トレーニングの未来(小さく考える。マイクロラーニング)
今日はBen Muzzell氏が「Learning Solutions」に寄稿した2年ほど前の記事をご紹介させていただきます。
「小さく考える(トレーニングの未来)」
http://www.learningsolutionsmag.com/articles/1595/the-future-of-training-think-small
大きいことは、必ずしもいいことではありません。
トレーニングの場合にも同じことが言えます。
大抵の企業で行われているトレーニングは大がかりなフォーマルトレーニングであり 、インストラクター・マニュアル・プレゼンテーション・何時間もかかるセッションで構成されています。
大規模なフォーマルトレーニングプログラムが魅力的なのは、それがある意味「目立つ」からです。
その実体を示すことができ、強い印象を与えることができるからです。
フォーマルトレーニングがあれば、企業はたくさんのトレーニングリソースと今後のトレーニングセッションのスケジュールを見せて
「これが我が社のトレーニングプログラムです。 幅広い分野を網羅しています。こんなに学習する環境が整っているんです」
と言うことができます。そして、実際にそのようにトレーニングを実施しています。
しかし、、、問題なのは、このようなやり方が時代遅れで手間がかかり、非効率的であることなのです。
実は研究でもそのことが証明されています。
JohnstoneとPercivalが「平均的学生は10~18分しかその最適な集中力を保つことができず、 その後は学習能力が弱まる」ことを示したのは、1970年代にさかのぼります。
つまり、学習者は簡単に気が散ってしまうのです。
この考えは、Burnsによって1985年に再び確認されました。
この研究では(その研究者も驚いたように)、被験者の学生は最初の15分間に関しては学んだ内容をよく思い出すことができるものの、 ほとんどはそれ以降に集中力が失われていることがわかりました。
時間とエネルギーを要する長々としたトレーニングセッションは実はすべて、大抵の人が考えているようなインパクトを生むことができないのです。
DigentiとCrossは「ワークショップや教室型学習が失敗しているのは、 それが職場で必要とされる知識の10~20パーセントにしか対応していないからだ」と言っています。
長時間のトレーニングセッションからは、すぐに活用できる実践的な情報を得ることができません。
このようなトレーニングは大量の時間と予算をかけ、学習者が消化できる以上の情報を押し付けています。
さらに、このようなトレーニングを準備するのは大変です。
インストラクターが時間を割いてすべての教材を用意し、部屋を予約し、トレーニングを行い、 参加者が学ぶべきことを覚えているかどうかにかかわらずスケジュールに合わせて進行します。
本来、実は学習は「毎日の生活の中に生じているもの」であり、そのほとんどは、教室以外のところで起こっています。
DigentiとCrossが言うように、人は自分が知る必要のあることのほとんどをインフォーマルな状況で時間をかけずに学んでいます。
たとえば、同僚とのやり取り、上司からの訓話、ちょっとした調査、積極的観察、トライ&エラーなどがその例です。 こうした学習は、状況に応じて、計画外に、非公式に行われます。
このような学習には「学習している」「目立つ」ような要素がないので見落とされ、
その価値をみおとされがちです。
コントロールしたり、投資するものとして意識されていないので、企業はその重要性を認識していません。
問題は明らかです。
従来型トレーニングが、学習の妨げとなっている一方、日常の中にある効果的な学びの価値が低くみられているのです。
だからこそ「マイクロラーニング」が役立つのです。
「マイクロラーニング」は、インフォーマルラーニングを活用し、フォーマルトレーニングセッションの問題に捉われることなく、それに形を与えることのできる方法です。
Vries とBrallによると、マイクロラーニングの目的は、このインフォーマルラーニングを「もっと目立つようにし、拡張性や再利用性を高め、最新のものにする」一方で「日々の仕事を妨げないようにする」ことであるとのことです。
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