するOFO型の事例は、「ストレングスファインダー」を活用したチームビルディングです。

アセスメント受講(事前課題)とオンライン学習での仕掛けは、次のようなことです。

 

・オンライン学習は時間の確保が鍵。スケジュール帳にいつやるか記入して参加を促す
・事務局から、研修受講のメリットを強調。各職場上司からメンバーへの説明も依頼

 

研修当日は、次のようなことを仕掛けました。

・開かれたスペースにすべてデザインの違うテーブルを用意し、職場単位で座るなど、普段とは違う、カジュアルで開放的な雰囲気に
・事前学習結果を投影スライドに表示し、互いの状態を視覚的に理解
・研修途中に、講師の進め方についてフィードバックをもらい、後半の実施方法について合意を得ながら進める

 

研修後には、現場実践の振り返りに対し、講師からのコメントを提供しつつ、相互フィードバックを促進。投稿にはできるだけ即時ですべて「いいね !」をつけました。

 

ブレンディッド・ラーニングの型③:ブレンド型

ブレンド型では、「オフライン研修」「オンライン研修」「オンライン学習」「職場実践」という4つの学習シーンを組み合わせて、コースを設計します。

 

ブレンド型の具体的な例は次のとおりです。

・オンライン学習(非同期)+オフライン研修(対面型集合)+オンライン学習(非同期) + オンライン研修(同期)+オンライン学習(非同期)+オンライン研修(同期)

 

すべての合間に職場実践を組み込み、それをオンライン研修(対話会)で振り返って、PDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルを増やします。

設計の際はまず「100%オンライン」「100%オフライン」で設計する場合を考え、もっとも効果的にクロスする組み合わせを探すのがポイントです。

 

ブレンド型の事例:リーダー研修

ご紹介するブレンド型の事例は、管理職候補者 40名が対象の「リーダー研修」です。

オリエンテーションを含むオンライン研修2回、オンライン自己学習(eラーニング)3回、オフラインの集合研修1回、最後にラップアップ(まとめ)として成果確認と目標設定を実施します。

ここでは、「学習効果を高める仕掛け」「継続するための仕掛け」をしています。
※詳しくは書籍にて

 

今回は、3つの型からブレンディッド・ラーニングの設計の事例をご紹介しました。
どの型の場合も、実践を積み重ね、学習者目線でのレビューを経て質を向上させることが求められます。

※書籍『ブレンディッド・ラーニング〜新リモート時代の人材育成学』フローラル出版、2021)にて、研修設計事例についてより詳細にご紹介しておりますので是非ご覧くださいませ。

 

過去の記事も是非あわせてご覧くださいませ!

 

▼前回までの記事はこちら

1.ブレンディッド・ラーニングとは? 社内研修で抜群の成果をあげる最先端の学び方

2.ブレンディッド・ラーニング成功のカギ。成果につながる効果測定とは?

3.ブレンディッド・ラーニング 研修設計に活用できるテクノロジーとは

4.コンテンツの揃え方で効果が変わる「ブレンディッド・ラーニング」

 

参考文献

小仁 聡『ブレンディッド・ラーニング〜新リモート時代の人材育成学』(フローラル出版、2021)

▼書籍を詳しく知りたい方はこちら

 


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