「管理職の仕事」から「全員の営み」へ。NOKIOOが提唱する「全員マネジメント」をUMUで実現

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ラーニングディレクター 小島 寛子様、取締役 小田木 朝子様、マーケティングディレクター 髙力 彩羽様、代表取締役 小川 健三様
「日本のチームの景色を変える」をミッションに、人と組織の可能性を掛け合わせ、共創あふれる社会の実現を目指す株式会社NOKIOO。同社は、大手企業を中心に人材開発や組織開発の分野で、顧客と伴走しながら本質的な課題解決を支援しています。
今回、同社がUMUを導入し、テクノロジーと学習体験デザインを駆使して開発したマネジメント・トレーニングプログラムについて、担当の髙力 彩羽(こうりき あやは)さんにお話を伺いました。
会社概要
社名:株式会社NOKIOO
本社所在地:静岡県浜松市中央区高林1丁目8-43
設立:2011年4月
ホームページ:https://nokioo.jp/
一方的な研修提供ではなく、顧客との伴走を選択
―まず、この「伴走型・実践トレーニング」を開発される以前の状況についてお聞かせください。
弊社は人材開発・組織開発の会社として、さまざまなお客様にプログラムを提供しています。その中でも、今回ご紹介する企業様とは、長年にわたり人・組織の分野で伴走させていただいている関係です。
担当者様と対話を重ねる中で、「組織としてどうありたいか」「現状の課題は何か」を深く伺うのですが、お客様自身も、課題を明確に言語化できていないケースは少なくありません。その漠然としながらもリアルな悩みを共に言語化し、課題のありかを探し抜くプロセスを経て、「お客様の想いに本気で応えたい」という気持ちが強まったことが、このプログラム開発の原点です。
私たちが目指したのは、パッケージ化された研修を一方的にお渡しすることではありません。企業様と同じ目線に立ち、学習者が現場でどのような壁にぶつかるのか、理想の現場の姿とは何かを徹底的に考え抜く。そこを出発点とした、真に価値のあるプログラムを作りたいと考えていました。
UMUを選んだ理由:思想への共感と、学習体験を柔軟に設計できる機能性
―数ある学習プラットフォームの中で、最終的にUMUを選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
導入の決め手から導入後の魅力まで、理由は大きく3つあります。
第一に、実際にUMUを活用されている社外パートナーからの信頼できる推薦があったことです。研修を設計する立場と、企業で活用する立場の両方を経験された方からのご紹介だったため、非常に信頼感がありました。
第二に、UMUの思想が、私たちの実現したいことと深く共鳴していた点です。特に、学習体験全体を柔軟に設計できる機能性に大きな魅力を感じました。単に動画を配信するだけでなく、問いかけやディスカッション、アセスメントといった多様な機能を組み合わせることで、一貫した学習体験をデザインできる。これがUMUならではの価値だと感じています。
中でもディスカッション機能は、参加者同士の対話やアウトプットを促す上で極めて有効です。私たちは研修におけるアウトプットを特に重視しているため、UMUなら一方的なインプットで終わらせず、内省や行動変容につながる仕掛けをオンライン上で効果的に作れると確信しました。
第三に、思想にまで踏み込んだ、手厚い導入サポートです。導入初期に計4回ほどの勉強会を実施いただきましたが、単なる機能説明ではありませんでした。その機能の背景にある思想や、ラーニングサイエンスに基づいた学習設計への活かし方まで、非常に丁寧に教えていただけたのです。
私たちもテストアカウントで実際に操作しながら、ゲーム感覚で少しずつ習熟していく過程を楽しみました。導入チーム内でも「これは面白いね」と声が上がるほどで、安心して本格的な運用を開始できたことを覚えています。
学習者起点で描き出す「変化の物語」
―貴社のプログラムにおける、UMUの具体的な活用法について教えてください。
プログラム設計の核となったのが、「ラーニングデザインシート」の作成です。まず、社内全員でラーニングデザインの考え方を深く学ぶことから始めました。
その上で、現状に思考が引っ張られないよう、5人のペルソナを具体的に設定しました。そして「このペルソナの学習者は、プログラムを通じてどのように状態が変化していくだろうか」「どんなことに悩み、どんな行動をしそうか」という変化の物語を、miroを使いながら徹底的に想像し、付箋で書き出していきました。
それをチーム全員で眺めながら、「ここが学習者にとっての山場だね」「このモヤモヤに対して、このフォローで足りるだろうか」といった議論を細かく重ね、学習者の体験の解像度を極限まで高めていったのです。
すべてを学習者視点で考えることを徹底しました。例えば、学習者がつまずきそうなタイミングで、上司からどのような言葉をかけてもらえたら嬉しいか。インプットが続く中で、どこに仲間と対話する機会を設ければ、学びが深まるか。そういった具体的な支援策を一つひとつ丁寧に検討していきました。
―そのように緻密に設計された学習体験の中で、特に重視されたスキルや働きかけはありますか?
はい、特に「言語化」のスキルを重視しました。実際にプログラムの成果として、この言語化のスキルが大きく向上しましたが、これは意図的に設計した結果です。スキルカードの各項目には複数のアセスメント質問が紐づいており、ディスカッションワークや集合研修の場を通じて、「自分の言葉で言語化しよう」というメッセージを繰り返し伝え続けました。
その結果、参加された方のアンケートで「今年の自分の流行語は“言語化”です」という声が上がるほど、言語化が当たり前の習慣として根付いていきました。
―学習者のスキル向上だけでなく、その学びを組織全体に広げるためには、周囲の協力も不可欠かと思います。その点ではどのような工夫をされましたか?
学習効果を最大化するためには、周囲、特に上司の協力が不可欠です。そこで私たちは、上司を「最大の味方」にするための、二段階の仕掛けを用意しました。
まず、プログラム開始前に、受講者の上司にあたる方々に対してガイダンスを実施しました。これにより、上司は部下がつまずきやすいポイントや、テーマの難しさを深く理解した上で、質の高い伴走をすることが可能になります。
さらに、学習期間中、上司の方々にもUMUのアカウントに入っていただき、部下のレポート提出状況などを確認してもらいました。もちろん、上司の方の負担が過度に大きくならないよう、「〇〇さんの提出が少し遅れているので、お声がけいただけませんか」といった形で、私たちディレクションメンバーが上司の方々を能動的にサポートする体制も整えました。
「全員マネジメント」で日本のチームの景色を変える
―プログラムを通じて、受講者の方々にはどのような変化が見られましたか?
実際にいただいた声として、まず管理職同士の対話が活発に生まれたことが挙げられます。さらに、部下であるメンバーとの対話にも質の高い変化がありました。「うちのチームの目的は何だろう」「チームの成果とは何か」といったように、主語が「チーム」に変わり、チーム全体のことを自分事として捉える対話が生まれていったと聞いています。
―素晴らしい変化ですね。今回のプログラムを通じて、今後、日本の企業のマネジメントや組織をどのように変えていきたいとお考えですか?
昨今、「管理職は罰ゲームだ」という言葉も聞かれるように、マネジメントを管理職だけの仕事と捉える従来の構造では、変化の速い現代の組織課題に対応するのは困難になっています。管理職は疲弊し、組織全体のパフォーマンスもエンゲージメントも上がりません。
私たちは、このマネジメントの構造自体をアップデートする必要があると考えています。私たちが提唱するのは、マネジメントを「チームの成果を最大化するための“あらゆる営み”」と再定義すること。そして、管理職だけでなく、チーム全員がその営みに関わっていく。これを「全員マネジメント」と名付け、推進しています。
今回のプログラムも、この「全員マネジメント」の思想を、参加者一人ひとりが行動として体現できるものへと進化しています。この考え方や実践行動を広めることで、パフォーマンスもエンゲージメントも高い、共創あふれるチームを日本中に増やしていきたいです。
―最後に、これからUMUの導入を検討している、あるいは貴社と同じように研修の高度化を目指す企業の担当者に向けて、メッセージやアドバイスがあればお願いします。
研修設計において重要なのは、「何を学ぶのか」「どう学ぶのか」、そして「誰を巻き込むのか」という基本的な問いを、非常に丁寧に設計していくことだと考えます。これが成功の鍵を握るのではないでしょうか。
私たちのプログラムでは、「誰を巻き込むか」という点で、上司はもちろん、学習者同士を孤独にさせず、「同士(仲間)」と捉えて関係性を築けるように意識しました。
そして、プラットフォームにコンテンツを載せて終わり、としないこと。そこで学んだことを、いかにして実際の現場で使われるようにするか。上司が実践の場を与えていくことも含め、学びと実践が有機的に結びつくことで初めて、組織は本当に変わっていくのだと確信しています。
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