JAL 約14,500名の「学習の科学」実装──教育の高度化と効率化と管理工数50%削減の全貌

日本航空株式会社 空港オペレーション教育訓練部
田淵 龍太 さん

 

 

企業概要

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社名:日本航空株式会社 (Japan Airlines Co., Ltd.)

業種:航空運送事業

従業員数:連結従業員含め38,433名(2025年3月31日時点)

ホームページ:https://www.jal.com/ja/

 

Performance Learning Award 2025 受賞企業

本事例の日本航空株式会社様は、ユームテクノロジージャパンが主催する「Performance Learning Award 2025」の受賞企業です。同アワードは、学習を企業の業績や経営インパクトに直結させた革新的な取り組みを表彰するものです。日本航空株式会社様は、国内外約100空港・約14,500名規模での教育プラットフォーム移行をわずか3カ月で完遂し、航空業界特有の厳格な受講記録管理業務の工数を半減させると同時に、現場主導の「学習行動変容」を促した点が評価され、2025年度の受賞企業として選出されました。

 

Key Takeaways

  • 課題:空港ごとの教育内容の個別最適化によるばらつきと、紙・PDFベースの受講記録管理による膨大な業務工数。
  • 解決策:AI学習プラットフォーム「UMU」を導入し、教育プログラムの「共通化」と「カスタマイズ」の両立、および「企業証明書」機能とExcel連携によるデータ管理フローの刷新。
  • 成果:導入後3カ月で動画教材の自己学習といった行動変容を確認(平均再生数1.5回以上)、管理部門の工数を50%削減し、教育の均質化を実現。

 

1. 導入のきっかけ・背景

約14,500名を抱える組織が推進する「教育の高度化」と「持続可能な仕組みづくり」

 

── まず、UMU導入以前に抱えていた課題についてお聞かせください。

 

田淵さん:JALグループでは、空港現場における安全・安心の徹底、高い基本品質と生産性に貢献できる人財育成を目指しています。その一環として、教育の質とスピードを同時に高める新たなプラットフォームを検討しました。

 

最大の背景は環境の変化です。スマートエアポート化や多様な人財の活躍により現場環境は日々変化しています。これに対し、従来の対面中心の教育から、より柔軟な学習機会の提供が課題となっていました。

 

また管理面でも、安全・安心なオペレーション遂行のため従来から徹底した管理が行われていますが、昨今の働き方改革や将来の労働人口減少を見据え、手作業からシステム化することで、より効率的で持続可能な仕組みへ見直すこととなりました。

 

2. 選定理由・決め手

なぜ3カ月でUMUを導入できたのか?──「全体像」からの逆算と設計

 

── 多くのプラットフォームがある中で、なぜUMUを選定されたのでしょうか?また、1月選定・4月導入という短期間での移行はどのように実現したのですか?

 

田淵さん:AI活用学習プラットフォーム「UMU」を選定した理由は、主に3点あります。1点目は「学習プログラム機能」による教育設計の柔軟性です。共通教材を作成しつつ、各空港の特性に合わせて自由に組み合わせられる点が、標準化と現場の柔軟性を両立したい当社のニーズに合致しました。これが最大の決め手です。2点目は「学習環境の提供」です。容量無制限で動画を活用でき、マイクロラーニング環境を構築できる点です。3点目は「データのエクスポート機能」です。既存の複雑な業務フローを移行し、効率化する上で重要な要素でした。

 

短期間導入のポイントは、いきなりUMUへ移行するのではなく、まず「全体像の整理」から着手したことです。はじめに教育としてあるべき姿を定義し、それに沿って既存の教育内容を整理しました。具体的にはすべてExcelに書き出し、重複や漏れがないかを徹底的に構造化する作業を行いました。この「設計図」があったからこそ、手戻りなく開発を進められ、わずか3カ月での大規模導入が可能になったのです。

3. 導入後の効果・成果

管理工数を半減。「見て覚える」から「科学的に学ぶ」へ──行動変容と均質化の実証

 

── 導入後、具体的にどのような成果が表れていますか?

 

田淵さん:成果は「教育」「設計」「管理」のすべての面で表れています。教育面では、「自己学習といった行動変容」が見られます。現在約1,700本の動画教材を公開していますが、その約4分の1は平均1.5回以上の再生数を記録しています。これは、社員が一度見るだけでなく、業務の中で不明点を確認するために繰り返し視聴しているためと認識しています。「業務で分からないことも動画ですぐ調べられるので助かった」という声も現場から上がっており、行動変容を図れています。

 

管理面では、工数が大幅に削減されました。これまでは紙やPDFの確認に多大な時間を費やしていましたが、UMUの「企業証明書」機能により個人の社内認定状況が一目で分かるようになっています。また、組織全体の管理についても、Excelへデータを貼り付けるだけで最新化できる仕組みを構築しました。これにより、社内点検などにかかる工数を約50%削減することに成功しました。

 

また、設計面でも、羽田・成田の各空港で先行して作成した、共通化を意識した教材を他空港でも活用する流れができ、独自教材作成の手間が省け、グループ全体での教育の均質化が実現しつつあります。

4. 今後の展望・ビジョン

空の安全を支える「学び」の進化──次なるフェーズへ

 

── 最後に、今後の展望やUMUへの期待についてお聞かせください。

 

田淵さん:JALグループは今後、空港現場における対象教育を増やしていくほか、学習以外の安全啓発などへも本プラットフォームの活用を拡大し、社員一人ひとりの継続的な成長、フライトの安全・安心を支える仕組みづくりを推進します。こうした取り組みを通じ、引き続き高い基本品質と生産性に貢献できる人財・教育の深化を目指してまいります。

 

また機能面では、「データ活用の民主化」を進めたいと考えています。現在は我々教育訓練部がデータを管理・分析していますが、このデータを各現場のリーダー層も自由に閲覧・活用できるようにすることで、よりスピーディな指導や改善につなげていきたいですね。そのためには、管理権限とデータ閲覧権限を柔軟に分離できる機能など、UMU側のさらなる進化にも期待しています。現場からの要望についてはUMU社と密に連携を取りながら改善を続けていきたいです。

 

UMU 活用POINT!

  1. 全体像からの逆算設計(Learning Design)
    約14,500名規模の移行を短期間で成功させた鍵は、ツール導入前の「設計」にありました。既存教育を因数分解し、重複を排除して再構築するプロセスを経たことで、手戻りを防ぎ、効率的なコンテンツ開発を実現しました。

 

  1. 「企業証明書」と「データエクスポート」のハイブリッド管理
    航空業界特有の厳格な受講記録管理に対応するため、UMU内の「企業証明書」機能で個人の認定状況を可視化しつつ、組織全体の集計はExcel連携で行う仕組みを構築。アナログな確認作業を廃止し、管理工数の大幅削減と社内点検の迅速化を達成しました。

 

  1. マイクロラーニングによる「学習行動」の変容
    約1,700本の動画教材を用意し、「分からない時にすぐ調べる」というJust-in-Timeに復習できる環境を提供。動画の平均再生数が1.5回を超えるなど、自律的な学習文化の醸成が進んでいます。
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    UMU(ユーム)は、2014年にシリコンバレーで誕生し、現在では世界203の国と地域で100万社以上、日本では28,000社以上に導入されているグローバルAIソリューションカンパニーです。AIを活用したオンライン学習プラットフォーム「UMU」を核に、学術的な根拠に基づいた実践型AIリテラシー学習プログラム「UMU AILIT(エーアイリット)」、プロンプト不要であらゆる業務を効率化する「UMU AI Tools」などの提供により、AI時代の企業や組織における学習文化の醸成とパフォーマンス向上を支援しています。従業員が自律的に学び、AIリテラシーを習得・活用することで業務を効率化し、より創造的で戦略的な仕事に集中できる時間や機会を創出。これにより、企業の人的資本の最大活用と加速度的な成長に貢献します。