保険業界のDX推進。生命保険営業職員の課題と営業力強化の教育・研修手法を徹底解説(事例付き)

生命保険の営業力強化を担当されている方々へ。近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)が各業界に波及していますが、生命保険業界も例外ではありません。

生命保険の営業育成におけるDX化とは、デジタルトランスフォーメーションを通じて、営業活動や営業職員のスキル向上、顧客との関係構築などを効率化し、革新的な方法で営業を行う取り組みのことです。本記事では、生命保険の営業育成におけるDX化の重要性と具体的な取り組みについて説明します。

 

この記事でわかること

・生命保険の営業育成における学びのDXの必要性と具体的な手法

・生命保険の営業職員/営業組織が抱える課題

・生命保険業界の営業教育における学びのDXの推進事例4つ

 

デジタル化時代の生命保険営業: 学びのDXの必要性

現代のデジタル化が急速に進む中で、営業活動を効率化し、顧客との関係構築を強化するためにDXの取り組みは不可欠です。

競合他社が積極的にデジタルを活用して保険営業職員の育成に取り組み効果が出ている場合、自社も同様に対応しないと競争力を維持できなくなります。逆に、営業育成においてDXを推進することで、営業職員は競合他社との差別化を図ることができ、競争力を強化することができます。

そのため、企業がデジタル技術を使ってビジネスに変革をもたらすために、「学びのDX」は最優先に取り組むべき事項です。

なぜなら、次のような理由から、学習こそが競争優位性を確立する要であると言えるからです。

 

①学習は多様化する仕事へのシフトを可能にし、成果を出せる人を育てる

(「知っている」だけでなく、「できる」ようにする)

②学習は戦略実行のドライバーになる

(ビジョンを伝え、対話、腹落ちして確実に実行してもらう)

③学習は変化に対応し、イノベーションを生み出す

(イノベーションとは、人との対話や異業種からの学びにより生み出される)

④学習は従業員のエンゲージメントを高める

(日々の仕事における成長実感、個別ニーズに対応した学習機会の提供やキャリア開発)

 

デジタルデバイスの活用やオンライン化は、DXの目的ではありません。従業員のスキルアップやノウハウの共有、企業文化の醸成もDXの一環として進めていくことが重要です。

 

「学びのDX」に取り組まない場合には以下の事項に陥ります。

 

①学習が営業成果の向上に繋がりにくい

②ビジネスを変革するまでに学習が寄与していない

③DXを推進していく上での保険営業職員のデジタルリテラシーが高まらない

④新たに必要となる仕事への対応に保険営業職員がついていけない(リスキリング・アップスキリングができない)

 

このような状態に陥らないためにも、デジタルを活用した学習デザイン、「ブレンディッド・ラーニング」が鍵になります。

 

学びのDX「ブレンディッド・ラーニング」とは

ブレンディッド・ラーニング(Blended Learning)とは、複数の学びを“ブレンド”して新しい学びを構築することで、学習効果を最大化してパフォーマンスの向上につなげる学習方法です。

ブレンディッド・ラーニングは、ただ研修をオンライン化するだけではありません。

教育学の理論を背景に、テクノロジーを活用して学習効果の高いコンテンツを提供することで、柔軟かつ効果的、効率的な新しい時代の学び方を実現させ、企業の競争優位の確立につなげるものです。特に昨今は、学習にAIを取り入れることで更に効果性を高めることが可能になりました。

 

オンライン研修4つの形態

学習の提供スタイルという観点で考えていくと、「同期・非同期」「一方向・双方向」という4つの要素で区分けできます。

大切なのは、目的に照らし合わせつつ、効果・効率・コストを踏まえて組み合わせることです。

 

ブレンディッド・ラーニングのメリット

ブレンディッド・ラーニングでは、主に以下の4つのメリットを挙げられます。

①「点」を「線」にする学習設計を実現

②学習の効果・効率・コストの最適化

③現場実践を中心とした学びの文化醸成

④学習機会の多様化を実現

①「点」を「線」にする学習設計の文脈では、研修当日の前後にも学習機会を設けることで、「基礎知識の習得」「知識の発展・応用」「知識の定着」という流れでより効果的な研修設計ができるようになります。

 

生命保険の営業職員が抱える課題

生命保険の営業職員は以下の問題を抱えています。以下の課題を解決するためにも、学びのDXを推進し、営業職員のスキル向上と営業活動の効率化に取り組む必要があります。

 

多岐にわたる商品ラインナップの理解

多様な商品展開を行う上で、それぞれの商品には細かい違いや特長があり、全てを理解し覚えることに時間がかかります。

 

顧客ニーズの多様化への対応

顧客のニーズは多様化しており、個々の顧客に合った適切な保険商品やサービスを提供することが求められます。営業職員は顧客のニーズを正確に把握し、適切な提案を行うことに苦労します。

 

厳しい法規制とコンプライアンスの理解

保険業界は厳しい法規制があり、コンプライアンスへの遵守が求められます。法律や規制が頻繁に変更されることに伴い、商品の条件や内容が変更される場合があり、営業職員はこれらの法規制を理解することに苦労します。

 

生命保険の営業組織が抱える営業育成の課題

生命保険業界の営業育成部門・営業推進部門、トレーニング担当者から、以下の課題を挙げられます。

 

・新人営業職員に対する育成は各支店でのOJTを中心としていたが、支店ごとに育成の量や質のバラツキがある

・若手が成果をあげるまでに時間がかかる

・うまく成果を上げられないがゆえに、若手の早期離職が起きている

・コンプライアンスを徹底することが難しい

・営業活動を通じて蓄積される膨大なデータを活かすことができていない

・職員のノウハウの差がそのまま営業成績の差として反映される

・中間管理職がプレイングマネージャーとして自身の売上を立てながら、部下の指導もしなければいけないので、きちんと指導に当てられる工数が不足している

 

この課題を解決するためにも、デジタルツールは営業育成プログラムやトレーニングの強化に役立ちます。オンライン学習プラットフォームを活用することで、営業担当者は必要なスキルや知識を自ら学ぶことができます。また、AIを使用したロールプレイも、実践的なトレーニングを提供する上で有効です。

 

生命保険業界の営業教育における学びのDX(研修DX)推進事例

 

学びのDXを提供している学習プラットフォーム「UMU(ユーム)」を活用した、生命保険企業様の営業育成における事例をいくつかご紹介します。

 

メディケア生命保険株式会社様事例:中途社員のオンボーディング

2022年11月に行ったインタビューを元に説明をしています。(事例インタビューの元記事はこちら:https://umujapan.co.jp/interview/medicarelife/

 

導入前の課題

毎月のように入社者を迎えていることに加え、月によって入社人数にばらつきがあります。入社時研修は入社人数の多少に関わらず、入社月ごとに実施するため、講師の負荷が大きい点が課題でした。全16部署から講師を招いて実施するため、日程調整も困難でした。コロナ禍における感染症対策や大阪オフィスからの参加など、集合型での対面研修に環境的な限界を感じていたというのもあります。

さらに、入社される方のバックグランドが多様であるなか、どのレベルに合わせて研修を進めればよいのか、一方通行の講義型研修では学習効果が低いのではないか、という懸念もありました。

 

学習プラットフォーム「UMU」を活用した取り組み

入社時研修は4日間で、人材教育部が初日イントロダクションとしてUMUの使い方の説明などを行った後、受講者は各自でeラーニングを実施、最終日に人材教育部がクロージングを実施するという構成です。eラーニングは、人材教育部が各自の進捗を確認して、適宜声かけをしたり、必要に応じて特別講座を設けることもあります。全16部署の各コンテンツに設けられた質問やアンケートには各部の講師の皆さんがタイムリーに、そして、ひとり一人に寄り添ってコメントや回答を入力しています。

営業担当者※1向けのホールセラー初期研修(約1ヶ月間)では、ロールプレイ課題や試験といった各種インタラクティブコンテンツを組み入れて実施しています。また、プレゼンが上手な営業担当者の見本をアップして、エリアブロック内の教育に使用している場面もあります。社内のちょっとしたアンケートや各研修の事前・事後課題にも使っています。

ほかにも、毎日テスト機能を使って、営業担当者のログインを習慣づける取り組みを行っており、85%の営業担当者が毎日テストを実施しているという結果が出ています。

※1 委託代理店あて販売支援を行う担当者

事例の詳細はこちら:https://umujapan.co.jp/interview/medicarelife/

 

A保険会社事例:コンプライアンス研修

 

導入前の課題

業界に求められるコンプライアンスの基準が日々変化する中、特に若手社員へ理解を浸透させる必要があった。

経験が浅いからこそ、行動レベルとしての基準理解が難しく、いわゆる「グレーゾーン(これは良い?これはだめ?と悩むもの)」の例とその理由を抽象化して理解できていない。

”コンプライアンス”の学習は単調になりやすく、面白みがないため学習定着に繋がらない。

 

特徴的な取り組み

社内で実施されているコンプライアンス研修にてUMUを活用し、以下の取り組みを実施

・事務局側にて「動画」や「文章」で多数のグレーゾーンの”ケース”を15程作成。

・研修中は「アンケート機能」や「質問機能」を用いてケースに対するNGレベル(5段階)とその理由をUMU上にアウトプット。その理由に関しては最も”なるほど”と思ったものに「いいね」をし、その観点で講師が解説を行う。

・最後に各ケースごとの「理想的な行動」をアウトプットし、相互に「いいね」をし合う

・アウトプット内容を学習プラットフォームにため、他の方への学習コンテンツとして

社内で共有。

 

成果

コンプライアンスへの「行動ベース」での理解:ただ「動画」を見るだけでなく、研修とUMUへのアウトプットを通じて、様々な人の考え方を理解し、理想的な”行動ベース”の理解、強化ができた。

楽しみながらコンプライアンスを学び、記憶に残った(学習定着):コンプライアンス強化の研修や学習は内容が固く、正直「つまらない」「退屈」なものが多く、それにより内容が記憶に残らないことが多い。UMUのインタラクティブな機能を使いながら研修を行うことで、常にスマホやPCを触りながら、お互いに「いいね」をし合う形にやり方を変えたことで、楽しみながら受講、結果記憶に残るものとなった。

 

B保険会社事例:若手育成のオンボーディング

 

導入前の課題

新人の営業社員に対する育成は各支店でのOJTを中心としていたが、支店ごとにその量や質のバラツキが顕在化していた。

特徴的な取り組み

生命保険の商品や知識を中心とした解説動画視聴後、学習者に「その内容を自分の言葉で表現して見ましょう」と動画で課題を提出してもらうことを実施(ロールプレイング)。AIに表情や身振り手振りを採点させつつ、アップロードした動画を同時期入社社員全員に見られる形とした。また優良な動画に関しては事務局がピックアップし、模範動画とした。

 

 

成果

提案数とお申し込み数が増加。ロープレを何度も行い、小さな成功体験を得ることで自信がつき、上司へのコミュニケーションの量や同席依頼の数が圧倒的に高まった。

 

C保険会社:代理店のセールストレーニング

 

導入前の課題

従来の研修では、詰め込み型の教育になっており、受講生の行動変革に結びついていなかった。また、シートを提出のみで、学習者同士の学び合いを行えていなかった。

 

特徴的な取り組み

研修をUMU化し、アウトプットを中心とした構成へ切り替え、学び合いの仕組みを作る。

 

成果

管理者においても、学習データを蓄積することで企画側のPDCAが回せるようになった。

 

 

生命保険業界におけるUMU活用ストーリー集

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生命保険業界の営業教育における学びのDX化の具体的な手法(UMUのソリューション)

 

変額保険の教育

最初に変額保険についての解説動画を見ます。次に、学んだことを自分の言葉で説明できるように、文章をまとめます(ディスカッション機能使用)。このまとめた内容をスクリプトとすることで、動画で話す練習をより行いやすくします。(AIエクササイズ使用)。

動画の中で、必須となるキーワードを言うことができているか、NGキーワードを言っていないか、AIが判定してくれます。

 

新卒社員・中途社員向けオンボーディング

学習者がUMUプラットフォームにログインしたとき、いつ何を学べば良いのか一目でわかるように、学習をデザインできます。

1日目はこのコース、2日目はこのコース…と、入社の日数にあわせて、学習提供ができるため、プラットフォームに情報を集めておくことで新入社員をいつでも受け入れることができます。毎月一定数の中途社員が入社するケースで重宝される使い方です。

 

UMU(ユーム)とは?

UMUは最新のAIを活用し、成果が得られる学習プログラムを作成できる全く新しいラーニングプラットフォームです。

2014年にグローバルで創業、日本では2018年に創業し、約5年で世界で100万社、日本では2万5000社の企業様にご利用頂いています。

営業育成においては、実際の営業シーンを想定したトークスキルの練習や、AIによるリアルタイムのフィードバックなど、研修後の継続学習を通じて実際の業務シーンで使えるスキルを身につけられます。

 

優れたUI/UX

 

カジュアルな見た目で、一度見ただけで操作の仕方がわかります。

一人一人に適した学習をカスタマイズ表示することや、AIによる学習の自動推奨ができます。学習者はプラットフォームにログインした後、何を学べば良いのかすぐに判断することができます。その結果、自ら学ぶ人が増え、高い利用率を維持できます。

 

「テクノロジー」と「学習の科学」で学びを結果に結びつける学習設計を可能に

UMUは、「テクノロジー」と「学習の科学」を使って、効果的かつ効率的なトレーニングを実施できます。例えば、従来のトレーニングだと、インプットの後にテストをして、そのテスト結果を管理することで留まっておりました。

しかしながら、学習を成果に結びつけるためには、アウトプットが欠かせません。

インプットしたものをアウトプットし、そしてフィードバックをもらい、改善していく。この流れをUMUでは、AIを使いながら行うことが可能になります。

 

UMUは学習シーンに合わせてコースを自由にデザイン可能

研修・講義・日々の学習、様々な学習の目的に応じて、自由に効果的なプログラムを作成できます。

 

大手金融機関、国内外TOP企業が導入する万全なセキュリティ

UMUは業界最高水準のプライバシーとセキュリティ基準を掲げて構成された製品です。UMUの技術、プロセス、コンプライアンスは国際監査機関の認証を得ており、ISO/IEC 27001、ISO/IEC 27017、ISO/IEC 27018、ISO/IEC 27701、SOC 2 Type II、CMMI 3、GDPRなどの基準を満たしています。

 

生命保険業界におけるUMU活用ストーリー集

UMUは、日本生命保険相互会社様、明治安田生命保険相互会社様、メディケア生命保険株式会社様、大同生命保険株式会社様など、様々な保険業界のお客様にご導入いただいています。活用シーンや事例を記載した資料をご用意しております。

 

 

生命保険業界におけるUMU活用ストーリー集

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