【学びのDX戦略をどう進める?Vol.2】脱・間違いだらけの技術者育成

【学びのDX戦略をどう進める?】

時代の変化が著しく、特に技術者にとっては変化に遅れないように自己のスキルアップを継続していくことは、重要なコンピテンシーになることでしょう。
新人教育の時に学んだことは、ほんの基礎でしかなく、これから生涯を通して学び続けなければそれぞれが持つ強みを発揮することができないはずです。
組織は、人材開発部門だけでなく経営戦略として自律的に学ぶ人を創っていかなければならない時代にいると断言できます。 しかしながら、エンジニア教育を取り巻く環境はより一層厳しい状況にあります。
今回から3回に渡り、課題と思われる事項を提起し、その解決に向けた方向性を考えられたら幸いです。
3回のブログの終結として、11月1日に株式会社IPイノベーションズ社と共同主催の技術者育成のセミナーを予定しています。
共に次世代のエンジニア育成について考えていきませんか。
皆さまのご参加を心より楽しみにしております。

著者プロフィール

IPイノベーションズ株式会社 代表取締役社長
ユームテクノロジージャパン株式会社 取締役会長
浦山 昌志氏

松下電器産業無線研究所ビデオ技術研究、 通産省電子技術総合研究所、CSK教育事業部を経る。
CSK教育事業部時代に、CISCO教育およびLMS(Learning Management System)を日本で最初に立ち上げる。
2003年IPイノベーションズを設立。2018年ユームテクノロジージャパンを設立。
ATDジャパン初代代表理事。
資格:中小企業診断士/システム監査技術者


第1回目は、IT技術者の大移動に関連して、学ぶ、教えあう文化が重要ということと、デジタルラーニングの発展によってその実現を可能にする環境が整ってきていることを紹介した。

第1回目の動画はこちらよりご覧ください▼

第2回目の今回は、若い人たちをどう教えるかについて、世の中に多く見受けられる間違った教育方法に焦点をあててみたい。

昨今の若者の学習性向を考えてみると、私が観察しているかぎり以下のような行動が目に付く:
・テキストに書き込みせず、メモも取っていないように見える。
なぜメモを取らないのかと尋ねると、「メモはパソコンで取っており、他の皆と共有するためのWikiなどをクラス単位で整備している」とのこと。
・居残りで学習せず、一斉に定時にいなくなる
これは昨今働き方改革で残業させないことが目立ってきた以前にすでに始まっていた。以前は、寮などで、自主的にグループで勉強会などを開いて教えあっていた。
・集中力が続かず、すぐ眠る
確かに後ろから見ていると、眠っている受講生もいるが、それより多いのは、講師が説明している画面と違う内容のWebページを見ていたり、別の作業をやっている人だ。
・答えをすぐに聞きたがる
この傾向はあらゆるところで聞く。若手の傾向は学校で作り出された教育方法の欠点の反映なのだろう。

この他にも、若い人たちの学びの性向を調査したデータには枚挙にいとまがない。
私は、集中力が足りない理由は、15分毎にコマーシャルが入るTVの影響だろうと思っていた。
最近の若者の集中力の低下を指摘する学者もいる。
問題は、なぜ集中できる時間が短くなっているかということであり、集中力が途切れたときに彼らは何をしているかということをもっと知る必要がある。 その一つが、冒頭にあげた講義と関係ないことをやっているいわゆる“内職”である。

ここに別の調査結果がある。

Kelton Research社が2000人以上のビジネスパーソンを対象に調査したところ、学びのコンテンツが魅力的だったり、ストーリー性があることによって、集中できる時間が変わってくるという結果が示されている。 

No, Millennials’ attention spans aren’t shrinking—they’re getting more selective

Attention spans are not shrinking, but rather evolving to be more selective, according to a new research from Prezi—in fact, the ability to maintain focus has actually improved over time, despite an ever-growing mountain of available content. So what’s the key to capturing it?

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すなわち集中できる時間が短くなっているのではなく、彼らがもっと選択的に集中ポイントを変えているということなのである。

これは最近の新人たちにインタビューしたときの結果を、同僚が私に共有してくれた話と符合する。 彼らは、普段あまりTVを見ないそうである。
それは、誰かが作った時間割に自分の都合を合わせたくないからという理由だった。
だから若者はTVよりもYouTubeを好んで見るのである。
私たちがやっている、お仕着せのカリキュラム、お仕着せの学習の流れ、お仕着せのコンテンツでは、若者たちの集中力をつなぎとめることはできないであろう。

それを、“若者の集中力が低下している”と嘆くのではなく、現代の技術革新の早い時代に人間が自然とそう適応してきた結果なのだから、それに合わせた学びの環境を実現してあげる必要があると考えるべきだ。  

これは、現代の若者だけがやっていることではなく、40年前、私が新人だったころ自分自身もやっていたことである。
そもそも一斉同時教育がいかに退屈なのか分かっているのに、長い間それを解消するような学びの仕組みが発動されなかった工夫の欠如が目立つだけなのである。
またこの調査資料は、学びのコンテンツがいかに魅力的でストーリー性があるかなどで、集中できる時間が変わってくるという結果を示している。
すなわち、決められた講義内容をそのまま知識インプットする教育では、若い人たちの集中力を持たせられないことを意味している。
これは、別段この調査結果がなくても、私たちは経験から自然にそれを理解しているはずである。

課題の一つが、我々は、学び手に何をどこまで教えて、かつ何パーセント理解したかにこだわりすぎである。海外の先進企業ではもっと重要な指標に着目している。 それが、ラーナビリティ(Learnability)である。

  • ある期間の間に、どれだけの学習進捗を達成したか?
  • どれだけ成長したか? 学習した量、理解度だけでなく、どれだけ深く理解したか?
  • 表向きの理解だけでなく、どれだけ本質を理解したか?
  • カリキュラムを全部終えるのではなく、現場でどう学び続け、問題を解決するすべを手にいれたか?(すべてのことを教える時間はない) どれだけ問題意識をもつことができたか?
  • どれだけ学びの楽しさ(例えばITの素晴らしさ、楽しさ、可能性を体験したか?)を体験したか?

本日ここに記述したのは、40年以上ITの現場とIT教育の現場を見てきた私が、以前と比べて改善されていないことが嘆かれる多数のポイントである。
従来型の教育から、変化の時代にふさわしい学び方を一人一人が身につけなければならない。
「私は、それ教えてもらってないんですけど、、」と真顔でいう若手がいなくなるように、学びの方法、環境、文化を変えていく必要がある。

次回は、教え方に限らずその教える内容に大きな課題があるという気づきをご紹介したいと思う。 

オンラインセミナーのご案内

新時代のエンジニア育成セミナー “学びのDX戦略をどう進める?” 

■開催日時:2019年11月1日(金)15:00~15:45(14:45~ログイン可能です。)

本Webinarは、オンライン会議ツールzoomで開催します。 録画をする為、最初はビデオ・マイク機能はOFF設置でお願い致します。

Webinar zoomURL

終了しました。

 

■プログラム

・エンジニア育成に必要なコンテンツ(新人教育のケース)
・AIを活用してエンジニアの育成を変える方法
・エンジニア育成を新しい手法で(事例紹介)
・質疑応答
※ファシリテーター:株式会社IPイノベーションズ 代表取締役 浦山 昌志

◎内容は、一部変更の可能性がございます。
内容の詳細につきましては、後日Facebookにてご案内いたします。

■お申し込み:お申込は終了しました。
■お問い合わせ先:株式会社IPイノベーションズ Seminar事務局(seminar@ipii.co.jp)

共に次世代のエンジニア育成について考えていきませんか。
皆さんのご参加を心より楽しみにしております!


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