新入社員の教育で重要なものの一つに「経営理念の浸透」があります。
経営理念の浸透は、チームの結束力向上、モチベーションの向上、一貫した意思決定による業務の効率化など、多くのメリットがあり、これらは全て企業利益や顧客満足、社員のウェルビーイングに直結します。

経営理念の浸透は、新入社員はもちろん、社員全員がしっかりと理解しておく必要があります。今回は、経営理念を浸透させる効果的な方法を科学的な観点からお伝えします。

 

経営理念を浸透させる方法

経営理念を浸透させる方法は多岐に渡りますが、特に重要なものが『リーダーの言動』です。
リーダーが、経営理念に基づいた言動を日頃から取ることが経営理念浸透の鍵になります。

なぜリーダーの言動が重要なのかは脳科学的な観点からも明らかになっています。

 

①    威厳効果

「威厳効果」とは、人が権威や尊敬のある人物の意見や指示を無意識に強く受け入れてしまう心理的な現象のことです。例えば、有名な実績のある医師の言葉にはとても重みを感じると思います。

②    ミラーニューロン

ミラーニューロンは、他人の行動を見たとき自分もその考えや動きを無意識にマネしてしまう脳神経細胞です。
例えば、友達がアイスクリームを食べているのを見ると、自分もアイスクリームが食べたくなりますよね。

 

以上のことから、リーダーは、威厳効果により常に強い影響力を周りに及ぼしており、メンバーはミラーニューロンの効果と相まって、無意識にリーダーの言動を強く真似しているのです。

つまり、リーダーが日頃から経営理念に反する行動をとっていた場合、メンバーも経営理念に沿った行動を取らなくなるのです。
逆に、リーダーが経営理念に沿った行動を取れていれば、メンバーも自然に経営理念に沿った行動を取ります。

「朱に交われば赤くなる」「人は親の背中を見て育つ」という言葉は科学的に正しいのです。
経営理念の浸透においてまず実施すべき対策は「リーダーが日常的に経営理念に沿った行動をとること」なのです。

 

経営理念をより効果的に浸透させるための３つのステップ

それでは、経営理念をより効果的に浸透させるための３つのステップをご紹介します。

 

◯ステップ１…リーダー専用の経営理念研修を実施してリーダーに経営理念を浸透させる

◯ステップ２…経営理念の実績を共有する全員参加型の経営理念研修の実施

◯ステップ３…メンバーが経営理念に沿った行動をとった際には、ポジティブなフィードバックを与える

 

これらを実施することで、経営理念を着実に浸透させることが可能になります。

 

「効果的な経営理念の浸透方法」を活用した経営理念浸透を

冒頭で説明した通り、経営理念の浸透は企業の利益と安定経営に直結します。
「効果的な経営理念の浸透方法」を用いて新入社員や既存のメンバーに経営理念を浸透させてみてください。

今後とも、科学的根拠に基づいた情報をお伝えしていくので、どうぞご期待ください。

 

 

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY　代表取締役　丸山裕之 氏

栃木県で公務員を経験し独立。ハーバード大学やスタンフォード大学などの論文や研究データ、脳科学・心理学の文献などを年間700冊読み込む。科学的に効果が実証された方法で社内研修や、組織構築を提供する株式会社HYBRID THEORYを設立。また、脳科学に基づいた学習方法を用いた学習塾を運営している。能力や才能に関わらず、誰でも結果の上がる「科学的に正しい方法」を伝えて、個人の人生の満足や会社の利益向上を目指している。

 

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