【学びのDX戦略をどう進める?Vol.3】AI時代の新人エンジニア育成カリキュラムとは?
前回は、ブログの2回目として若手の学びの性向や、注意力欠如の課題などについて取り上げた。
しかし問題は学び手にあるというより、学んでもらう側にも欠けている点が沢山見受けられる。
注意力を喚起して、その集中時間を長くさせるには、コンテンツの中身やその学ばせ方を考慮する必要がある。
第3回目の今回は、若い人たち、特にIT技術者を目指す人たちにどんな学びをしてもらうか、その内容を提示したいと思う。
著者プロフィール
IPイノベーションズ株式会社 代表取締役社長
ユームテクノロジージャパン株式会社 取締役会長
浦山 昌志氏
松下電器産業無線研究所ビデオ技術研究、 通産省電子技術総合研究所、CSK教育事業部を経る。
CSK教育事業部時代に、CISCO教育およびLMS(Learning Management System)を日本で最初に立ち上げる
2003年IPイノベーションズを設立。2018年ユームテクノロジージャパンを設立。
ATDジャパン初代代表理事。
資格:中小企業診断士/システム監査技術者
私が某企業に就職した40年前には、その会社では「製品を作る前に、先ず人をつくる」という、会社の方針としての人材育成の重要性が掲げられていた。これがすなわち会社の生き方そのものなのである。
しかし、この40年間私が見た多くの組織では、「即戦力」という命題のもと、短期に教育を実施しては現場に送り込み、OJTの環境が整っていない状況で教育を現場任せにしているところが多かった。
「人=月額いくら」の稼ぎを生み出す装置という感覚で、1日たりとも早く働かせて利益を生み出したいという、経営者のそろばん感覚は理解できる。
しかし将来性を見越してじっくり人を育てるような、方針や内容が伴っていないのではと多々感じていた。 不況などのときに、この意識や方針の差は明確に表れる。
リーマンショック後、教育費を削り早く売り上げを稼がせようとする企業が多かった。教育予算は、コストとしかとらえていない。投資の意識が薄いと感じる。そんな中で、ある企業の人材開発は、トップと真正面から向き合い、「不況だからといって予算は削らない、もし人を育てることに後ろ向きになったら、それこそ人しか経営資源のない自社は、存在意義がなくなる!」と、教育予算削減にまっこうから反対した。
そもそも、雇われ経営者は数年でその役目が変わるので、自分の代で実績をあげたいのは当然である。
しかし、人が育つのは、自分がまいた種を自分で刈り取ることができないことを承知のうえで、良い種まきをして、刈り取りは後進に任せるという意識が浸透している、互酬性の高い組織なのである。経営トップだけでなく、上層部の幹部がそのような気持ちを持てば、互酬性の高い職場・組織になり、互いに教えあい、助け合う文化になるだろう。
その意味でも、この人材開発が育成予算の削減に反対し、不況の時でもそれを確保し続けたという事実に私は大変感動したものである。
さて、話を元に戻して、どんな内容を若手に教えるべきかということに触れてみたい。 技術者教育は、1:9くらいの割合で、ビジネス知識:技術知識の教育が行われている。しかも大半の組織がそうである。技術者だから、ITの知識、プログラムの書き方、システム開発の知識・スキル教育に多大な時間を費やす。それはもちろん、間違いではない。
しかし、今後求められる技術者像を鑑みても、そんな教育では簡単にAIにとって代わられるだけの人しかできあがらない。
人の能力の3階層の図
このうちの、①一番上の、知識・スキル部分(特に技術)が教育している内容の大部分である。
大切なのは、3つともバランス良く学びを進めて、人間として立派な技術者に育てることだ。
①の知識、スキルだけでは、アンバランスで貢献度が低いエンジニアになるのではないだろうか。
さらに、昨今はこの能力の3階層だけでは不十分であり、もっと大切な概念が他にあると指摘されている。
このあたりは11月1日のセミナーで直接お伝えしたいと思う。
今後AIの時代になってくるのは誰も疑っていないだろう。
でもそれはそんな遠くではなく、数年から10年の間に大きな変化が起こると言われている。
そのときに、ITの基礎的なことしか教えられなかった人たちは、仕事を奪われてしまうかもしれない。前回のブログでお伝えした、ラーナビリティを鍛えられていない人たちは、あっという間に淘汰されてしまうと危惧する。
先進企業での新人育成カリキュラム例
以前所属していた会社の教育内容は、非常にバリエーションに富んでいて、「これって社会人教育かな?」と思われるような内容もあった。
例えば:
俳句を学ぶ
ダンスの時間
お寺での禅の修行
美術鑑賞
ものづくりの研修(やすり掛け、板金、設計図作成など)・・IT技術者なのに・・
販売店でのショップ研修(これはどこの会社かすぐ分かりそう)
こんな教育をしている余裕は、今の企業にはないんだよと言われるかもしれないが、今こそ幅広い、ITと関係のないことに技術者の卵である若手が興味をもって学ぶ機会を準備してあげることが重要な時代はないと確信している。
いやいや、そんな余裕はないから、とりあえずプログラムが一行でも書けるようになって現場の手伝いができる人を早く育てたほうが金になるという気持ちも分かるが、そんな簡単な作業でずっと高い単金をもらえるような時代はすぐになくなってしまうであろう。
そもそも、IT技術者になろうという、大切な若者たちの人生における素晴らしいチャレンジに、彼らが最も成長できるような育成の環境を作ってあげることが一番ではないかと思う。
これには、どんなカリキュラムを組み合わせればいいのだろうか?
その具体例は、11月1日のセミナーで直接お話ししたいと思う。
オンラインセミナーのご案内
新時代のエンジニア育成セミナー“学びのDX戦略をどう進める?”
■開催日時:2019年11月1日(金)15:00~15:45 (14:45~ログイン可能です。)
本Webinarは、オンライン会議ツールzoomで開催します。 録画をする為、最初はビデオ・マイク機能はOFF設置でお願い致します。
Webinar zoomURL
終了しました。
■プログラム
・エンジニア育成に必要なコンテンツ(新人教育のケース)
・AIを活用してエンジニアの育成を変える方法
・エンジニア育成を新しい手法で(事例紹介)
・質疑応答
※ファシリテーター:株式会社IPイノベーションズ 代表取締役 浦山 昌志
◎内容は、一部変更の可能性がございます。
内容の詳細につきましては、後日Facebookにてご案内いたします。
■お申し込み:申込書は終了しました。
■お問い合わせ先:株式会社IPイノベーションズ Seminar事務局(seminar@ipii.co.jp)
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