テレワークで生産性が下がる?向上させる4つのコツと導入事例を紹介

働き方革命や新型コロナの影響で、テレワーク導入企業が急増しています。同時に、テレワークによる生産性の低下を指摘する声や、データも出ているのが事実です。ただ、逆にテレワークによって生産性が上がった企業もあり、導入事例などから生産性向上のヒントを学び、取り入れましょう。

今回は、テレワークの生産性を上げるコツを紹介します。生産性に関する公開データや、生産性が下がる原因など対策を実施する上で必要な情報をまとめていますので、ぜひお読みください。

テレワークは生産性が下がる?

テレワークによって生産性が下がったという声が出ている一方、生産性が上がった事例もあります。公開されているデータを見てみましょう。

 

テレワークの生産性に関するデータ

総務省が公開したデータ(*1)によると、テレワークを導入した企業の業績を見ると、売上高よりも経常利益においてより顕著に上がっていることが判明しました。また、労働生産性向上を目的としてテレワークを導入した企業はおよそ6割に上ります。

一方で、日経BP総研イノベーションICTラボのデータ(*2)では、生産性の低下が報告されています。実際にテレワークを導入した結果、普段職場で仕事をする場合の生産性を100とした場合、生産性が下がったと回答した人は約半数でした。

以上のデータから、生産性アップを見込んでテレワークを導入したものの、実践してみると生産性に関する効果を感じている人は少ないことがわかります。

*1:「図表4-2-1-11 テレワーク導入状況と直近3年間の売上高、経常利益が増加傾向の企業の比率(従業員数300人以下)」

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc142140.html

*2:日経BP総研イノベーションICTラボのデータ「新型コロナ対策テレワーク実態調査」

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01471/052400010/

テレワークで生産性が上がったデータも

一方で、テレワークを導入したことで生産性が上がったというデータも出ています。厚生労働省によるテレワーク勤務の実証実験の調査結果(*)では、生産性が向上した人の割合は30%近くでした。また、生産性は変化していないと感じている人は約6割で、合計すると9割近い人が生産性には悪い影響がないと回答しています。

厚生労働省のテレワーク総合ポータルサイトでは、在宅勤務には、静かな空間やリラックスした服装などのメリットがあると指摘。環境要因によって、集中力が持続する時間が約1.8倍に増えたことも報告されています。以上から、テレワークが生産性の低下につながるとは一概に言い切れないことが明らかになりました。

*:厚生労働省のテレワーク総合ポータルサイト

https://telework.mhlw.go.jp

 

UMUの記事『リモート営業は生産性を上げられる大チャンス!?』ではリモート営業による生産性を上げるためのノウハウを紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

テレワークで生産性が落ちる主な原因

テレワークで生産性が落ちる主な原因として、下記3つが挙げられます。

  • 仕事環境の問題
  • コミュニケーションの問題
  • 労働時間や状況・業務プロセスの管理問題

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

仕事環境の問題

テレワークをする環境が整っていないと、生産性が下がりやすくなります。オフィスではデスクやパソコンなど、仕事がしやすい設備が整っていますが、自宅では同じ条件ではありません。

自宅勤務のために、落ち着いて仕事に専念できる空間やデスク、照明などの設備を用意する必要があります。小さな子どもやペットがいる家庭は、仕事だけに集中できる時間は限られてくるでしょう。

また、ネットワーク通信の問題もあります。リモートワークにはWifiなどの通信環境が必須であり、通信速度が遅いと作業効率は悪くなるでしょう。

 

コミュニケーションの問題

テレワークにおけるコミュニケーションの取りづらさもハードルとなります。オフィスという同じ空間にいる状態では、相談や報告などの会話によって気軽にやりとりが可能です。一方で、テレワークではウェブミーティングなど事前に日時を決めることが前提となり、ちょっとした会話で済む事項の確認に時間がかかります。

オンラインチャットなどのツールを使えばコミュニケーションの頻度はあるでしょう。ただ、相手の表情や声のトーンなどから意思疎通を図ることは難しくなります。

 

労働時間や状況・業務プロセスの管理問題

労働時間や仕事の進捗状況、業務プロセスの管理という問題も出てきます。テレワークにおいて、勤務状態や進捗状況を把握するためには、管理システムが必要です。意識的に連絡や報告、確認を行う仕組みの導入と実践が求められます。

また、労働時間を他人が確認することが難しく、残業が申告しづらい点も課題です。オフィスでは気軽だった仕事の進捗や社員の勤務状態などに時間がかかり、結果として生産性の低下を招いてしまいます。

 

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テレワークの生産性向上4つのコツ

テレワークの生産性をアップさせるためには、生産性が下がる原因を解消するとともに有効な対策を取り入れる必要があります。次の4つのポイントを取り入れてみましょう。

  1. コミュニケーション・情報共有ツール
  2. 勤務管理や評価制度
  3. ツール導入
  4. テレワーク時の習慣づくり

それぞれについて詳しく解説します。

 

1. コミュニケーション・情報共有ツール

テレワークの生産性を上げるためには、有効なツールの活用が効果的で、中でもコミュニケーションや情報共有に役立つツールは重要です。オフィスという同じ空間にいない上司や部下、メンバー同士がやり取りするために、使いやすいツールを取り入れる必要があります。ChatWorkやSlackといったオンラインチャットツールを有効活用するとともに、連絡を取り合う頻度を増やすことを心がけましょう。

円滑なコミュニケーションと同時に、情報共有の機会も大切です。複数のメンバーで進めるプロジェクトでは、全員が最新情報をシェアできているかが案件の進捗にも影響します。必要な資料やウェブサイトのリンクを一括管理できるツールの導入もおすすめです。

 

2. 勤務管理や評価制度

勤怠や評価についても見直して、テレワーク用の制度として調整しましょう。メールで出勤や退勤の連絡を上司に入れるやり方でも可能ですが、勤怠管理システムが便利です。インターネット上での出退勤の打刻や、会社用のパソコンのログイン・オフで出退勤できるものなど、いくつか種類があります。実際に使う社員の意見も取り入れ、使いやすいものを採用しましょう。

勤怠管理システムを使うことで、上司は社員の出勤状況を一括管理でき、勤務態度が見えないテレワークでの評価にも役立ちます。

 

3. ツール導入

テレワークでの生産性を上げるために必要なITツールを導入しましょう。代表的な業務ツールとして下記のようなものがあります。

  • ウェブ会議・商談用のビデオ通話ツール
  • 勤怠管理・労務管理システム
  • ワークフロー承認システム
  • チームメンバー用オンラインチャットツール
  • データ共有用のオンラインストレージ
  • オンライン研修・eラーニングシステム

テレワークの浸透とともに、さまざまなビジネス向けオンラインツールが登場しています。上記は一例ですが、複数の機能がひとつになったシステムもあるので、自社やチームに最適なものを選ぶことが重要です。

 

4. テレワーク時の習慣づくり

出社する必要がないテレワークでは、働く習慣を作りましょう。仕事に必要な設備やツールがない自宅では、モチベーションが下がりやすく、生産性の低下につながります。仕事する前にデスクまわりと掃除整頓する、部屋着からオフィスカジュアルな服装に着替える、といった対策も有効です。

必要であれば、オフィスチェアやモニターなど業務に適したアイテムを揃えることも検討してみてください。業務開始と終了のタイミングを明確にし、オンとオフを切り替える手段を持つことも大切です。軽く体を動かしてからパソコンに向かうと、ストレス解消や肥満予防にも役立ちます。

 

UMUの記事『生産性を上げる方法5選!フローの見直しや5S導入で生産性アップ!』では、生産性向上のためにまず見直すべき「ワークフローを見直して生産性を向上させる方法を5つ紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてください。

 

テレワークによる生産性向上の事例を紹介

ここで、テレワーク導入によって生産性が向上した事例を2つ紹介します。

  • WORK SMILE LABO(岡山市)
  • NTTコミュニケーションズ(東京都)

生産性アップのヒントが見つかるはずです。詳しく見ていきましょう。

 

WORK SMILE LABO(岡山市)

株式会社 WORK SMILE LABOは、岡山県岡山市に拠点を構え、オフィス用品やOS機器を扱う企業です。創業は明治44年と古く、100年以上の歴史を持っています。

2016年度よりテレワークを導入し、全社員にパソコンを支給して、スマホでの出退勤管理ができるよう整えました。時間あたりの生産性が上がると賞与にも反映される制度も採用しています。結果、1年間で売り上げ5%増を達成。社員全体の残業時間は約4割も減ったにも拘らず、生産性も8%アップしました。テレワークによる生産性向上の事例として、経済産業省のデータ内でも紹介されています。

*:「働く、が変わる 」テレワーク~先進事例のご紹介~

http://teleworkkakudai.jp/seminar/2019/pdf/shizuoka/soumu191218.pdf

 

NTTコミュニケーションズ(東京都)

東京都のNTTコミュニケーションズは、コロナ禍2020年2月に全社リモートワークへ移行、社員のテレワーク利用率は約8割を維持しています。テレワーク導入後、朝9時前から業務を開始する人が増えました。

また、通勤時間がなくなったことで実質的に社員の自由時間が増え、ワークライフバランスの向上にもつながっています。全体における平均残業時間が減っており、生産性がアップしました。社員が働く時間と場所の柔軟性を前向きに利用している事例です。

 

テレワークの生産性向上に必要な対策をダウンロード!

生産性の向上は、多くの企業におけるテレワークの課題といえます。テレワークによる生産性をアップさせるためには、適切な対策の実践が重要です。現状に合った最適な対策方法を知るために役立つ資料を、下記からダウンロードできます。

「創造性・生産性向上のかぎ「情報リテラシー」にあり!」と「あなたの学習スタイルを新しく変える!UMUって何だろう?」の2つの資料では、多様な働き方を通した生産性の向上や、個人の成長のヒントが得られます。すべて無料なので、ぜひご活用ください。

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まとめ:テレワークの生産性を上げて成果を達成しよう

テレワークは、出勤不要などのメリットがある一方、生産性が下がるのではという懸念が出ています。ただ、実際のデータでは、生産性が下がった事例と上がった事例両方が報告されており、自社に合った取り入れ方や実践方法の選定が成功のキーといえるでしょう。

オンライン研修ツール「UMU」では、テレワークでの生産性を上げるために必要な情報を簡単に保存、シェアできます。社員全員が働きやすい環境を整備するために、役立つツールとして使えるので、ぜひ下記リンクから一度試してみてください。

https://umujapan.co.jp/

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