デジタル化によりOJTを長期フォロー。伴走型の仕組みで平時からの顧客関係性強化を目指す

富士ゼロックス株式会社 様

全国各地に多数の社員を抱える富士ゼロックス。新卒社員・キャリア採用社員それぞれの研修における課題を解決すべく、2020年2月にUMUを導入しました。研修を短期間で終わらせるのではなく、長期にわたるフォローアップで社員の成長を支えたい。研修のDX化も視野に入れての取り組みでした。 導入した部署は、販売戦略推進部 営業・SE力強化センター。 プロジェクトに関わった同センターの石濵健一郎 さん(センター長)、神田悠希さん、(新卒営業教育担当)、掛川育子 さん、(キャリア採用教育担当)、吉田アリサ さん(全体運営担当)、4名の方に、UMU導入以前の課題、実際の活用方法、今後の展開についてお聞きしました。(2020年10月インタビュー)

企業情報

社名       :富士ゼロックス株式会社
本社所在地    :東京都港区赤坂九丁目7番3号
設立       :1962年(昭和37年)2月20日
資本金      :200億円
ホームページ:https://www.fujixerox.co.jp/

顧客の課題を解決できる営業の人材育成が必要だった。

―新型コロナウイルス流行以前の導入決定でしたが、独自の人材育成戦略があったのでしょうか。当時の課題について教えてください。

石濵さん:
一昔前までは複写機を中心に収益を得ていましたが、時代とともに変化し、販売営業ではなく、ソリューションやサービス商材を組み合わせて提案する課題解決型営業が求められるようになっています。そこで営業職における人材育成の在り方も変えていこうといった発想になりました。そのためには現場教育であるOJT(On the Job Training)の位置づけが非常に重要となります。全国280名の新卒の営業担当社員に対して一人一人に我々が直接OJTを行うことができればそれがベストなのですが、物理的にも時間的にもリソース的にも、それは難しい。そのような課題を感じていた時に出会ったのがUMUです。これを使えば継続的にわれわれが伴走できるのではないかという、OJTに深く関わるための一つのチャレンジでした。

神田さん:
私の担当する新卒営業研修のプログラムは、入社後3ヶ月間の集合研修を行います。しかし2018年度までは70名ほどだった対象者が、地区ごとに新卒を担当していた統轄会社の解散により2019年度以降250〜300名と大幅に増加し、社員ごとのレベルのバラつきが多く見られるようになりました。画一的な研修の中ではどうしてもそのバラつきに対応しきれず、結局その後のフォローは現場のOJT任せになってしまいます。
そこで、短期集中のプログラムではなく、必要な知識を必要なタイミングで提供する、という長期的なプログラムを組むべきではないか、と考え始めました。

―OJTというキーワードがポイントだったのですね。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進との関係はあるのでしょうか。

石濵さん:
私たちはまず自らがDXを体感し、DXによってこれだけ業務効率が改善されますよ、ということを身をもってお客様にもご提案できなければならないと感じています。
そういった思いから、UMUをはじめとする様々なプロダクトを社内に導入して、社員が体感できるようなプログラムに取り組めるよう努めています。

掛川さん:
私はキャリア採用の研修を担当しているのですが、新卒と違い、キャリア採用は不定期のため採用人数も入社時期もまちまちです。3ヶ月に1度集合研修を行っていますが、入社のタイミングによってはタイムラグが生まれ、タイムリーに営業に必要な基礎教育を提供できないという課題がありました。
そこで、DXの推進によって、タイムリーかつフレキシブルに教育を提供できないか、と模索していた背景があります。

―研修のDX化という意味ではUMU以外にも選択肢があったと思いますが、なぜUMUが選ばれたのでしょうか。

吉田さん:
もともと、中国に赴任していたメンバーからUMUの事は聞いており、UMU主催のセミナーがあることをそのメンバーから紹介してもらいました。そのセミナーでUMU創業者の方から、UMUの想いや活用事例・機能について具体的にお話しをお伺いする事が出来、自社での活用イメージが湧いたことがUMUを選択させて頂いた理由の1つです。セミナー受講後は、得た情報を基に自社のメンバーに共有しましたところ、メンバーから多数の「いいね」アクションをもらいました。全員がUMUの想いや機能に共感し、自社課題を解決するツールである事を実感する事が出来たので、UMUの導入を進めることにしました。

掛川さん:
またUMUだけでなく、様々なLMSサービスについても比較・検討する中で、「UMUは双方向の学びを提供できる」という部分が最終的な決定ポイントとなりました。

元々集合研修を行っていたため、それをガラッと変えてしまうのではなく、良いところ—双方向性・インタラクティブな部分など—を残しつつDX化の方向に持っていきたいという思いがあり、UMUならそれが実現できると感じました。

ネーミングルール等の運用ガイダンスを工夫

―最初のプログラムの設計において気を付けたことはありますか。

吉田さん:
まず運用者向けに、UMU運用ガイダンスを実施しました。内容としては、ライセンス発行やネーミングのルール、コンテンツ改正や承認のフローまで幅広く展開しました。

その中の1つ、ネーミングルール作成の背景をお話しさせてください。運営側の立場の話になりますが、実はUMU導入前の運営スタイルは各研修ごとに運営が独立しており、自分の担当する研修以外の学習設計やコンテンツについて具体的に知る機会は少なかったと思います。それが、UMUを導入したことによって他のプログラムの学習設計が見えやすくなり、互いの研修の良いところを取り入れて有効活用する事が出来るようになったと感じています。
これを機会に、今後更に互いの良い設計やコンテンツを取り入れる為には社内でUMUに関わる全ての人が、ネーミングだけを見て「いつ誰がどのプログラム、コースを受けるのか」がはっきり分かるような仕組みが必要だと感じ、ネーミングルールを少しずつ策定しました。

また、ガイドラインは今作って終わりではなく、現場でのフィードバックを取り入れながら改善し、社内でさらにUMUを利用してもらえるようにしたいと思っています。

神田さん:
ネーミングについては、それぞれが好きなように命名してしまうと、新卒研修で使用した教材をキャリア研修で使いたい、などといった時になかなか探すことができません。
そのため吉田が代表となり、手順書やルールを最初に策定してから進めました。こういったことは、短期間で教材を作っていく中で、混乱せずスムーズにプログラムを構築できた1つのコツだったかもしれません。

―新卒研修・キャリア研修それぞれにおける、UMUの使い方を教えてください。

神田さん:
オンラインで実施した最初の1.5ヶ月の新卒営業研修時には、「1週目は○○と▲▲をやりましょう」といったように週ごとのコンテンツを用意し、何を学ぶのか迷わない、社員と伴走できるようなプログラムを構成しました。
そしてオンライン研修終了後には学習ページを作り替え、研修プログラムの復習や、実際に現場で必要となる知識など、それぞれが現場に出て自分の学びたいものにアクセスできるよう工夫しました。

掛川さん:
キャリア研修に対しては、最初の2週間はUMUで構築したeラーニングの学習ポータルで自学習を実施してもらい、その後の3日間はオンラインでやりとりしながら進めるワーク中心リモート研修、といった構成ででプログラムを再設計しました。
新卒と違い、キャリア採用の新入社員は実働勤務の中での学習となります。実際にお客様と接している中で隙間時間を見つけ、自分で学習スケジュールを立ててもらい、2週間でそれぞれ学習を終わらせる。それがクリアできれば3日間の研修に参加できますよ、という形をとりました。

―実際に使ってみた感想を教えてください。

神田さん:
コンテンツがとても作りやすく、直感的に操作できました。
また受講者にとっても、インターネットが接続できる環境さえあれば学習することができるため、学びたいものにアクセスしやすいですよね。

掛川さん:
コロナの影響でプログラムを急遽eラーニングに組み換えた部分も多く、急ピッチでのプログラム作成となってしまったのですが、UMUは学習ポータルの構築が非常に簡単で、短い準備期間でもスムーズに進めることができました。

デジタルネイティブ世代のおかげか、受講生側にはeラーニングもリモート研修も全く抵抗感なく受け入れてもらうことができました。不満も全くなく、むしろ教える側よりもスムーズに使いこなしていて(笑)、研修のDX化という方向性は間違っていないんだな、と改めて感じることができました。

―社員のみなさんからの反応はいかがでしょうか。

神田さん:
コロナの影響で自学習が増える中、他社さんだと課題図書を渡されて、「読んでおいてください」ということもあったそうです。一方UMUを導入する弊社はインタラクティブな教育コンテンツを用意していたため、「先進技術を取り入れている会社なんだ」と新卒社員に感じてもらうことができ、そういった面でも導入しておいてよかったと感じています。

石濵さん:
今年の新卒は、入社早々在宅勤務を強いられていました。新卒自身の孤独感はすごくあったと思います。社員同士が直接触れ合えず、組織に属しているのにその感覚が無い、という状態が2ヶ月近く続きました。
その中で、UMUを使うことで、社員同士が「同じ領域」で「同じ空気感の中にいる」という雰囲気を醸成できたように感じています。UMUを通して全国各地の同期の進捗状況を見ることができたため、競争心が生まれたり、「自分も頑張らなくては」という責任感のようなものも生まれていました。

長期的に現場を支えるプログラムで「成長が実感できる」企業に

―ガイドラインと同様、研修プログラムも改善・改変していく可能性はあるのでしょうか。

神田さん:
導入当初に予定していたプログラムも、コロナの影響で急遽変更せざるを得なかったり、目指していた理想像の半分くらいしか実現できていないというのが正直なところです。
短期集中であった新卒教育を、年間新卒育成プログラムとして長期的にサポートする。この目標に向かって、今後もプログラムを構築していきます。

掛川さん:
神田も言っている通り、コロナの影響により教育に穴をあけないよう、品質よりスピード重視で構築した側面もあり、、当初目指していた研修のTo be像にはまだ道半ば、という状態です。
最近では直行直帰の営業スタイルとなり、先輩に同行してスキル伝授、というようなこともなくなっています。そのため、いかにして若手社員に実践力を付けてもらうか、といった課題感の中で、OJTにバトンを渡した後にも彼らと伴走していく必要性を感じています。
基礎教育を終えたらそこで終わり、ではなく、UMUの機能や構築した仕組みの中で、長期的に現場と連携しながらプログラムを提供していきたいと思っています。

―最後に、貴社としての今後の展望を聞かせてください。

石濵さん:
現在、若手の離職者の増加や、シニア層のリカレントといったことも課題としてあがってきています。そういった中で、「成長できている実感」を常に持ち続けてもらいたいと思っていて、そのための仕組みの1つとしてUMUを選択しています。「この会社に属していると成長できそうだから、もう少し頑張ってみようかな」と、力を発揮してもらえるような環境を整備していき、そういった情報がやがて学生にもまわり、面白そうな会社だから入ってみようかな、と思ってもらえるようになれば嬉しいですね。

2〜3年前までは私たちも、営業人材の「あるべき像」といったものを作って、そこに向けてあらゆる教育プログラムを作っていました。しかしながら、営業は100人いれば100通り。
研修を受けて成長する人もいれば、本を読んで成長する人もいる。尊敬する人の行動を真似て成長する人もいれば、あるいはインセンティブを目指して努力できる人もいる。
社員それぞれの「成長したい」という要望に応えられるようなコンテンツを用意し、人材の活性化をしつつ、会社全体を成長軌道に乗せていきたいと思っています。

【インタビューを終えて】

新型コロナウイルスをきっかけに社員研修を変える動きが多い中、顧客側のニーズの変化にいち早く気づき、そこに対応するために営業研修の変革に着手していたとは先見の明があります。OJTを変革し、現場での学びをインタラクティブにしていく、それが社員の成長となり、企業の成長に結びつくのだ、との考え方が販売戦略推進部の皆さんの中で共有されていました。ネーミングルールを作って運用ガイダンスをするといった事前の設計は混乱を避ける工夫も多くのUMUユーザーの参考になると思います。さまざまな課題に真剣に向き合って次々に対策を立てていく社風なのでしょう。これこそが富士ゼロックス様の資産だと感じました。
UMUは今後も社員の学び改革に取り組む企業を支えていきます。

(インタビュア:片桐康宏/構成:UMU高田蒔)

一覧に戻る