【脳科学】「動画学習の落とし穴」聞き取りにくい話し方が学習効果を下げる理由ー脳の負担を減らし、理解と記憶を最大化する

【脳科学】「動画学習の落とし穴」聞き取りにくい話し方が学習効果を下げる理由ー脳の負担を減らし、理解と記憶を最大化する

「この人、話してることは間違っていないのに、なぜか頭に入ってこない」

「このビデオ学習はなんか集中できないな」

オンライン研修や動画学習で、そんな感覚を覚えたことはないでしょうか。

原因は、資料やテーマの質でなく、動画に出ている演者の「話し方」かもしれません。

もし、この落とし穴に気が付かず放置してしまうと、コストや時間をかけて学習したにもかかわらず、全く成果が上がらないといった、最悪の結果をまねく可能性を秘めています。

今回は、脳科学の観点から学びの質を左右する“動画学習”について解説します。

 

「話し手が下手だと、脳はすぐにパンクする」認知負荷理論

【脳科学】「動画学習の落とし穴」聞き取りにくい話し方が学習効果を下げる理由ー脳の負担を減らし、理解と記憶を最大化する

 

学習効果を大きく左右するのが脳の「認知負荷」です。これは、脳があらゆる情報を処理するときにかかる負担のことです。

認知負荷理論では、次の2つが重要なポイントとして挙げられます。

① 脳が一度に処理できる情報の量には限界がある

② 必要のない情報も、無意識に処理してしまう

実は、これは話し手の話し方にも該当してしまいます。

 

もし話し手が、

・話の順序がバラバラ

・説明が回りくどい

・話し手が噛んだり、こもったりしている

・話の間が長い/スピードが早い

このような聞き取りづらい話し方をしていた場合、なんと脳は、学習の内容には全く無関係なこれらの(噛む、間が長い、聞き取りづらいといった)情報にも全て情報処理をしてしまうんです。

 

たとえば、知識があっても話し方が上手でない社員が「えっと…まず…その…えーと…」と話し始めた場面。

聞き手の脳内では、動画の内容以外に

「何が言いたいんだろう?」

「話が整理されてないな…」

「あれ、さっきの話ってどこ行ったけ?」

と、無意識に“意味を補う作業”が発生しています。

この作業は、都合よくスルーできるものではない上に、脳のリソースをどんどん消費していくことがわかっています。

その結果、学習に必要な部分の理解が不足し、学習効果はガクッと落ちてしまうのです。

「話が聞き取りにくいと脳は一瞬でオーバーフロー」ワーキングメモリーの圧迫

次に関わってくるのが「ワーキングメモリー」です。

これは、聞いた言葉を一時的に保持しながら、意味をつなげたり、判断に使ったりする“脳の作業スペース”のようなものです。

たとえば「1+2=3」と計算する際、1と2の数字を一度頭の中の作業机に置きながら、計算をして答えを出す。この働きを担っています。

 

ただしこのスペース、非常に小さいのです。

脳科学的には「7±2語」程度の情報しか、同時に処理できないとされています。

 

たとえば「まるやまひろゆき」という単語を頭の中で逆から読んでみてください。

一見簡単なようで、けっこう難しいですよね。

これは、たった8文字を保持しながら逆順で再構成するといった簡単な操作でも難しいと言う、ワーキングメモリーの狭さを表しているのです。

 

そして、このワーキングメモリーの圧迫状態が、聞き取りにくい研修音声でも起きています。

 

たとえば、こもった声で「…えー、きょうはぁ…あのぉ……システムの、えー……更新について……その……お伝え、しようと……思います……」と話されたらどうでしょうか。

「え、今なんて言った?」

「更新の話?何の?」

と、脳は余計な情報に思考を始めます。

すると、ワーキングメモリーはあっという間に余計な情報でオーバーフローし、本来使うべき“学習内容の理解”がどんどん薄れていってしまうのです。

 

脳科学の研究で、このワーキングメモリーがオーバーフローしている状態では、

・理解力の低下

・集中力の低下

・記憶力の低下

・ミスの増加

・作業の遅延

といった、深刻な影響が出ることが実証されています。

 

結果として、聞き取りにくい話し方をされると、「今なんて言った?」の大量な余計な情報に脳が圧迫され、いくら良い内容でも全く学習の成果につながらなくなるのです。

 

以上のことから、アナウンサーや専門の講師といった、話が上手な人が話すならともかく、話し方に慣れていない一般人が演者となった動画学習は、脳科学の観点から見ても、非効率どころか弊害にしかならない可能性を秘めているのです。

聞き取りにくい学習の解決策

では、動画学習の演者の話し方が聞き取りづらい場合はどうすればいいのか。

答えはシンプルで、聞き取りやすくすることです。

 

・台本を何度も読んでスムーズに話せるように練習する

・動画編集で細かくカットする

・演者をプロの講師などに変える

これらの解決策が一般的です。

 

しかし、これらの解決策は、非常に大きなコストや手間がかかります。

 

そこでおすすめなのが、AIで音声化された学習動画です。

「AI音声で大丈夫なんですか?」と言う質問をよく受けますが、実は、AI音声は、回りくどさや言い直し、噛むことや、こもることもない、聞き取りやすい音声で届けることが可能なので、実は、上手に話せない演者よりも、はるかに高い学習効果を与えるのです。

つまり、脳の認知負荷を大きく軽減し、ワーキングメモリーも圧迫されないので、学習に完全に集中することができるんです。

 

実際に、YouTubeの「ゆっくり解説」などの学習チャンネルも、100%AI音声(しかも10年以上も前のAI音声)なのにもかかわらず登録者数200万人を誇る人気を出しています。

まさに、AI音声による学習が、私たちに集中力を発揮させ、世の中に認められている証拠です。

UMUならAI音声による動画学習が簡単に実現できる

UMUでは、「AIビデオ」と言う機能で、AI音声による動画学習を、原稿と人の写真1枚で、簡単に手間なく自動生成できます。

コストが8割も削減できる上に、学習の効率が上がる聞き取りやすい高機能なAI音声です。

もし、社員教育や動画学習にお困りの際は、ぜひ一度試してみてください。

まとめ

認知負荷とワーキングメモリー。この2つをきちんと理解すれば、「話し方」の重要性が見えてきます。

情報整理の甘さや聞き取りにくさは、学習者の脳に無駄な負荷をかけ、その影響は理解・記憶・集中・成果すべてに波及します。

一方で、構造化された話し方と、明瞭でテンポのよい発話によって、脳は“理解と記憶”に集中できるようになります。

AI音声などの支援を取り入れることで、全員にとって聞き取りやすく、成果につながる研修環境を整えることが可能です。

ぜひ一度、自分やチームの「話し方」が、学習効率にどれだけ影響しているかを見直してみてください。

 

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。ハーバード大学やスタンフォード大学などの論文や研究データ、脳科学・心理学の文献などを年間700冊読み込む。科学的に効果が実証された方法で社内研修や、組織構築を提供する株式会社HYBRID THEORYを設立。また、脳科学に基づいた学習方法を用いた学習塾を運営している。能力や才能に関わらず、誰でも結果の上がる「科学的に正しい方法」を伝えて、個人の人生の満足や会社の利益向上を目指している。

AI Chatbotを活用した対話トレーニング

 

UMUは、現場で使える「対話力」を身につけるための、AIとの会話型トレーニングを提供しています。スマホを活用し、学習者の方にいつでもどこでも気軽にトレーニングをしてもらえます。
営業の質問スキルやマネージャーのコーチングスキルなど、シナリオごとにAIが対話や質問の投げかけの相手となり、繰り返しの対話練習を促進します。

︎AI Chatbotの特徴がわかるページを見てみる

︎AI Chatbotのデモ動画を見てみる

 

▼こちらのコラムもおすすめ

 

もっとUMUについて詳しく知りたい方はこちらから資料をダウンロードができます。

LMS・eラーニングを包括する 総合学習プラットフォーム「UMU」

資料をダウンロードする

『学習の科学・脳科学』のカテゴリで過去のメルマガで配信した【科学的に正しい学習方法】についての内容を定期的に掲載しております。

▼こちらよりご確認ください

https://umujapan.co.jp/column_category/learning-science/

 


私達UMUは、企業様向けに研修のオンライン化やリモート学習の無料相談会を毎日実施しております。
また、常に最先端のテクノロジーと学習情報をアップデートしておりますので、お困りごとや、追加で必要な情報のご要望などございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

▼各種お問い合わせフォーム
https://umujapan.co.jp/contact/

▼無料相談会の予約ページ
https://umucs.youcanbook.me
UMUコラム一覧に戻る
  • まずはコレから!

    組織のAI力を高める
    実践型AIトレーニングとは?

    組織のAI力を高める実践型AIトレーニング資料

    AIで企業の業績を向上させるためのUMUが提供しているサービスの特徴や実績、実現できることがわかる資料です。
    人材育成でUMUのAIを活用した効果が数字でわかる企業事例に加え、最先端の生成AI知識を習得し、変化の激しいAI領域における最新の事例や技術トレンドをキャッチするためのポイントも紹介。さらに、事業会社でのAI活用事例を通じて、自社のビジネスへの応用イメージを膨らませることができます。