春の訪れとともに新入社員を迎えるシーズンがやってきました。
新しい才能が組織に加わるこの時期、私たちにとって最も重要なのは、彼らのモチベーションを高め、エンゲージメントを促進して、パフォーマンス高く楽しく仕事をしてもらうことです。

今回は、モチベーション構築の心理学「自己決定理論」から、モチベーションとエンゲージメントを高める「繋がり」の重要性についてお話しします。

 

「自己決定理論」とは

 

人が自発的に行動（仕事を）し、その行動を維持するためには、他者との「繋がり」が非常に重要であると自己決定理論は述べています。
その理由を見ていきましょう。

「繋がり」が会社に必要なものを生む

なぜ「繋がり」が重要なのかというと、人間の脳は社会的な繋がりを通じてポジティブな感情を経験し、内発的モチベーションを高めることが科学的に証明されています。

また、社会心理学における研究では、人は他者との関係の中で自己のアイデンティティを確立し、所属するコミュニティーに価値を感じるようになり、より積極的かつ創造的に行動する傾向があるとされているためです。

また、「繋がり」はエンゲージメントにも直接的に関連しており、同僚や上司との良好な関係は、仕事に対する満足度を高め、ストレスを軽減し、結果として生産性の向上につながります。

新入社員が会社との繋がりを強く感じることで、彼らはより充実した職業生活を送り、会社に対しても高い貢献を果たすことが可能になるのです。

研修での「繋がり」の育成方法

では、研修の段階で私たちはどのようにして「繋がり」を育てることができるでしょうか？ まずは、組織やグループの中で、インタラクティブに意見交換や相互承認が行える環境を構築することです。
このような環境は、グループディスカッションやプロジェクトベースのアクティビティの中で、自分の考えを自由に表現し、他者からのフィードバックや承認を得ることができます。
このような対話のプロセスは、社会的な繋がりを強化し、新入社員がチームの一員としての自己認識を深めるのに役立ちます。

 

「繋がり」がモチベーションとエンゲージメントを高める

いかがだったでしょうか。新入社員研修で接遇やコンプライアンスなども重要ですが、新入社員に「繋がり」を感じさせ、彼らのモチベーションとエンゲージメントを高めていくことも大変重要な事項の一つです。
そうすることで、彼らは会社の貴重な資源として、やがて大きな成果をもたらすでしょう。

今後も科学的根拠に基づいた実践的な情報をお伝えしますので、どうぞお見逃しなく。

 

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY　代表取締役　丸山裕之 氏

栃木県で公務員を経験し独立。ハーバード大学やスタンフォード大学などの論文や研究データ、脳科学・心理学の文献などを年間700冊読み込む。科学的に効果が実証された方法で社内研修や、組織構築を提供する株式会社HYBRID THEORYを設立。また、脳科学に基づいた学習方法を用いた学習塾を運営している。能力や才能に関わらず、誰でも結果の上がる「科学的に正しい方法」を伝えて、個人の人生の満足や会社の利益向上を目指している。

 

「繋がり」を大切にできるUMUの機能

UMUでは学習者の意見をリアルタイムで収集でき、参加者全員の意見から新たな学びを作り出す、質問・ディスカッション機能があります。同じ問いを投げかけても学習者によって回答は様々。学習者同士が意見を共有することで、お互いの気づき・学びに繋がります。今回ご紹介した「繋がり」を意識した、インタラクティブに意見交換や相互承認が行える機能となっております。

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