2万人組織の教育DX|早期退職率を2.8ポイント改善、四半期で2,500万円のコスト削減を実現した全貌

トランスコスモス株式会社 デジタルカスタマーコミュニケーション総括 人財戦略本部 組織開発部 育成企画課

戸嶋 敦子 さん

企業概要

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社名:トランスコスモス株式会社

業種:BPOサービス・デジタルマーケティング

従業員数:70,653名(国内 43,612名 / 海外 27,041名 / 2025年3月末時点)

ホームページ:https://www.trans-cosmos.co.jp/

 

Performance Learning Award 2025 受賞企業

 

本事例のトランスコスモス株式会社は、ユームテクノロジージャパンが主催する「Performance Learning Award 2025」の受賞企業です。同アワードは、学習を企業の業績や経営インパクトに直結させた革新的な取り組みを表彰するものです。トランスコスモス株式会社様は、「アウトプット重視の実践型」への転換と「エリアトレーナー制度」の構築により、劇的な離職率改善とコスト削減を実現した点が評価され、2025年度の受賞企業として選出されました。

 

Key Takeaways(要点まとめ)

  • 課題:コンタクトセンター部門における「業務の高度化」と「人材確保」の両立。特に初期研修期間(3カ月以内)の離職防止と、採用教育コストの適正化が急務であった。
  • 解決策:全国展開可能な「エリアトレーナー制度」を構築し、AI活用学習プラットフォーム「UMU」を基盤に採用。「インプット型」から「アウトプット率70%の体験型」へ教育モデルを刷新した。
  • 成果:導入後、対象事業所の早期退職率が10%超から2.8ポイント改善。第1四半期だけで2,500万円の採用教育費削減を達成し、年間目標を上回るペースで推移している。

 

1. 導入のきっかけ・背景

2万人の成長を支えるために。「教育コスト」削減と「定着率向上」への挑戦

トランスコスモス株式会社のコンタクトセンター部門では、全国で約2万人のコミュニケーターが顧客対応に従事しており、その規模ゆえに年間数千人単位の採用と教育を行っています。プロジェクト発足の背景には、ビジネス環境の変化に伴う「業務の高度化」と、労働市場における「人材確保の難易度上昇」という二つの側面がありました。

 

特に近年は、採用要件を満たす即戦力人材の確保だけでなく、ポテンシャルを持った方々を採用し、いかに早期に戦力化できるかが重要になっています。しかし、従来の研修スタイルでは、入社後3カ月以内の早期退職率が全国平均で10%を超えており、これに伴う「採用教育費」が経営上の課題となっていました。

 

そこで同社は、単に研修を行うだけでなく、明確な経営貢献目標として「年間3,000万円の採用教育費削減」を掲げました。新入社員が「研修が難しくてついていけない」という理由で辞めてしまう損失を防ぎ、定着率を高めることで、組織全体の生産性と投資対効果を最大化しようと考えたのです。

2. 選定理由・決め手

大規模展開を支える「構造化」と「標準化」の鍵

 

その解決策の鍵となるのが、教育の「構造化」と「アウトプット重視への転換」です。全国数百カ所の事業所へ均質な教育を行き渡らせるためには、中央集権的な研修だけでは限界があります。そこで、まずは主軸となる「エリアトレーナー」を育成し、そこから各事業所のトレーナー、そして2万人のコミュニケーターへと教育が波及する「エリアトレーナー制度」というエコシステムを構築しました。

 

この仕組みを支えるプラットフォームとして不可欠だったのが、AI活用学習プラットフォーム「UMU」です。従来の研修は、座学中心の「インプット型」になりがちで、受講者が受け身になってしまう課題がありました。しかしUMUを活用することで、集合研修での濃密な実践と、デジタルツールを用いた隙間時間での自主学習を組み合わせることで、効率的かつ効果的な学習環境を整備しています。

 

特に、同社の新しいコンセプトである「アウトプット率70%以上の体験型研修」を実現するには、研修以外の時間で知識習得や反復練習を行える環境が必須でした。UMUは、この「学ぶ」と「練習する」のサイクルをシームレスにつなげ、大規模展開における標準化を担保できる唯一無二のツールであると判断されたのです。

3. 導入後の効果・成果

早期退職率2.8ポイント改善。四半期で2,500万円を削減した「学習の科学」

 

予想を上回るスピードで大きな成果が得られ、最も顕著な指標である「早期退職率」は、導入前の平均10%以上から、2025年度には「2.8%」へと大幅に改善されました。これは単なる数値の改善にとどまらず、現場のモチベーションや組織の安定性に直結する成果です。

 

経営インパクトという視点では、第1四半期だけで「2,500万円」の採用教育費削減に成功しました。当初掲げていた年間目標の3,000万円を、わずか3カ月でほぼ達成してしまった計算になります。 また、ある事業所では、初期研修にかかる時間を従来の160時間から35時間へと約4分の1に短縮しながらも、同等以上のスキル定着を実現しています。

 

これは、UMUを用いた「反転学習(事前学習)」と、対面での「濃密なアウトプット」を組み合わせた成果といえます。トレーナー自身が「教えるだけの存在」から「成長を支援する伴走者」へと意識を変革し、受講者が「自ら学ぶ楽しさ」を知ることで、結果として定着率とスキルの両方が向上するという好循環が生まれています。

4. 今後の展望・ビジョン

AIによる「自動化」と「自律学習」で、組織のポテンシャルを解放する

 

── 今後はどのような展開を描かれていますか。

 

第1四半期の成功を受け、第2四半期以降はさらなる深掘りを進めていきます。具体的には、特に改善余地の大きい35事業所へ重点的に展開し、追加で3,000万円のコスト削減を目指します。

 

そのための鍵となるのが「AIと動画のさらなる活用」です。研修資料やマニュアル作成にAIを導入し、トレーナーの事務工数を極限まで削減します。浮いた時間は、受講者一人ひとりへのフィードバックやメンタリングといった「人間にしかできない価値提供」に充てる予定です。

 

また、受講者同士がUMU上で成功事例を動画で共有し合う「相互学習」の場も広げていきたいと考えています。「研修を受けて終わり」ではなく、現場に戻ってからも互いに学び合い、高め合う「自律学習の文化」をトランスコスモス全体に根付かせていくこと。それが、同社の目指す価値創出の最終形です。

UMU 活用POINT

1.「インプット偏重」からの脱却と、アウトプット率70%のカリキュラム

従来の研修はトレーナーが一方的に話す時間が長く、知識の詰め込みになりがちでした。そこで、研修時間の70%以上をディスカッションや実技などの「アウトプット」に充てるよう構成を抜本的に変更。「教わる」のではなく「自ら考え、実践する」時間を最大化することで、確実なスキル定着を図っています。

 

2.テクノロジー活用による効率化と、伴走支援への注力

研修後の定着においては、eラーニングやデジタルツールを活用した自主練習を取り入れました。これにより指導役(エリアトレーナー)の工数を削減し、その浮いた時間を「人」にしかできない受講後のフィードバックや伴走支援に充てることで、行動変容をより確実なものにしています。

 

3.大規模展開を可能にする「エリアトレーナー制度」の構築

全国数百にのぼる事業所へ研修を行き渡らせるため、まず指導の主軸となる「エリアトレーナー」を育成しました。彼らが各事業所のトレーナーへ指導を行い、さらにそのトレーナーが現場スタッフを育成するという展開モデルを構築。システムのみに頼るのではなく、人の手を介して物理的な距離を超え、組織全体の教育レベルを底上げしています。

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