繰り返し学習の成果を実感、会わない中でも双方向のコミュニケーションを図る

(人材開発支援部 人材開発支援チーム 入社支援課 課長 古藤 梢さん)

 

株式会社マイナビの人材開発支援部は、2021年4月入社予定者の内定者フォローからUMUを導入。入社時の新入社員研修でもUMUを活用しました。前年の新入社員向けアンケート内容を参考に、完全オンライン型の育成スキームを設計したとのこと。企画・設計を担当されたのは、同社の人材開発支援部 人材開発支援チーム 入社支援課 課長の古藤 梢(ふるとう・こずえ)さん。古藤さんは、入社以来、新卒採用担当及び新卒採用設計業務に従事されてきました。昨年から現在の部署へ異動し、内定者や新入社員、若手社員育成の研修設計に取り組まれてきました。UMU導入の理由や成果、具体的な設計方法についてお聞きしました。(2021年7月)

 

企業情報

社名            :株式会社 マイナビ

本社所在地   :東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号 パレスサイドビル

設立年月日   :昭和48年(1973年) 8月15日

資本金           :21億210万円

ホームページ :https://www.mynavi.jp/

 

「イメージのしやすさ」「社会人への意識切替」が課題

―コロナ禍での初めての内定者フォロー。内定者フォローはいつから実施したのでしょうか。また、組み立てにあたって事前に検討したことを教えてください。
当社では、毎年10月末から3月末にかけて内定者フォローを行います。入社後は入社式と新入社員研修の後、すぐに事業部へ配属され、早々にOJTが始まる部署もあります。そのため、内定者育成のメインのミッションは早期戦力化です。入社前にどれだけ学びを提供できるかがポイントになってきます。具体的には、2020年度の新入社員研修でのアンケート結果を参考にしました。

 

―2020年度の新入社員研修の対応から、どのようなことを感じられましたか。
2020年度の新入社員は、内定者研修はオフラインでできていたのですが、入社式も、新入社員研修も中止で、自宅待機となりました。そうした中、研修の資料を自宅に郵送したり、一部動画コンテンツを提供するなど、緊急対応を行いました。当時の私たちとしては、コンテンツを提供することで精いっぱいでした。研修後に行ったアンケートからも明らかで、一方的に学びを提供するだけで、学びの質と量を担保することができなかったと振り返っています。

 

―アンケートでわかったことはどのようなことですか。
アンケート内の「研修の内容を通じて仕事内容、事業内容をイメージできましたか」という問いには75%以上の人が「できた」と答えてくれましたが、「一人で画面を見るだけでは、なかなかイメージが湧かない」という声もありました。他に「社会人への切り替えができましたか」という質問では、「できていない」という人が40%弱という結果で、「大学の授業、課題の延長のようだった」という声もありました。

 

―内定者フォローでUMUを導入しようと決定した理由は何でしょうか。
オンラインで双方向のコミュニケーションが可能なツールを検討しました。UMUを導入する決め手となったのは次の5点です。「双方向性」「動きのあるコンテンツ」「操作のシンプルさ」「作成のスムーズさ」そして、「事業部でも導入しているため入社後を見据えて慣れてもらうことができる」、といった観点から総合的に判断しました。

 

―古藤さんが最初にUMUを見た時に感じた印象はいかがでしたか。
「動きのあるコンテンツ」が響きました。内定者フォローで活用できるイメージがすぐに湧きましたね。作成にあたっては、「操作のシンプルさ」も決め手になりました。

 

繰り返し学習は確実に成果につながる

―内定者フォローは全てオンラインだったのでしょうか。また、フォローにあたってのメインテーマはどのような内容でしたか。
2021年度の内定者育成は、内定者研修3回、入社前研修1回の計4回、完全オンラインで行いました。テーマは「主体性を持って働く人材へ」で、UMUの特性を踏まえつつ、私たちが内定者にもっとも求めていることを掲げました。

 

―受講環境やプログラムの流れはどのようなステップだったのでしょうか。
受講環境は内定者によって異なりますが、PCを持っている場合、全体の進行はPCでZoomをつなぎ、手元のスマートフォンでUMUのアプリを開き、テストや課題、アンケートを行います。さらに、共通テキストとして弊社の教材も配布しました。

 

研修内容は繰り返し学習をメインに、同じコンテンツを3回(テスト→任意学習→テスト→任意学習→テスト→任意学習)繰り返して行いました。すると、テストで満点の割合が増えていきました。例年より習熟度が高まったのではないかと思います。

 

―まさに繰り返し学習ですね。その他、分析してわかったことはありますか。
総学習時間と評価に相関関係を分析したところ、相関の出ない分野もありましたが、電話の受電対応テストは、長く学習している人が高評価を取っており、UMU活用の効果が実感できました。

 

―「会えないという理由でできないことはない」という言葉が印象的でしたが、うまくいかなかったことはないですか。
やはり画面上だけではマインドの把握は難しく、表情の変化や目の動きなどを読み取りにくいということはありました。これらをクリアするため、グループワークを多く設定し、コミュニケーションシーンの中で内定者の状態を把握するよう努めました。

 

基準を明確にした上で、主体的に取り組んでもらう

―主体性な学びは理想的ですが、実現は結構難しい。具体的にはどのような工夫をされましたか。
自分から「やりたい」という気持ちを醸成することがポイントだと思います。「やりなさい」はもう通用しない。できること、できないことを自己理解したうえで、私たちがここまでやってほしいという基準を明確に提示し、その差をうめるための学びとして自分は何をすべきかを選択できるようにしたいと思っています。

 

―今回UMUを導入したことに対して、社内の反応はいかがでしたか。
UMUのアカウントを入社後の研修担当にも付与したところ、「内定者時代に何をしていたのか把握できた」という声を多くもらいました。内定者研修と入社後研修の連携は例年の課題であったため、学習内容の共有がスムーズにできたことは非常に有意義であったと感じています。

 

―実際内定者フォロー、新入社員研修を経て事業部に配属された後、受け入れ側の反応はどうでしたか。
受け入れ側からは、オンラインツールでの質問やコメント、リアクションというオンラインコミュニケーションに慣れている点を評価されました。

 

―内定者を受け入れる側も準備が必要だろうと思います。
昨年からOJTトレーナー研修というものをしていて大変好評です。内定者も、受け入れ側も、ともにレベルアップしていこうという取り組みです。

 

―内定者にどんなフォローをしているか、社内で認知されるために実施したことがありますか。
これは本当に課題だと思っています。現場で受け入れてくださる管理職に育成の手引きや、これまでこういう育成をしてきましたという資料を渡しているのですが、なかなか浸透していないというのが現状です。次年度に向けて、受け入れ側の方々に向けてレクチャーをすることなども考えています。

 

主体的学びの習慣化やラーニングサークルの活用に挑戦したい

―今後継続したい点について教えてください。
この1年を通して、会えないということが理由でできないことはない、と強く感じています。そもそも「会わない研修」を「会う研修」と比べてはいけないのです。会うことはとても大切ですが、それと比べるのではなく、会わない中でのベストプラクティスを考えていくことが、我々のミッションです。

 

これを前提とした上で、継続したいのは次の4点です。「コンテンツのオンライン化」「インタラクティブなオンライン研修の実践」「学びの選択と繰り返し学習」「オンラインツールの操作理解、慣れ」。特に重点を置きたいのが「学びの選択と繰り返し学習」。幅広く学んでほしいという気持ちもありますが、一つの学びを繰り返し選択して習熟度を高めるというのが、オンライン上でできること、やったほうがいいことなのではないかと感じています。

 

―今後改善したいきたいこと、新たにチャレンジしていきたいことはありますか。
課題として残ったのは、「研修回数や時間、課題の負荷調整」「主体的な学びの習慣をどうつくるか」「学習の個人差をどうカバーするか」「内定者同士のつながりをどう深めるか」。特に「”主体的な学びの習慣”をどうつくるか」はチャレンジしたいことです。スキルの標準化を図るためには、必須の学習要素を増やすべきなのですが、それを内定者の主体性に任せてみたいと思います。コンテンツを充実させ、内定者が自分で学べる、学びを選択できる仕組みをつくっていくこと、また今年度はUMU機能の「ラーニングサークル」にも挑戦したいと考えています。

 

インタビューを終えて

オンラインだからといって諦めることなく、繰り返し学習などオンラインだからこそできることを組み立て、成果につなげ、数値分析で評価する。一連の流れを意識してプログラムを設計・分析している点に並々ならぬ熱意を感じました。主体的な学びの習慣化はどの企業においても課題となっていますが、会社が明確な基準を示すことが前提となる、と会社としての責任も明快にしている点がすがすがしい。マイナビさんならではのスマートなオンライン学習の設計が今後もブラッシュアップされていくと思います。UMUも主体的な学びを支援するツールとして期待に応えられるよう、機能やサービスを充実させていきます。

(担当:片桐 康宏/編集:石川慶子)

 


古藤さんにご登壇いただいたセミナーのレポートを以下よりダウンロードいただけます。

https://umujapan.co.jp/download/umu_for_naiteisya/

 


 

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