「自ら考え、自ら気づく」。AIを活用したロープレ研修で若手MRの行動変容を実現

日本化薬株式会社は、2021年12月にUMUを導入。AIエクササイズとOJTコース機能を活用し若手MR(医薬情報担当者)のアウトプット力向上とメンターの労力削減を実現しました。今回は日本化薬株式会社 ライフサイエンス事業領域 医薬事業部 営業本部 医薬研修室の高野浩一郎さん(現在は営業本部 関東医薬支店長)と荻野美和さんにお話をうかがいました。

 

 

企業情報

社名:日本化薬株式会社

本社所在地:東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 明治安田生命ビル(19階、20階)

設立年月日:1916年(大正5年)6月5日

ホームページ :https://www.nipponkayaku.co.jp/

 

アウトプットができる研修プログラムを探して

 

-UMU導入までの経緯はどのようなものでしたか?

 

荻野:当時は、ちょうど、MR向けのスキル研修に注力し始めた頃で、おもにe-Learningを用いた一方向型の研修を行っていました。しかし、講義を視聴するだけでスキルが身につくのか?と、研修成果に疑問を感じ、いろいろなセミナーに参加しながら、効果的なスキル研修を模索していました。そして、ある時、講義の後に、インプットしたスキルをアウトプットするグループワークを追加したところ、講師の言葉に集中し、研修にのめり込んでいく学習者の姿が見られました。実際にアウトプットすることで、体感刺激とともに理解が深まっていく様子でした。また、学習者同士がコミュニケーションを深め、ナレッジシェアできる貴重な機会にもなったようで、研修後のアンケートでも高い満足度と手応えを寄せてくれました。

この経験から、その後も、アウトプットができる効果的な研修コンテンツやプログラムを探していました。

 

-UMUとの1stコンタクトはどのようなものでしたか?

 

荻野:営業スキルの習得をテーマにしたあるセミナー(後にUMUの共催セミナーであったことを知る)に参加したことがきっかけでした。初めはUMUとは何かも知りませんでしたが、「学習のプラットフォーム」を提供する会社であること、MRに「効率的な新しい学習スタイル」を提案できることが分かり、期待が膨らんでいきました。当初の探し物であった研修コンテンツからはスケールが少し大きくなりましたが、「AIを活用した新しいスタイルのアウトプットトレーニング」に可能性を感じ、まずはトライアル研修を実施してみることにしました。

コプロで交流のあった会社様も既にUMUを導入・活用していることを知り、後押しになりました。

 

 す”ことへの苦手意識軽減するために、AIを活用したロープレを開始

 

-AIエクササイズ(動画課題提出機能)を活用したロールプレイング研修を導入した際の課題感を教えてください。

 

荻野:コロナによる訪問規制、急激に進むオンライン化の影響等により、得意先との面談機会は激減し、それに伴い、MRの“話す力”も急激に落ちてきていることに危機感を募らせていました。

また、新薬の発売を控え、おもにジェネリック医薬品のプロモーションに注力してきたこれまでとは、説明内容もMRの意識も大きく変えていく必要がありました。

そこで、新薬を扱うMRとして、医師としっかり話し込みができるよう確実に力を付けていくことが、会社としての急務と考えました。

しかし、当時はコロナ禍。支店や営業所に集合して行うロープレ研修も、同行によるOJTも積極的な実施は難しい状況でした。そんな時、UMUと出会いました。

UMUはPC、スマートフォンなどのデジタルデバイスを使って、場所や時間に拘束されることなく、みんなでコミュニケーションをとりながら、ロープレを行うことができます。当社のニーズにはもちろん、今の時代にも合っていると感じました。

 

※UMUのAIエクササイズ機能の詳細はこちら:https://umujapan.co.jp/aiexercise/

 

自ら気づき、考える」がキーワードの研修設計

 

 

-研修の設計にこだわって作成された印象がありますが、何を重視しましたか?

 

荻野:1つは学習者自らの“気づき”です。ヒトは他人から何を言われようと、自分自身で感じ納得しなければ、自身の考えや行動を変えることはありません。そこで、学習者自ら自身の課題に気づき、改善を強く意識するシチュエーションを作り出そうと考えました。そこで、まず始めに、数枚の説明会用スライドを題材に、短いディテール動画を自撮りして提出してもらいました。学習者のほとんどが、これまで自身のディテール姿を見たことがありません。画面に映し出される自身の姿を客観視することで、「想像と違う」「話し方やしぐさに癖がある」等、初めて自身の課題に気づきます。その後、他メンバーや先輩のディテール動画を見ることで更なる気づきや改善のヒントが得られます。同時に「負けられない」「もっと上手くなりたい」といった競争意識や意欲が出てくることも期待しました。また、メンターのコメントからも自分では気づかなかった課題に気づくことができます。気づきこそ自身を突き動かす大きな原動力になると考えました。

そして、2つ目は、学習者の“成長意欲”です。私たちのロープレ研修では、1テーマにつき短いディテール動画を2回提出します。1回目は自力のみで考え、2回目は上述の“気づき”を反映させたブラッシュアップ動画を提出します。動画を提出する度にブラッシュアップを重ね、小さな“出来る”を何度も着実に経験することで、自信や成長意欲に繋がっていくと考えました。

 

- 受講生がUMUを使うのは初めてだと思いますが、どのように伝えましたか?

 

荻野:“AIを活用した新しいロープレ研修”を行うことを伝えました。「一体どんな研修だろう」と興味を引き、ワクワク感を持って参加してもらうことができました。

 

- 不安はなかったということですか?

 

荻野:正直、始めは、新しいシステムが受け入れられるか、全員がディテール動画を提出してくれるか、途中で飽きられたりしないか等心配もありました。しかし、システム操作に苦戦する者もなく、iPhoneで隙間時間にコンテンツを閲覧できるとあってかスムーズに受け入れられました。ただ、自分のディテールを他人に見られることに少し抵抗はあったようです。それでも、有用なコンテンツを学習でき、普段見ることができない先輩や同期のディテールを自由に閲覧できる等、メリットの方が勝ったようで、すぐに前向きなチャレンジを見せてくれました。

 

 

実際のAIエクササイズにおけるフィードバック画面とコメントの工夫

 

-具体的なフィードバックはどのようにされていましたか?

 

荻野:前述のように、若手を対象とした今回のロープレ研修では、1テーマにつき動画を2回提出してもらいます。メンターには、担当メンバーの動画が提出されたらなるべく早くフィードバックするよう事前にお願いしました。また、学習者には、自身の属する班のメンバーへのコメントを必須としました。よい点と改善すればもっとよくなる点をセットにし、使える話術やアドバイス等も自由に記載いただきました。特にレギュレーションには注意して必ず事務局から指摘するようにしました。

 

密なコミュニケーションで現場を巻き込む

 

-どのように現場に新しい研修方法を周知していったのでしょうか?

 

高野:受講するMRの上司である支店長と営業所長に一人ひとり電話で直接伝えていきました。人海戦術ですね。若手が話せなくなっている現状の課題を共有して、新しい研修の必要性を認識してもらいました。

そのうえで、「事前にインプットと話す練習をして、MRが自信を持って得意先に行くための、研修プラットフォームを導入しようと考えています。トライアルでこういうロープレがしたいのですが・・・」と、地道な説明を繰り返していきました。

事務局側が主催することで、協力してもらいやすいと考え、メールではなく、直接話をしてコミュニケーションをとることを心がけました。

 

 

OJTコース機能の導入背景と導入後の変化について

 

-OJTコース機能も活用いただきましたが、導入の背景や導入後の変化をお聞かせいただけますか?

 

荻野:学習者一人ひとりにフィードバックするとなると、当然、それなりの労力がかかります。また、メンターとしてご協力いただく営業所長や学術担当者は、必ずしも頻繁にUMUをチェックできる状況とも限りません。そこで、メンターの皆さんの負担を少しでも軽減し、速やかなフィードバックを行っていただくために、新しく“OJTコース機能”を採用することにしました。

これまでは、提出された多数の動画の中から、各メンターが自分の担当する学習者の動画を探し出す必要があり、多忙なメンターにとってはひと手間となっていました。OJTコース機能では、あらかじめ学習者とメンターを紐付けすることで、学習者の動画が提出されると自動的にメンターのメールに通知が届くようになります。通知メールの中には、提出動画に直接リンクしたURLが貼られているため、該当動画を速やかに確認してコメントすることができるようになりました。また、メンターからの迅速なフィードバックは、学習者にとっても嬉しく、彼らのモチベーション維持にも役立ったように感じています。

 

※OJTコース機能の詳しい説明はこちら:https://www.umu.co/course/?groupId=218016&sKey=d4ca2b11a5d095ab1d8fa26697b2d7e4#/

 

研修の成果

 

-UMU導入により期待されていた成果は得られましたか?

 

荻野:はい。トライアル研修後のアンケート結果から、目標としていた「“話す”ことへの苦手意識が軽減」し、「自身の課題に気づき、意識・行動が変化」することを明確に実感することができました。

また、UMU正式導入後、対象製品を変更して行ったロープレ研修においても、同様の傾向が確認されました。

以下は、入社1年未満MRの研修後アンケート結果です。知識も経験も浅い彼らですが、研修前と比べ、気持ちや行動のポジティブな変化に結びついていること、レギュレーション遵守に対する意識も確実に向上し、フィードバックをもらうことで、改善の質の向上につながったことが分かります。また、上司(営業所長)からは、部下育成の一助になったとご評価いただきました。

 

 

 

営業活動への実質的な影響としては、双方向面談数において、研修に参加したMRの方が研修に参加していないMRよりも多くなる傾向が認められました。

 

最初に行ったトライアル研修では、豊富なデータがあり、若手MRも比較的話しやすいと思われるA製品をテーマに取り上げました。

結果は、研修に参加した若手MR、参加しなかった中堅~ベテランMRともに経時的な面談数の増加が認められましたが、研修に参加したMRの方が参加しなかったMRに比べ面談数の伸びが高く、研修実施後7~9ヶ月時点では研修前と比べ約2倍の双方向面談数の増加が認められました。

 

 

2回目の研修(正式導入後最初の研修)では、発売後間もない新薬(B製品)をテーマに取り上げました。領域としても難易度が高く、中堅~ベテランMRでも比較的苦手意識を持つ製品でした。

結果、研修に参加しなかったMR(中堅~ベテランMR)では面談数の減少傾向が見られましたが、研修に参加した若手MRでは面談数が1.2倍に微増しました。

アンケートでも「自身のディテールに自信がついてきた」「先生と話すことへの不安が減った」「得意先で話してみようとポジティブな気持ちになった」との回答が見られ、医師との面談に一歩踏み出すきっかけになったと考えています。

 

 

今後の展望

-今後の展望として、何かイメージされていることはありますか?

 

高野:医師としっかり話し込みができ、困ったときには相談をしたいと思ってもらえるMRを育てていきたいです。

現在は、限られた一部のメンバーでのみロープレ研修を実施していますが、1人でも多くのMRに、話す練習の大切さや、他の人のディテールを見て引き出しを増やすことの大切さを知ってもらいたいと考えています。今後は、その重要性を社内に浸透させることで、MR全員が受講できるように進めていきたいです。

荻野:また、他社では、省力化・効率化の観点から、導入研修への活用を検討されることが多いと知り驚きました。私たちもいずれはそちらも手掛けていきたいと考えています。

 

 

UMUへの印象について

 

-UMUに対してプロダクト以外の面で、どのような印象がありますか?

 

定期的に開催くださる同業界のメーカー交流会は、情報共有の場として大変ありがたく、UMUさんならではだと思います。UMUをさらに活用できるようになれば、他業種の方とも情報交換ができるかもしれません。

 

 


 

大手企業様をはじめとして、全社学習プラットフォームの活用、営業教育、新入社員教育等、様々なシーンでUMUをご利用いただいております。

Webでは公開していない情報も含めて、一つの事例に対し、1スライド形式でわかりやすく解説した事例集をご用意しております。是非事例集も合わせてご覧くださいませ。

 

大手企業の導入事例も多数掲載中

UMU導入事例集をダウンロードする

 


私達UMUは、企業様向けに研修のオンライン化やリモート学習の無料相談会を毎日実施しております。
また、常に最先端のテクノロジーと学習情報をアップデートしておりますので、お困りごとや、追加で必要な情報のご要望などございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

▼各種お問い合わせフォーム
https://umujapan.co.jp/contact/

▼無料相談会の予約ページ
https://umucs.youcanbook.me
導入企業インタビュー一覧に戻る
  • まずはコレから!

    人材開発におけるAI活用がわかる

    初めて資料3点セット

    人材開発におけるAI活用がわかる資料3点セット

    AIで企業の業績を向上させる学習プラットフォーム「UMU」の特徴や実績、UMUで実現できることがわかる資料です。
    人材育成でUMUのAIを活用した効果が数字でわかる企業事例、ユーザー様からの評価をご覧いただけます。学んだことを定着させ、現場実践に活かせる成果に繋がる学びのあり方・実現方法を理解できます。