前月比の契約額最大275%増!先輩・後輩のペアワークで入社3年以内の若手を強化

2020年2月にUMUを導入した株式会社マイナビは、900近いコースを設計し、研修で活用してきました。2023年、自社の新商品の販売を拡充するため、抱えている課題を解決するために、モデル学習実践練習を実施しました。具体的な実施内容やその成果についてうかがいました。

 

※2024年2月開催「Performance Learning Summit 2024」にてご講演頂いた内容を基に記事を作成しております。

講演登壇日:2024年2月22日(木)

講演タイトル:契約額を倍増させた販促施策 ~パフォーマンスラーニングによる営業成果~

登壇者:株式会社マイナビ 事業推進統括事業部 転職情報事業推進統括部 人材開発部 人材開発課 課長 菊池 麻里奈氏

 

 

企業情報

会社名:株式会社マイナビ

設立:1973年8月15日

代表取締役 社長執行役員 :土屋 芳明

所在地:東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号

資本金:21億210万円

URL:https://www.mynavi.jp/

 

UMU導入4年目で感じる育成の課題

UMUを導入してから2024年2月で4年が経ちます。

4年間活用するなかで、’’UMU上の課題’’、’’商材としての課題’’という2軸の課題が見えてきました。

 

まずUMU上の課題は、インプットのコースが多く、受講者が積極的に何かを身に付けられる環境になっていないということです。4年間で約900のコースを設置し、実施してきました。しかし、誰がどのコンテンツを視聴したのか、またそのコンテンツがどのような効果を与えたのかなど、効果測定ができていませんでした。

 

商材としての課題は、2023年6月にリリースした新商材の拡販があまりうまくいっていなかったことです。特に入社3年以内の若年層が、お客さまに提案ができていませんでした。その理由を深掘りすると、商品の理解ができていないため、メリットを理解できていないことがわかりました。また、提案のためのトークの練習機会もとれていませんでした。全体に向けての説明会などは実施していましたが、営業マネージャーはプレイングマネージャーとして営業活動を行っているため、練習に時間を割くことができていなかったのです。商材部門からも相談を受けていました。

 

これらの課題から、入社3年以内のメンバーをターゲットに、商品の理解と実践練習をUMUを活用して進めていくことにしました。

 

 

入社3年目以下へ向けた、新商材拡販に向けた取り組み

対象を入社3年目以下に絞りましたが、それでも全国的に一気に推し進めることは難しいと判断しました。そこで、UMUの利用頻度が一番高い、一部の営業統括の入社3年目以下に絞って展開し、実施結果を得たうえで全国の営業組織に波及させていくことにしました。

 

今までインプットでの活用が多かったUMUに、アウトプットのコンテンツができても、現場は混乱してしまうだろうと懸念したためです。また、新卒の新入社員に関しては、動画のアウトプットコンテンツも多く取り入れて研修を実施していたため、受け入れられやすいと考えました。

 

今回の施策の目的は大きく3つありました。

1つめは、UMU内でアウトプットのモデルコースを作ることです。UMUでアウトプットもできるというインパクトを与えたいと考えていました。

2つめは、新商材の提案ができるようになることです。

3つめはコースの学習の効果測定を行うことです。

この3点を目的に、実際にUMUのコース化を実行していきました。

 

 

商材・ロールモデルを理解した上で行う、アウトプット中心のコース設計

コースの中身は、下画像キャプチャーのように作り、約1ヶ月のサイクルで回してもらいました。まず受講前の準備を行い、商材を理解し、販売実績の多い社員のロールプレイを見てもらいます、その後に実践練習を行って受講後の状態確認を行うのがコースの流れです。

 

その他の設計としては、1番上にコース概要や受講方法を説明する動画を5分程度で作って入れました。今までインプットが多かったため、どのようにアウトプットするのか、なぜアウトプットのコンテンツを入れたコース構成になっているのか、納得して受講してもらうためです。

 

「関連リンク」に、新商材の企画書やお客さまにお渡しする資料を載せています。

また、受講前アンケートや、この商材に関する説明書も掲載しています。

 

「ロープレ例」には、企業カルテと動画を1セットにしたものが入っています。

このロールプレイングは、1回の商談のすべてではなく、トークの一部分です。その後、トレーニング動画を提出し、最後に受講後のアンケートに答える構成になっています。

 

 

ロールプレイングは、現場の販売実績の多い社員に動画を撮ってもらい、わかりやすいように字幕をつけました。

 

さらに「チェックモード」を利用して、すべてを段階を追って理解したうえで動画を提出してもらう仕組みを作りました。

 

 

アンケート機能を活用した意識変容と行動変容の測定

コースの受講前後にアンケートを実施していることがポイントです。

これにより、課題のひとつである効果測定について解決に繋がると考えています。意識変容や行動変容など、売り上げに直結しない、数値化されない部分を測定できるのです。

UMUの方からアドバイスをいただいて設置しました。

 

 

ゲーミフィケーション要素を取り入れたペアワークでフィードバックの体制を整備

 

今回の取り組みの肝は、アウトプットの強化です。

メンバーがアウトプットすることも大事ですが、それに対するフィードバックの体制を整備することにより、効果的な育成が可能になると考えました。

 

アウトプットの際は、ペアワークで実施してもらいました。UMUの動画では個人練習ができる機能も充実していますが、フィードバックが重要だと考え、体制を整えました。今回実施した中国・四国エリアでは、3年目以下の後輩チームと、4年目以上やマネージャーの先輩チームでペアを作りました。

 

 

2人1組でゲーミフィケーションの要素を取り入れ、UMUの動画採点機能を使い、1番高評価なチームには景品を用意しました。1位を取るためには、後輩がより良いロールプレイングを行う必要があります。先輩社員が指摘をしながら、最も良いロールプレイング動画を提出してもらいました。

何度も練習したり、事前にトーク内容を打ち合わせたりと、動画提出の段階で複数回練習を行っているようでした。

「お客さまに言われたことに、どのように対応するか」などのトーク例も含めて、商談形式でのロールプレイを実行できました。実際のお客さまを想定してロールプレイングを行うケースもあったようです。

 

ゲーミフィケーションの要素を取り入れたことで、先輩側も後輩と一緒に頑張ろうと思えるよう、意欲醸成を行っていきました。

また、拠点が異なる先輩後輩がペアになり、同じ支社・エリアではなくても遠隔でできるということがわかりました。自分の支社にいる先輩だけではなく、他の拠点の先輩からも学べることは、より視野が広がるのではないかと思います。

 

また、下画像右側の「相互採点」は、提出してもらった動画に対して、先輩チームも後輩チームも自分たちが提出した以外の動画を視聴してコメントしたものです。部長クラスのエリア責任者も、すべての動画を閲覧して「ここをもっとこうした方がいい」「ここはすごく良かった」などのコメントをもらうようにしました。

コメントをもらうことによって、表現の引き出しが増えたり、客観的な気づきを得られたのではないかと思います。

 

さらに他の人の動画にコメントすることによって、自分以外へのフィードバックからもさらに学ぶことができました。これも非常に良かったと思っています。上位職の社員が積極的にコメントをしてくれたことによって、より活発に行われた印象があります。

 

全体の85%が行動、教える側がより学びを得る結果に

実施前後のアンケート内容について簡単に紹介します。

 

商材に対する理解度に関しては、受講前と比べて受講後は先輩後輩ともにスコアが向上しました。

特に先輩チームの回答の伸びが顕著でした。教える側の先輩たちが、教えるためにより知識を身に付けなければいけない、理解を深めなければならないと考えたのだと思います。

そして、全体の85%が学んだ直後に行動に移せていることがわかりました。

 

「何があれば、より新商材の提案のイメージがわきますか」という質問に対し、「自己練習できる場があること」「わからないことがあった際に質問できる場があること」という項目が実施後大きく伸長していました。

これらの結果から、インプットだけではなくてアウトプットできるコンテンツ、質問ができるコンテンツが必要なのだと気づきを得ることができました。

 

 

実際に取り組みを行った受講生たちからは、「これまであんまり自信がなくて、提案できなかった。けれども、やってみたことで自信になって提案先が広がった」「今まで10社中1社程度しか提案できなかったのが、3社程度まで増加した」といった意見が、特に後輩チームから挙がりました。提案機会の増加に繋がっているのです。

 

また、マネージャーも含めた先輩チームからは「アウトプットが練習できて良い」「ロールプレイング後、商談で発揮して受注に繋がった」などの声がありました。実戦練習の大切さを感じたのではないでしょうか。

 

 

業務時間が91時間から半分の45時間まで短縮

UMUの活用により、業務時間の削減にも繋がっていると感じています。

 

今回の取り組みについて「各課のマネージャーが実施した場合どれぐらいの時間かかりそうですか」と、現場の部長に聞いたところ、おそらく91時間程度かかるだろうとのことでした。それが、UMUを活用したことによって45時間で実施できています。約半分になっているのです。

 

当社のマネージャーはプレイングマネージャーであることが多く、自身も営業活動しながら部下のマネジメントも行うことは大変です。マネージャーの時間を39時間から13.5時間まで、約3分の1も削減することができたのは、大きな成果といえます。

 

 

売上に大きな変化、前月比の契約額最大275%増、契約社数2倍

売り上げに関しても好影響が出ています。

 

コースを始めたのは10月初旬です。1週目から受講を始め、動画視聴、動画提出、相互コメントまで、約1ヶ月間で実施しました。

10月は実施期間中だったということもあり、契約社数は全国平均と同等もしくはやや下の成果でした。それが、11月、12月と、非常に伸長しました。全国平均を下回ってしまうこともあった組織が、2ヶ月連続で全国1位になったのです。人数が多い統括組織ではないにもかかわらず、人数の多い統括組織よりも販売できたことは、非常に大きな成果でした。

 

契約額で見ても、10月から11月にかけて275%の成約増でした。11月は過去最高売り上げとなり、12月はさらにそれを更新しました。売り上げという成果が出たことは、私たちにとっても嬉しいことです。

 

研修が、行動変容には繋がっても売上成果に結びつかないことは多々あります。商材という具体化されたものに対して、施策を細かいスパンで実施し、フィードバックを受けることが、成果に繋がったのではないかと考えています。

 

実施エリアの組織長からは「ロールプレイングをすることで一律で商材理解ができて時間短縮に繋がった」とコメントがありました。説明会で一方的に話すだけでなく、全員がロールプレイングをすることによって商材理解が深まったのです。実戦形式で理解できたからこそ、すぐに提案に活かすことができ、提案数や受注の増加に繋がりました。

また、同組織長から「理解しているだろうと思っていたマネージャーが、実は理解が足りていなかったということがわかりました」というコメントもあり、新たな課題の発見にも繋がりました。今後は、マネージャー育成にも注力をしていきたいと考えています。

 

 

総合的な成果|契約社数は2倍以上、契約額は約3倍に伸長

UMU上の課題として、インプットのコースが多いことがありました。しかし次第に動画投稿を始め、他者が提出した動画に対してもコメントするようになり、アウトプットのコンテンツとして、非常に良い効果を得られたと実感しています。

これまではアウトプットのコンテンツがほしいという要望はありませんでした。しかし、実際に使用してみて、半数以上の人がアウトプットは大事だと意識が変容したようです。

アウトプット強化によって受講者の行動変容が見られ、残業時間の削減や、提案率や最終的な受注成果の増加など、効果があるとわかりました。

 

また、受講後の効果測定ができないことも課題でした。アンケートの設計を工夫することによって、行動変容や意識変容など数値化できないことも測定できるようになりました。

 

新商材の拡販がうまくいっていないという課題については、コースを実施したエリアにおいて、契約者数は2倍以上、契約額は約3倍に伸長しました。

課題であった若手だけではなくマネージャーの販売が顕著に伸びたことから、今後このコースを全国に波及させていくことによって、一石を投じられるのではないかと期待しています。

 

商品理解に関しても、受講後のアンケートで93.3%の人が「理解できた」と回答しています。

 

 

他エリアからも受けたい声多数、別商材でも展開できるようモデルケースへ

今回の取り組みをモデルケースとして、他の商材にも広げていきたいと考えています。

 

商材に関しては、他のエリアでもやってみたいという声があり、100人以上がこのコースに参加して視聴しています。

アウトプットに関しても、現場から取り組みたいという意見があり、各現場に合わせて実施しています。コースとして存在することによって、どのエリアからでも、いつでも実施でき、横展開が簡単にできました。

 

今回はプロダクト担当者から相談を受けてコースを設定しました。営業担当者がどのようなトークを展開しているのか、お客さまからどのような返答をもらっているのかなど、プロダクト担当者がロールプレイングを見ることによって、実際の現場を知ることにも繋がりました。

そして、今後どのような営業資料が必要かなど、プロダクト担当者による課題解決に取り組んでいけるのではないかと思います。

 

動画提出はハードルが高い、恥ずかしいなどの意見は出てくるかと思います。個人ではなく、ペアで行うことで、心理的な抵抗感を減らせました。全体を巻き込んで施策を実行したことが成果に繋がったのだと考えます。

 

今後、UMU内だけではなく現場でもナレッジやノウハウのシェアが広がっていくと、より良いと思っています。

 

 

講演に対する質疑応答

 

-テクノロジーやテクノロジーや人材育成の施策を導入する際、効果が見えないなかでも、社内の関係者を説得するために意識されていることはありますか。

売上の前の行動変容の部分がなぜ重要なのか、できるだけ経営者と同じ目線に立てるようにしています。

 

-部長クラスの方を巻き込むにあたり、工夫したポイントはありますか?

UMUに対して良い印象を持ってもらうことが大事だと考え、UMUへの理解があった部署に優先的に持ちかけました。エリアの課題感を先にヒアリングし、そのなかで新商材の話が出てきました。

 

-新しい施策を実施する際、現場からの反発が起こらないようにどのような工夫をされましたか?

なぜアウトプットが重要なのか、学術的な観点から説明しました。また、現場への寄り添いが大切だと考えています。動画として格納して見てもらうというかたちなので、語りかけることを意識しました。

 

-売上の貢献が非常に高いですが、社内での反応はいかがでしたか?

部長陣は驚いていました。自分の部署でもやりたいという意見もありました。

 

-アウトプットの観点以外で、UMUを導入して良かったと感じた点はありますか?

各種研修の、事前、当日、事後で活用し、事前にインプットできることが良かったです。また、他の研修でもコンテンツを使いまわせること、任意の視聴コンテンツを作れること、営業現場のナレッジを投稿してもらえることなど、いろいろあります。UMUに相互に入れることによって、各チームの垣根を超えられました。

 


 

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