会社の研修がつまらない!社員の本音に企業は対応すべき?
新しい時代のラーニングプラットフォーム、UMU(ユーム)を提供するユームテクノロジージャパンです。今回は、企業研修のリアルな声としての「つまらない」にフォーカスし、参加者にとって「最後まで面白く取り組める研修」というものを考えてみました。
企業研修への参加モチベーションを上げるために必要な要素を教えて下さい
企業研修への参加モチベーションを上げるにはどうするか。この問いの前に、まず企業体質を知る必要があります。
例えは企業がアグレッシブな体質で社員の取り組みや頑張りがすぐに評価に反映されるようなところでは、研修の中に「競わせる」要素を取り入れるのが効果的かもしれません。一方で和を基調とし、みんなでじっくりと何かを創りあげていくような企業体質の場合には、研修の中で「コミュニティ形成」要素を取り入れ、参加者が安心できる環境を用意しておくことも効果的かと思います。
そして上記のいずれにしても大事になってくるのは、研修に「学習者を参画させる」ことによって当事者意識を持たせることです。
新入社員研修をはじめ、あらゆる研修がオンライン化された企業は多いでしょう。
とはいえ、ただオンライン動画を流すだけではなく、オンラインの特性を生かして同期/非同期を的確に使い分け、巧みに双方向性を取り入れて研修を組み立てている企業はまだ一部かと思います。しかしせっかくのオンライン研修なので、参加者の発言やリアクションを取り入れ“共に学びを構築していく”という発想に切り替えてはどうでしょうか。参加者同士が考えを共有し、触発され、新たな視点を獲得していく…これらを達成するのが双方向性の学びなのです。
そして次に必要な要素としては「適度な強制力をもたせる」ことともいえます。オンライン研修における「参画させる仕組み」は確かに参加者の主体性を引き出しますが、参加者によって参加度にバラツキがでてしまうことも事実です。これではいくら良質な研修でも効果が半減してしまいます。そこで研修の中で参加者の発言やリアクションを求める部分に関しては期限や条件などを設け、半ば強制的に実行させるようにするのもありかもしれません。あるいは課題提出やテストなどを取り入れることも効果的かと思います。リモートによるオンライン研修では参加者の管理におけるさじ加減が難しいですが、締めるところは締めてリモートにおいても緊張感を持たせましょう。
他にモチベーションを上げる要素として「学びを実務に紐づける」こともあると思います。今、自分がやっている学びが何に繋がっているのか。それはどういう評価に反映されるのか―研修はそれ自体が目的ではなく、その後の実務=パフォーマンスの向上のために行われます。自分の学びの意味や意義、落としどころを知ることによって目の前の学びをただ漠然とこなすという状況から脱却し、よりいっそう身の入った研修が実現されるでしょう。
上記の要素は具体的にどのようなコンテンツに取り入れることができますか?
「学び手を参画させる」「適度な強制力をもたせる」「学びを実務に紐づける」これらの要素を取り入れたオンライン研修のコンテンツとはどのようなものでしょうか。UMUを例にとって考えてみましょう。
「ディスカッション」「アンケート」「クイズ」などに学び手を参画させる要素を取り入れることができます。
例えば「クイズ」機能では、研修の中にYES/NO形式や穴埋め形式、自由記述形式などのクイズを取り入れ、結果を瞬時に集計し画面に反映させることができます。正答率や模範解答、ランキングなどもその場で示すことができるので、参加者は真剣にクイズ問題と向かい合うことになります。またこれらは研修の合間の息抜き的な意味合いもあるので、本題とは少し離れた内容にして楽しく取り組めるようなものにするのもありかと思います。
「出席」「課題」「テスト」などに適度な強制力をもたせる要素を取り入れることができます。
例えば「課題」では、講師から出された課題を受講生が文章や動画、あるいは音声+画像などで提出することができます。期限や条件などを設定するだけではなく、成績や評価にも繋げるという前提を設ければ、提出にバラツキはなくなるかと思います。「テスト」も研修期間内に頻繁に差し込むことによって“中だるみ”がなくなります。
「AIコーチング」や「動画」などに学びを実務に紐づける要素を取り入れることができます。
例えば「AIコーチング」では、研修者が画面に向かってロールプレイングをします。それをAI機能が「表情」「音声」「ジェスチャー」などの項目ごとにジャッジし「流暢に喋れてますね」などのコメントと共にレーダーチャートを出してくれます。AIで自己練習を一通り行った後は動画機能を使います。自分のロールプレイングを動画にアップして先輩に見てもらい、フィードバックをしてもらいます。このように実務に近い状態で反応を得ながら練習ができるので、研修といえども参加者にとっては張り合いのあるものになるでしょう。
企業研修を面白くする為に企業が行っている取り組みにはどんなものがありますか?
研修の中身だけではなく研修の参加者に対しても日常的にアプローチしているユニークな企業があります。
その企業では研修期間中の参加者のメンタル管理をオンラインによって行っていました。具体的には参加者が毎日のコンディションを天気で表し、情報をメンターや上司に送信します。この取り組みは年間を通して行われたので、上司やメンターは社員のメンタルコンディションを常時把握することができ、マネジメントにも活かせるので離職率の低下に繋がったそうです。
研修の中身を面白くするだけでは参加者の心を掴むことはできません。学びの主役はあくまで“人”だということを念頭において、参加者の感情そのものにアプローチすることは効果的かと思います。オンラインの学びでは巧みに双方向性を取り入れたとしても、どこかで学び手は孤独を感じるものです。学び手は「自分は常に気にされている」という実感を持つことで心おきなく学びに没頭できるのです。
企業研修を面白くするというのは、決してテクニックだけの話ではありません。技術やツールを使いこなし良質なコンテンツを追求する前に、まずは学び手が何を考え何を欲しているのかを知る必要があるのではないでしょうか。
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