マイクロラーニングはモバイル優先にすべき

 

ほとんどのマイクロラーニングは、従業員の期待に応えられていないようです。

教室型学習をモデルにマイクロラーニングを作っているのであれば、考え直す必要があります。

本日は未来の革新的なラーニングを創造しているGronstedtグループ代表 Anders Gronstedt氏のClomediaへの寄稿をご紹介させていただきます。

http://www.clomedia.com/2017/03/30/microlearning-mobile-first/ 

 

飛行機への搭乗を待ちながら、リーダーシップスキルを学ぶ場合を考えてみてください。

理想のマイクロラーニングはこんな感じです。

ビデオで「よくある管理上トラブルシーン」が再現されます。 電話機を自然なやり方で持っていられるよう、ビデオが縦方向にフィットするようになっています。 そして最後に、「主人公はどのようなネガティブフィードバックを与えるべきですか」という課題が出されます。 Tinderスタイルのインターフェイスにオプションが表示されます。 右にスワイプすると、自分の判断の結果どうなるかのフォローアップビデオが再生されます。 正しく答えると、Snapchatスタイルのトロフィーが与えられます。 Arizonaへの休暇を勝ち取るには、あと8つのトロフィーが必要です。 次に、同僚がヒントを共有するInstagramスタイルの「ストーリー」をいくつか視聴します。 自分がチームメンバーにフィードバックを与えた回数を入力すると、フィットネスアプリのように、アプリがそれを追跡します。 搭乗時間になったので、5分間のマイクロラーニングを終わりにします。

これこそが、理想のマイクロラーニング像です。

関連性があり、モジュール化され、学習者に合わせてパーソナライズされています。

その他の利点もあります。 つまり、認知負荷が軽減され、時間をおいて繰り返すことによって難しい概念の記憶保持が促進され、デジタルライフの合い間をぬってトレーニングすることができるのです。

悲しいかな、今日のほとんどのマイクロラーニングはこのようになっていません。

私は過去数年にわたり多くの業界カンファレンスに参加し、マイクロラーニングについての数えきれないほどのプレゼンテーションを見てきました。 そのほとんどは、教室型学習をモデルとしており、講義とクイズが含まれ、デスクトップ向けにデザインされています。 モバイルバージョンは、後から追加される程度のものでしかありません。 これでは従業員の期待に応えることができません。

従業員は、デスクトップよりも多くの時間をモバイルデバイスを使って過ごしています。

Mary Meekerによる2016年の調査レポートでは、ベンチャーキャピタルKleiner Perkins Caufield & Byersのあるパートナーでは、平均、モバイルデバイスに51パーセント、デスクトップに42パーセントの時間を費やしていることが報告されています。

 最新の調査では、貧弱なデザインのモバイル体験が真の問題であることが明らかになっています。

ArcTouchが今年発表したレポート『機能はするが親しみにくい:エンタープライズモバイルアプリのユーザー体験に関する調査』によると、エンタープライズモバイルアプリを使っているのは従業員のたった12パーセントであるとのことです。 それが直感的ではないと感じているユーザーは、なんと70パーセントであり、洗練されていると思っているのはたった13パーセントです。 従業員がアプリを使ってみようという気持ちになる理由として、ユーザー体験が「直感的である」ことと「洗練されている」ことが2つの最も重要なポイントです。 しかし、これは最近のエンタープライズモバイルアプリの最もダメな側面でもあります。

モバイルデバイス上でマイクロラーニングを使うことは、学習する組織にとって大きなチャンスです。

しかし、エンタープライズアプリに関連する問題を防ぐ必要もあります。

モバイルマイクロラーニングを成功させるには、モバイル優先のアプローチをとる必要があります。

このとき、以下のように直感的で洗練されたユーザー体験を提供できる必要があります。

 • タッチインターフェイスを活用する

たとえば、小さいラジオボタンをスワイプインターフェイスに置き換えます

 • 垂直方向の画面に収まるようなビデオにする

Snapchatがスマートフォンについて行なった研究によると、垂直方向に表示できるビデオは、水平方向のビデオ比べて9倍も視聴率が高いことが示唆されています

 • 興味を喚起するようなストーリーを使う

Snapchat、Instagram、そして最も最近ではFacebookの最も人気のある機能が「ストーリー」であることは、単なる偶然ではありません

 • 問題解決や達成感を通じて参加意識を高めるようなゲームやシナリオを作る。

次第に難しくなるタスクにレベルアップすることで、プレイヤーの集中力や興味をつなぎとめます。

• 学習をソーシャルにし、写真・ビデオ・シナリオ・ストーリーを共有する。

• 電話機・カメラ・ジャイロスコープ・GPSなどのすべての機能を使って、拡張現実体験やスカベンジャーハントを作り出す。

 • モバイルに最適化されたサイトだけに限定しない

自分のマイクロラーニングをモバイルにするかどうかを考えるのではなく、それをデスクトップ対応にもするかどうかを考えるべきでしょう。

市場に1,000を超えるフィットネスアプリが出回っていることを考えると、モバイルアプリが行動の変化に効果的であることは明らかです。 2015年8月に『Journal of Medical Internet Research』誌に発表された 研究によると、フィットネスアプリを使う人は、それを使わない人よりも活動的であるとのことです。 このようなフィットネスアプリは、パフォーマンスを追跡し、手順を追ったインストラクションを与え、楽しく取り組める競争を促します。 コンシューマーアプリ業界のこのような原則を適用すれば、画期的な学習体験を提供することができます。

 

マイクロラーニングを適切に行えば、学習を作り直すことができます。

しかしこれには、Pokémon GO、Tinder、MyFitnessPal、Snapchat、Instagramなどから知恵を借りる必要があります。 役に立ち、関連性があり、直感的で、洗練された、動作の速い、楽しく嗜癖性のあるマイクロラーニング体験を作りましょう。 コンシューマー向けアプリの考え方を参考にすれば、従業員の生活に学習ナゲットを組み入れることができ、3分間のレッスンが終わった後でも、長期間記憶が保持されるようにすることができます。

Anders Gronstedt is the president of Gronstedt Group, a digital training agency. Comment below or email editor@CLOmedia.com.

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