【テクノロジーで劇的に変わる経営と働き方】講演レポート(前編)
image: 2018 Future of Work
Bersin™ by Deloitte
2018年9月5日(木)に開催された「Future of Work Japan 2018ー未来の経営と働き方に出会うEXPO」でのJosh Bersin氏の講演内容をダイジェストでお届けします。
Josh Bersin
働き方や人事、リーダーシップ、また広義に渡るHRテックマーケットを研究しており、世界で有数の人事を先導する人物として知られている。2012年にBersin & Associatesをデロイトに売却し、以後はBersin™ by Deloitteとして活動。その後もデロイトのシニアアドバイザーとして活躍し、大企業の組織体制や主要な研究機関にアドバイザーとして従事。LinkedInで70万以上のフォロワーを持つ。コーネル大学卒業、スタンフォード大学修士取得、UCバークレーMBA取得。
まず、皆さんに質問です。
AIやテクノロジーの発達によって、我々の仕事はなくなっていくと思いますか?
答えはNoです。
Deloitteの調査によると、AIやロボティックスを導入した企業のうち、約8割がテクノロジーの導入によって、仕事が減るではなく、より良い仕事が生まれたと答える。そして、アメリカの統計データ(図1)からも、過去80年間、ものづくり&製造関連の仕事が減る一方、サービス業の仕事が増え続けているというデータも出ている。
図1<出典:Future of Work The People Imperative Josh Bersin October, 2017>
今世の中の仕事や働き方がどのような変化が起きているのでしょうか?
ーToday’s New World of Workー
1. テクノロジーが発達する一方、企業の生産性が上がっていない。
図2 <出典:Future of Work The People Imperative Josh Bersin October, 2017>
驚く事実だが、企業生産性はテクノロジーの進化によって、思うほど上がっていない。その理由はとてもシンプルで、現場にテクノロジーが多すぎて、従業員は圧倒されているからだ。
図3 <出典:Future of Work The People Imperative Josh Bersin October, 2017>
そして、CDCの調査によると、アメリカの企業が従業員に支払う医療費、年間3000億ドルにも登る。長時間労働、仕事のストレスが主な原因となる。
図4 <出典:Future of Work The People Imperative Josh Bersin October, 2017>
2. 職場でウェルビーイングについての関心が高まっている。
特に2008年以降、ウェルビーイングについての検索が飛躍的に増えている。
図5 <出典:Future of Work The People Imperative Josh Bersin October, 2017>
3. キャリアモデルがよりオープンで、よりフレキシブルに。
Deloitte HC Trends 2017の調査によると、83%の企業は3~5年以内によりオープンで、フレキシブルなキャリアモデルを構築しようとしている。5割以上の企業は人事異動の制度を再構築または再構築の計画をしている。約7割の企業は、水平的な人事異動(他部門への異動)、プロジェクトベースの異動制度を推奨している。
図6 <出典:Future of Work The People Imperative Josh Bersin October, 2017>
4. ミレニア世代が働くことに対する意識の変化
「ミレニアル世代」はどういった意識で仕事と向き合っているのだろうか?
Deloitteが2016年に7万人を対象に「Millennial Survey」を実施した。
その結果から
- 8割の人が上司の仕事に対して平等な評価権限を求めている
- チームメイトが仕事をする上で最も大切な人である
- 2/3の人がクリエティブな仕事をしたい
- 同じ会社で7ヶ月も務めていれば「忠誠心がある」と捉える
- 月ごとのフィードバックと年間ごとの昇進を期待している
- 「市民」意識、社会への責任感が強い
- 77%のミレニア世代がボランティア活動、チャリティーワークに参加している
といった傾向がわかった。
従業員の期待値の変化によって、責任感、社会的貢献のある雇用主が求められるではないでしょうか?
では、これらの変化にどのように対応すべきでしょうか?
講演の後半部分で、時代の変化に応じて、これからの人材戦略、経営戦略のあり方について、五つのキーポイントが挙げられた。詳細は後編へ続く。
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