近年、「アダプティブラーニング」という言葉を少しずつ耳にするようになってきました。
しかし、この言葉が意味する内容を正確に理解している人はまだまだ多くありません。

 

そこでこの記事では、アダプティブラーニングがどのような学習法であるのかや、メリット・デメリットを解説していきます。
コンテンツが面白く、中断なく取り組むことができ、パーソナライズされ、オンデマンドで提供される学習を期待されていますが、学習提供者はこのような需要の高まりにどのように対応したらいいのでしょうか？
ぜひ内容を理解して、学習プログラムに取り入れるための参考としてください。

 

アダプティブラーニングについてもっと知りたいという方は、UMUの記事『アダプティブラーニングを知ろう！（4つの理論）』で基本的な要素となる「4つの理論」について紹介しているので、ぜひご覧ください。

アダプティブラーニングとは

「アダプティブラーニング(Adaptive Learning) 」は、一人ひとりが持っている個性や能力、適性に合わせてプログラムを進めていく学習方法です。個人に合わせて学習内容が最適化されていくことで、より深い学びを得ることが可能となります。

 

このアダプティブラーニングは、文部科学省も強く推奨している学習方法です。
同省が2018年2月に発表した「学校教育におけるICT、データの活用」では、”「未来の教室」に求められるもの”として、基礎学力・スキル習得の個別化と効率化が挙げられています。
この要素はアダプティブラーニングが目指すものそのものであり、文部科学省も一人ひとりの状況に応じたきめ細かい指導を一層促進していくとの考え方を明らかにしているのです。

 

このように、教育現場においてアダプティブラーニングは、未来に向けた重要な取り組みとして注目を集めています。

 

また、同じく基礎学力・スキル習得の個別化と効率化を促進する学習方法として、1～5分程度の短時間で学習を行うマイクロラーニングも注目されています。

UMUの記事『マイクロラーニングとは？特徴やデメリット・おすすめ活用シーンを紹介』では、マイクロラーニングの特徴やおすすめの活用シーンについて紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

アダプティブラーニングの関連用語

アダプティブラーニングには、いくつかの関連用語があります。
アダプティブラーニングに関する理解を深めるために、いくつかの用語を知識として抑えておきましょう。
下記4つの用語は、関連用語のなかでも非常に重要です。

 

• アクティブラーニング：学習者が受け身ではなく、自ら意欲的に学んでいくための学習法
• eラーニング：インターネットを活用し、時間や場所の制限を受けない学習法
• ゲーミフィケーション：ポイント制やレベルアップといったゲームの要素を、教育などの別分野に取り入れて活かしていくこと
• LMS：Learning Management Systemの略称であり、学習者の教材や成績などを管理するシステムのこと

 

他にもアダプティブラーニングに関わる用語は数多くあります。少しずつ覚えていきましょう。

アダプティブラーニングのメリット・デメリット

文部科学省からも推奨されているアダプティブラーニングは、今の時代に合った学習方法であり、多くのメリットを持っています。
しかし一方で、この学習方法ならではのデメリットがあることも事実です。
ここからは、メリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。

アダプティブラーニングの3つのメリット

大きなメリットは、学習者に寄り添った学習が実現されることです。
その点も加え、下記3つのメリットなどがアダプティブラーニングのメリットとして挙げられます。

効率的な学習内容の定着

学習者一人ひとりの苦手分野を正確に把握することにより、効率的に弱点が克服できる。
適切な教材や学習プランを定めていくことも可能になる。

データを有効活用した学びの実現

学習者個人のデータだけではなく、他の学習者、過去の学習者が抱えている課題や解決法をアップデートしていくことにより、より高いレベルの学びが実現できる

指導内容のクオリティが担保される

客観的なデータに基づいて学習者のステップを定めていくため、指導者のレベルに左右されずに学ぶことが可能になる。
そのため、指導内容の均質化が図られる。

アダプティブラーニングは、このように未来の学習法として多くのメリットを持っています。

デメリット

多くのメリットを持っているアダプティブラーニングですが、デメリットとして挙げられるのは「環境を整備することが難しい」という点に尽きます。

パソコンやインターネット接続といった「ICT環境」がアダプティブラーニングには必要ですが、未だ日本では家庭や自治体によって環境に差がある状況が続いています。
誰もが均等に学びを受けられる体制を整えていかなければ、アダプティブラーニングの普及は進んでいかないでしょう。

 

しかし、2020年2月から蔓延が始まった新型コロナウイルスの影響で、オンライン化への意識が高まっています。
この動きが加速していくことで、よりICT環境は整っていくでしょう。

 

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学習者それぞれの嗜好・傾向など元に、それぞれに合った学習提供を可能にし、学習者の学習時間や学習時間帯を知ることができます。
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まとめ

この記事では、アダプティブラーニングの概要やメリット・デメリットを解説してきました。

 

多様性がより尊重されつつあるこの時代においては、一人ひとりの学習者の性質に目を向けた学習法が、非常に重要な取り組みとなりつつあります。
また、今後、アダプティブラーニングの活用は日本中、そして世界中で広がっていくことが予想されており、政府もそのために取り組みを進めています。
学習者の個性や特質を活かし、さらなる成長を促していくためにも、アダプティブラーニングへの理解を一層深めていきましょう。