オンライン研修とは?導入のコツ教えます!

新しい時代のラーニングプラットフォーム、UMU(ユーム)を提供するユームテクノロジージャパンです。

昨年は働き方/学び方において大きな変化を経験した一年となりました。新型コロナウイルスという新しい脅威は長期化が予想され、その場しのぎで講じた対策を持続可能なものとして再構築することが今まさに必要になってきています。そこで今回は数ヶ月後に控えた新入社員研修を想定して、「オンライン研修」導入の手引きについてあらためてお話ししたいと思います。

 

1 オンライン研修って?eラーニングとは違うの?

巷に溢れる情報を見比べてみると、オンライン研修の定義にも違いがあることがわかります。「デジタルツールを使えばいいの?」「学びにインターネットを活用したもの?」「zoomを用いた形式?」など、様々な声が上がりそうですね。どれも正解と言えるのですが少し整理してみましょう。オンライン研修は以下の4つに分類することができます。

eラーニング(非同期型、双方向性あり)

自身のペースで学習。ノウハウの蓄積・共有。多くの練習機会。

オンデマンド(非同期型、双方向性なし)

スケーラブルな運用。詳細設計が不要(作成が簡単)。

ヴァーチャルクラス(同期型、双方向性あり)

共有体験の実現。即時フィードバックでの学び。対話を通じてのマインドセット。

ウェビナー(同期型、双方向性なし)

スケーラブルな運用。アーカイブして二次利用/三次利用

そして数時間なり数日に渡るオンライン研修というものは、上記のどれか一つに分類されるわけではなく、これら複数の組み合わせから構成されています。効果的な組み合わせは高い学習効果を生み出すので、オンライン研修では設計こそが重要なポイントと言えるでしょう。

2 オンライン研修の特徴とは?メリット・デメリットは?

何を持ってメリット・デメリットと感じるか。受講者視点で話をすれば個人差が出てくると思います。オンラインの方が集中しやすいと感じる方もいれば、集合(対面)の方がやる気が出るという方もいるなど、判断は人それぞれでしょう。しかし提供者(企業)視点で話をするならばいくつかの共通認識があるので、ここではそれをご紹介したいと思います。

オンライン研修を導入するメリット

・スケーラブルである〜学習機会を広範囲に提供できる

オンライン研修では人数に上限なく一つのコンテンツでたくさんの人数をカバーできます。双方向性をふんだんに取り入れたバーチャルクラスでもない限り、1000人を超える受講者を相手に研修を提供することは難しくありません。そして、受講場所を選ばないので自宅でも移動中でも受講可能なうえ、地方にいても学びの質は変わらないので場所による学びの格差が解消されます。

・コスト削減〜会場費、交通費、宿泊費などが発生しない

大規模な集合研修を行うとしたら場所の確保が必要になってくるので、外部会場を利用することになり費用がかかります。さらに研修講師を社外の人間に依頼する場合には交通費や宿泊費もかかってきます。これらはリモート研修では発生しません。

・データの蓄積ができる〜受講者データの二次利用が可能

オンライン研修では受講者のアクションが随時記録されデータとして蓄積されていきます。いつ学習したのか、どのくらいの時間がかかったのか、どのようなコメントをしたのか、テストは何点だったのか…全て記録に残ります。これらのデータはオンライン研修の習熟度を測ることにも利用できますが、オンライン研修で得られたデータをもとに受講者のPDCAサイクルの改善もできるので、データの蓄積がもたらす恩恵は大きいと言えるでしょう。

オンライン研修を導入するデメリット

・細かい受講者フォローが必要。ガイドラインを示して迷子を防ごう!

オンラインという性質上、操作の問題を無視するわけにはいきません。ボタン一つで全く違う世界へ連れて行かれてしまうのが良くも悪くもオンラインの性質で、操作をひとつでも誤るとたちまち学びから脱落してしまいます。そこでオンライン研修では、丁寧すぎる操作のガイドラインと講義中の声掛けが必要になってきます。オンライン研修への入り方に始まり進行につれて必要になってくる各種操作の方法など、過剰なくらいに細かく説明して下さい。ここで躓きがあると、たちまち学習意欲が低下してしまうからです。

そして経験を積んだ熟練の講師であればあるほど、講義の途中に「何か困っていることはありませんか?」「話のスピードはどうですか?」などの問いかけを入れるそうです。相手あっての学びであり、一番に考えなくてはいけないのは学び手の気持ちです。テクニックを磨くよりも、思いやりひとつでオンライン研修は効果を発揮するのです。

・緊張感の持続が難しい

オンライン研修では受講者がいわば“プライベート空間”で受講していることが多いので、緊張感を持続することが難しい面もあります。例えビデオオンになっていたとしても、講師に知られずにPCやスマホで別の作業をすることもできますし、ビデオオフになっていようものなら席を立つことすら気付かれることはありません。このように、見られているという意識が希薄になってしまうこともオンライン研修の抱える問題としてあるかもしれません。

・内容重視。オンライン研修では要素が限定される

集合研修ではそこで起こっているあらゆる物事が学びの要素として関係してきます。講師の一挙一動、他の受講者の呟き、あるトピックに対する集団での盛り上がり、その日の天気や気温など、リアルな空間を共有しているからこそ持ち得る様々な要素も含めて研修体験となります。そして、学びとこれらの諸要素を紐付けることで記憶を定着させてもいるのです。しかし、オンライン研修では画面上で起こっていることが学びの全てになり、良くも悪くも研修内容以外の要素が入りにくいという面もあります。研修内容だけで受講者を長時間惹きつけておかねばならないというのは、学びの設計のハードルが上がったことにもなるのではないでしょうか。

3 オンライン研修を始めるにあたって何が必要?

何か新しいことを始める時に人は道具を揃えますよね。スキーだったらブーツと板、釣りだったら竿とリールが最低限必要というように、気持ち一つでどうにかなるというものでもないのです。オンライン研修も然り。これまでの集合研修は講師の存在と熱意さえあれば(他にもいろいろありますが…)成立しましたが、オンライン研修はコンテンツを作成するにも配信するにも機材がないとできません。ここではオンライン研修に最低限必要な機材をご紹介します。

①撮影用端末(スマートフォン、タブレットなど)

撮影用端末と言ってもプロが使うような映像機材である必要はありません。最近のスマートフォンやタブレットは解像度や画素数が高くなり、十分見やすい画像が撮れるようになったため、手持ちのスマートフォンやタブレットでも簡単に生放送や撮影ができます。可能であればスマートフォンやタブレットを2 台使い1台は撮影用に、もう1 台は受講者から見える画面の確認用として用いれば配信トラブルが起きてもすぐ気付く事ができます。

②三脚

撮影の際は、三脚でしっかりとカメラを固定して行いましょう。1 人で撮影を行う場合はもちろんですが、撮影者がいる場合でも手で持ちながら撮影をすると、どうしても画面がぶれてしまいます。また、カメラが動いてしまうことで、スマートフォンやタブレットのオートフォーカス機能が働いて、ピントがずれてしまったり照度が変わって画面全体が暗くなってしまったりすることがあります。三脚にカメラを固定したら、必要に応じてマニュアルでフォーカスや照度も調節してみましょう。

③照明器具

室内での撮影の際、室内の照明では明るさが不十分なので撮影用の照明器具は必須アイテムです。最近はLED ライトなど小さくてもしっかりと明るさを確保できるものや、フィルターを着けて暖色系や白系を切り替えることができるものなどたくさんの種類が販売されているので、撮影する部屋の照明に合わせて効果的なものを試してみてください。また窓を背景にすると逆行で顔が暗くなってしまったり、光の関係で白飛びしてしまったりする場合があるので、外からの光も考慮して撮影しやすい場所を探しましょう。

④音声用マイク

スマートフォンやタブレットに内蔵されたマイクは、本体の下についているので動画撮影や生放送を行う際に前方の音をしっかりと拾うことができません。そこで必要となるのが外部マイクです。もし話をする方が動きまわりながら講義をするのであれば、胸元に付けるタイプのクリップ型マイク、撮影スタジオなどがあって機材を備え付けることができるのであれば、歌手や声優が使うようなポップスクリーンが付いたコンデンサーマイクを準備すれば、より一層クリアな音で配信ができます。他にもまずは手軽に始めたいという方は、スマートフォンなどに直接接続できるマイクもありますので、こちらも撮影環境から自分のスタイルに合ったマイクを選ぶと良いでしょう。いずれのマイクも、話し声をしっかりと収録したいのであれば、単一指向性マイクを選ぶことがポイントです。単一指向性マイクは、特定の方向からの音だけを拾ってくれるので、周りの雑音を拾いづらく、司会者や講師の声をきれいにキャッチしてくれます。

⑤機材に関する知識と操作ノウハウ

同期型のヴァーチャルクラスのようなオンライン研修を予定しているのであれば、研修の途中で操作に躓きがあると進行に影響が出ます。講師側は実際に予定しているオンライン研修の流れをシミュレートするなどして、事前に操作に慣れておくと良いでしょう。

※「これだけは揃えたい、4つの機材と環境」参照

以下のページからダウンロードできます。
https://umujapan.co.jp/download/

4 オンライン研修導入ステップ

機材を揃え、操作に慣れたらいよいよコンテンツの設計に取り掛かります。従来の集合研修をそのままオンライン化するだけなら簡単でしょ?と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです!オンライン研修の設計は複雑でデリケートなものなので、時間をかけて慎重に行いましょう。

①受講者としての体験を積む。理想の研修のイメージをつかもう

昨年の春から企業はすでに多くのオンライン研修を実施しています。これから導入を考えている企業の研修担当者様は自分たちが理想とするオンライン研修を見つけるためにあちこちの研修に足を運んでみてはいかがでしょうか。集合の制約があるこのご時世では、実に多くのオンラインによる研修やセミナーが開催されています。

時間(と、お金)が許す限り足を運び、受講者となって参加して手法を盗んでしまいましょう。学びを提供する側の視点ではなく学び手としての体験となるので、より具体的にイメージできるかと思います。

そこでは学びの内容を精査するということではなく、動画の長さや双方向性の取り入れ方などテクニック部分に着目してみるとよいでしょう。リアルとオンラインではびっくりするくらいの違いがあるかもしれません。いろいろな学びを体験して「楽しい」「心地よい」と思えるオンライン研修を見つけてみてはいかがでしょうか。

②目的から逆算して設計してみよう

自分たちが実現したいオンライン研修のイメージができたところで、いよいよ設計に入ります。自由度が高く要素も多いオンライン研修は、無限の組み合わせが可能なので途方に暮れてしまいます。そこで研修の目的を今一度明確にして、そこから逆算して設計するという方法をお勧めしています。

知識の獲得、チームビルディング、パフォーマンスの習得など、ひとつのオンライン研修が持つ目的は複数あります。それぞれに合った手法を選択し、それらを組み合わせていくことが設計になるのです。

③時間軸を入れて詳細を詰めてみよう

オンライン研修の大枠が出来上がったら時間軸を入れて詳細を詰めていきます。オンラインにおける人の集中力は対面時よりも短いというデータがあるので、もし研修の中で動画コンテンツを使用するような場合には注意が必要です。例えば対面で60分間講義を受けるのと、オンラインで同じく60分間講義を受けるのとではストレスや疲れ方が全然違うそうです。通信の不具合や雑音などで、対面よりも注意力が必要なことも原因として考えられますよね。

これらのことを踏まえてオンライン学習コンテンツを細分化するマイクロラーニングという手法がありますが、そこでは一つのコンテンツが1~5分程度と本当に短いのです。短すぎる!と思うかもしれませんが学習の科学という観点では実に理にかなっているのです。

そもそも人間の集中時間には限界があり、25分以上の集中は脳が消耗していくということが生理学で解明されています。1~5分とまではいかなくとも、せめて15分くらいを一区切りとして、途中でアンケートやクイズなどを取り入れながらオンライン研修を設計していくことが望ましいでしょう。

④受講環境を把握しよう

最後にデバイスの話です。オンライン研修では受講者の受講環境にバラつきが出てしまいます。PCなのか、タブレットなのか、それともスマホなのか…。操作性も画面の大きさも違うので、学びの内容によっては差異が生まれてしまうことも考えられます。理想はデバイスを統一することですが現実的には難しいので、最低限受講者のデバイスの幅(開き)は事前に把握しておきましょう。特にスマホは画面全体が小さいので、画面共有した場合のテキストや画像が読み取りにくい場合があります。全員が全員同じ環境にいないということは頭の片隅に入れておくべきですね。

6 UMUとオンライン研修の親和性

オンライン研修を円滑に行うには優れたプラットフォームが必要です。UMUはこれから主流になってくる「オンライン」というスタイルに完全対応させたプラットフォームとして、様々な機能を持ち合わせています。ここではUMUの特徴について一部をご紹介します。

研修効果を高めるためには、学んだことをアウトプットし続け、それに対して適切なフィードバック&コーチングを受けることが大事です。オンライン化によってこれらの機会は格段に増しました。私たちは研修をイベントではなく、行動変容に至るまで継続的に行われるプロセスだと考えています。インプットとアウトプットを繰り返し、それに対しての反応も得続けることができる。これがプロセスとしての学びです。学習→反復練習&フィードバック→実践を1サイクルとし、これを繰り返すことによって学びは最大化されるのです。

学習効果を最大化するラーニングサイクル

プロセスとしての学びの一例として、AI機能についてご紹介します。プロセスとしての学びでUMUは優れた性能を発揮します。フィードバック&コーチングに関してはそれが先輩や上司からのものだけではなく、UMUを利用するとAIによるフィードバック&コーチングも可能です。例えば受講者が画面に向かってロールプレイングをしたら、それをAI機能が「表情」「音声」「ジェスチャー」などの項目ごとにジャッジし、「流暢に喋れてますね」などのコメントと共にレーダーチャートを出してくれます。AIで自己練習を一通り行った後は動画機能を使います。自分のロールプレイを動画にアップして先輩からのフィードバックをもらいます。さらには録画機能を活用して、自分のロールプレイを何度も見て復習することや、他人のロールプレイを見て参考にすることもできます。講師×受講者だけではなく、受講者×受講者の関係も生まれるわけですね。

AI機能

さらに、UMUは研修の質を高めるだけでは不十分だと考え、その事前・事後へもアプローチし学びを確実に定着させます。前述にもあるように、かの有名な「70:20:10の法則」に従うと、企業における学びも10%の研修部分だけではなく、20%の薫陶と70%の経験の部分にもアプローチしていく必要があるということです。UMUはまさにここに着眼して、ダイレクトにアプローチをしているプラットフォームです。UMUの学びは否応なく実務の中にも浸透し、もしかしたらそれが学びだと気付かないくらいに自然に日常の中に溶け込んでいるかもしれません。

 

UMUではオンライン研修に役立つ様々な資料を提供しています。

以下のURLからダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

https://umujapan.co.jp/download/

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