正しい研修効果測定の方法とは?課題と活用するためのポイントも紹介
新しい時代のラーニングプラットフォーム、UMU(ユーム)を提供するユームテクノロジージャパンです。
今回お話するのは「研修効果測定」。
一筋縄ではいかないテーマですよね。集合研修一辺倒だったひと昔前と違い、今は研修形態が多様化し、ますます効果測定が難しくなってきました。
しかし複雑化する学びのシーンにおいては今まで以上に厳しく学びの内容を精査し、その効果を測ることが必要になってきます。
そこで今回は「正しく研修効果測定を行うためのヒント」をいくつかご紹介したいと思います。
研修効果測定のニーズは高まっている
企業にとって、そして研修担当者にとって、研修効果測定を正しく行うことは永遠の課題です。
「良い研修を提供できた!」と思っていたとしても、果たしてそれが行動変容に繋がっているのか、さらには成果としての売り上げ向上が実現されたのかどうかはわかりません。
それらを知るためには効果測定を正しく行う必要があり、研修担当者は長期的に社員をフォローしなくてはならないのです。
この研修効果測定ですが、ここ数年でニーズが高まっていることも事実で、その社会的背景としては以下のようになります。
- 研修のオンライン化による研修内容の見直し
- 働き方改革による社員のリモート化、それに伴う管理の問題
- ジョブ型雇用への移行
研修のオンライン化による研修内容の見直し
コロナ禍において、研修はもとより、業務という業務が極限までオンライン化されていく中で、これまで当たり前のように踏襲されてきた仕事のあり方・やり方が見直されるようになりました。
企業の中には研修内容が数十年変わっていないというというところもあり、オンライン化への移行に伴い抜本的な改革が求められています。
これまでの研修、これからの研修、どちらを考えるにあたっても研修効果測定は避けて通れないプロセスということなのでしょう。
働き方改革による社員のリモート化、それに伴う管理の問題
コロナ以前から「働き方改革」において労働時間の削減や在宅勤務の推進などは言われていましたが、これほど急速に変化が起こると多方面にしわ寄せがきます。
企業内教育はその際たる例です。
まず、労働時間の削減ということで業務内容の見直しが細かく行われ、それぞれの行為に時間と経費を充当させるだけの価値があるかどうかを厳しく精査します。
企業研修もその対象であり、研修効果測定の結果次第では、企業研修自体の存続が難しくなってくるということです。
ジョブ型雇用への移行
「ジョブ型雇用」とは、従業員に対して労働時間ではなく成果で評価する雇用システムのことを言います。
人材の個性や能力を生かして成果に対して報酬が支払われるので、これまでの雇用システムとは異なります。
そして、この「ジョブ型雇用」では人材のバリエーションが豊富になるので、誰に対しても効果を発揮するという研修が成立しなくなってきます。
効果測定をするのであれば、研修の種類を細分化し個別にカスタマイズするくらいでなくてはならないのかもしれません。
そして研修の多様化に付随して、効果測定もまた多様な手法を用意すべきなのです。
「その研修、本当に意味があるの?」と問われる時代になってきました。
研修担当者は自信を持って「はい、このような効果があります!」と答える準備をしておく必要がありそうですね。
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研修効果測定の指標となる「カークパトリックモデル」とは
研修の効果測定を行うときの基本と言われているのが「カークパトリックモデル」。
カークパトリックモデルとは研修を4段階で評価する方法です。
カークパトリックモデルはレベル1から始まりレベル4まで、段階を踏んで評価を行います。
- レベル1:Reaction(反応)
- レベル2:Learning(学び)
- レベル3:Behavior(行動)
- レベル4:Results(結果)
では、それぞれの段階について詳しく解説していきます。
レベル1(反応)
レベル1は研修に参加した受講者の理解度や満足度を測定するフェーズで、研修終了直後に行うのが望ましいでしょう。
アンケートなどを行って、受講者の感想や意見を集めます。
アンケートの内容は研修の分かりやすさや難易度はもちろん、満足度を測る項目を設けると研修の満足度を具体的な数値で見ることができるでしょう。
レベル2(学び)
レベル2は研修の理解度や知識の定着度を測定するフェーズで、研修当日〜数日以内に行うのが望ましいでしょう。
座学の研修であればテストや検定試験で効果を測定し、実技の研修の場合は実技テストやロールプレイングにて効果を測定します。
レベル2に達しているかどうかは研修の目的によって判断可能。
テストや検定によって受講者の知識定着、技能定着が達成できている場合、次のフェーズであるレベル3に進みます。
レベル3(行動変容)
レベル3は研修によって受講者の行動がどのように変化したか、研修の内容を業務に活かせているかを測定するフェーズです。
ヒアリングやインタビューによって受講者本人に確認する方法をはじめ、受講者の上司にアンケートを取るのも一つの方法です。
レベル3の評価は研修後すぐではなく3カ月後〜半年後など、ある程度期間を空けてから行うのがおすすめ。
また1回ではなく、期間を空けて定期的に測定するとより精度が高いデータを収集できるでしょう。
受講者が研修の内容を業務に活かしている、または研修前と比較して行動にいい変化が出ている場合はレベル4に進みます。
レベル4(結果)
レベル4は研修が結果として表れているかどうかを測定するフェーズです。
レベル4を達成したかどうかの判断項目は研修の目的によって違いますが、「数値で確認できるもの」を設定しましょう。
たとえば営業成績アップを目的とした研修であれば、新規開拓件数や売上実績などが評価の判断材料になります。
評価するタイミングはレベル3よりもさらに期間を空けて行ってみてください。
このように、レベル4まで研修の効果を測定することで研修がどのような結果を生んだか確認できますが、ほとんどの企業はレベル2までしか測定できていないと言われています。
この限界について次項でもう少し掘り下げて考えてみましょう。
研修の効果測定における課題とは
効果測定は明確な基準が設けられているわけではなく、労力やコストもかかるため、費用対効果が見込めないと考えている方もいるでしょう。
とくに研修の効果測定においては次のような課題を抱える企業も多いと言われています。
- どのくらいの期間、効果を測定すればいいのか分からない
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 受講者1人1人に対して効果測定を行うのが難しい(リソースがない)
- 効果測定の基準を設定するのが難しい
効果測定は行う研修の内容によって評価基準が変わるため、難しいと思われがちですが、研修の目的さえ明確になっていればスムーズに評価できます。
またeラーニングなどのツールを活用すれば、研修から評価、フィードバックまでをスムーズに行うことも可能。
研修の効果測定は社員1人1人を評価する必要があるため、社員の能力アップ、業務の生産性アップにもつながります。
きちんと社員を評価しフィードバックすることで、社員のモチベーション向上が期待できるため、離職率低下にも貢献できるでしょう。
研修の効果測定の3つのポイントとは
正確に研修の効果を測定するためにも、次の3つのポイントを意識するのがおすすめです。
- 評価する目的を間違えないようにする
- 評価の基準や評価項目を明確にする
- アンケートなどの評価ツールを活用する
このように、研修の効果を正確に測定するためには、事前準備が重要であることが分かります。
では具体的にどのような準備が必要なのか、確認していきましょう。
評価する目的を間違えないようにする
研修を評価する際には研修の評価を行うわけではなく、研修の目的や受講者の評価を行うと覚えておきましょう。
評価が目的になってしまっては、研修の目的を達成したかどうかが正確に判断できなくなってしまいます。
たとえば研修の前に次のような目的を設定しておくと、評価項目を作成しやすいでしょう。
- 研修によって受講者が知識やスキルを習得できたか
- 研修を継続して行うべきかどうか
- 研修プログラムの良い点や改善点を洗い出し、研修をブラッシュアップする
- 研修によって受講者の行動が変わったかどうか
- 研修によって結果を出した受講者をリストアップする
- 研修の効果をデータ化し、研修予算アップを目指す
- 研修の成果を経営陣に示し、協力を仰ぐ
複数の効果を測定することも可能ですが、正確なデータを取るためにも目的は1つに絞るのがおすすめです。
また測定したデータは経営陣に報告するのはもちろん、受講者にフィードバックすると今後の業務や研修に対するモチベーションアップにつながるでしょう。
評価の基準や評価項目を明確にする
研修の目的を設定したら、研修の効果測定項目を決めましょう。
評価項目は次の3種類に分けて設定するのがおすすめです。
- 業務評価の項目
- 能力評価の項目
- 姿勢評価の項目
業務評価の項目
受講者が研修後に業務でどのような成績を残したのか測定する業務評価の項目は、次のようなものが挙げられます。
- 業務目標達成度
- 課題目標達成度
業務目標達成度は研修前と研修後の数値で比較し、課題目標達成度は「課題を克服できたかどうか」を判断します。
ただし結果だけにとらわれず、結果につなげるためのプロセスもあわせて評価しましょう。
能力評価の項目
研修の受講者自身の能力を判断することも大切な評価項目の一つです。
能力評価の項目は次のようなものが挙げられます。
- 企画力:新しい企画を立ち上げるスキルを持っているか
- 実行力:企画を運営、実行していくスキルがあるか
- 改善力:自分自身やチームの現状を改善しようと努力しているか
能力評価の項目は評価する社員によって異なりますが、いわゆる中堅社員を評価する場合は「リーダーシップ」なども評価基準に加えても良いでしょう。
姿勢評価の項目
業務や能力だけでなく、やる気や伸びしろがあるかどうかを判断することも重要です。
姿勢評価の項目は次のようなものが挙げられます。
- 責任感:与えられた業務に責任を持って取り組んでいるか
- 協調性:コミュニケーション能力があるか
- 規律性:会社のルールを守れるか
このように業務だけでなく、同僚や上司、クライアントに真摯に向き合える人材は会社にとってプラスにはたらく可能性が高いでしょう。
アンケートなどの評価ツールを活用する
評価ツールをうまく活用すれば、より精度の高い効果測定が実現するでしょう。
なかでも次の2つの方法がおすすめです。
- 理解度テスト
- 行動観察
理解度テスト
テストの作成、実施と手間がかかりそうな理解度テストも、eラーニングツールを利用すれば簡単に実施することができます。
ラーニングプラットフォームのUMUはインターネットを活用した学習や学習度のデータ作成はもちろん、実施したテストのデータ分析、適切なフィードバックも可能です。
またインターネットを活用した研修では、参加者の表情をAIが分析し、理解度を予測することもできます。
このように、ツールを活用すれば学習から分析、フィードバックまで一本化することも可能なのです。
行動観察
研修内容を受講者が業務に活かせているかどうかの測定は、アンケートフォームを設置するとスムーズに実施できるでしょう。
アンケートに回答する対象は上司や同僚、部下など、さまざまなポジションの社員に依頼するのがおすすめです。
研修後、一定の期間が経過した頃合いでアンケートを実施しましょう。
アンケートフォームを活用すれば、データの集計も簡単です。
ただし、アンケート項目は回答者が気軽に答えられるよう、10項目くらいに絞っておきましょう。
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研修の設計の良し悪しが研修効果測定にも影響する
研修の設計の良し悪しは、研修効果測定にも大きく影響します。
前述の通り、研修効果はそのレベルが上がるほど実務に直結したところに表れるものであり、逆にいうと研修自体もそのレベルにアプローチしたものでなくてはなりません。
インプットだけの学びは理解度は測れますが、行動変容や成果/結果まではわからないということです。
上図に即してお話すると、ほとんどの研修効果測定は【A】の研修受講による知識/スキル習得を測るものに留まっていますが、研修内容次第では少なくとも【B】の行動指標(KPI)向上につながるマインド変化/行動変容までは測定可能です。
つまり、研修自体が【B】を満たしている必要があるということです。それが双方向性を取り入れたアウトプット型の学びであることは、言うまでもないですね。
効果測定を意識したUMUによる学習コース設計
UMUは学びのプラットフォームであり、研修効果測定のためのツールではありません。
しかしUMUで学びを設計するときに、その目的から逆算して組み立てていくことによって、測定効果を得やすい学びにすることはできます。
具体的には以下のような手順で設計していきます。
UMUの学びとは
UMUの学びは研修効果測定にもその特徴を発揮します。
研修効果を高めるためには、学んだことをアウトプットし続け、それに対して適切なフィードバック&コーチングを受けることが大事です。
オンライン化によってこれらの機会は格段に増しました。私たちは研修をイベントではなく、行動変容に至るまで継続的に行われるプロセスだと考えています。
インプットとアウトプットを繰り返し、それに対しての反応も得続けることができる、これがプロセスとしての学びです。
学習→反復練習&フィードバック→実践を1サイクルとし、これを繰り返すことによって学びは最大化されるのです。
ラーニングサイクル
プロセスとしての学びの一例として、AI機能についてご紹介します。
プロセスとしての学びでUMUは優れた性能を発揮します。フィードバック&コーチングに関してはそれが先輩や上司からのものだけではなく、UMUを利用するとAIによるフィードバック&コーチングも可能です。
例えば受講者が画面に向かってロールプレイングをしたら、それをAI機能が「表情」「音声」「ジェスチャー」などの項目ごとにジャッジし、「流暢に喋れてますね」などのコメントと共にレーダーチャートを出してくれます。
AIで自己練習を一通り行った後は動画機能を使い、自分のロールプレイを動画にアップして先輩からのフィードバックをもらいます。
さらには録画機能を活用して、自分のロールプレイを何度も見て復習することや、他人のロールプレイを見て参考にすることもできます。
講師×受講者だけではなく、受講者×受講者の関係も生まれるわけです。
AI機能
さらに、UMUは研修の質を高めるだけでは不十分だと考え、その事前・事後へもアプローチし学びを確実に定着させます。
前述にもあるように、かの有名な「70:20:10の法則」に従うと、企業における学びも10%の研修部分だけではなく、20%の薫陶と70%の経験の部分にもアプローチしていく必要があるということです。
UMUはまさにここに着眼して、ダイレクトにアプローチをしているプラットフォームです。
UMUの学びは否応なく実務の中にも浸透し、もしかしたらそれが学びだと気付かないくらいに自然に日常の中に溶け込んでいるかもしれません。
UMUの学びはこれまで効果測定が難しいと言われていた領域にまでアプローチしています。研修効果測定のレベルと上げることは、研修自体のレベルを上げることでもあるのではないでしょうか。
▼UMUオフィシャルウェブサイト
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