パフォーマンスラーニングで UMUを活用したライセンス取得講座のリ・デザインのポイント

人材育成や組織開発、教育研修支援等を展開している株式会社ビジネスコンサルタントは、2018年からUMUを活用しています。

パフォーマンスラーニングの考えに基づいて、研修をリ・デザインしたことで、一定の成果に繋げることができました。

今回は、ツールやノウハウのライセンス化にUMUを活用した事例などの紹介をしていただきました。

 

本記事は、2024年2月開催「Performance Learning Summit 2024」にてご講演頂いた内容を基に記事を作成しております。

講演登壇日:2024年2月22日(木)

講演タイトル:社内トレーナーとしての実践力を高めるためのライセンス取得講座リ・デザイン

登壇者:

LPSカンパニー マネジャー 鵜飼 裕志氏

LPSカンパニー 蘇 文怡氏

LPSカンパニー 坂野 彩理氏

 

 

企業情報

社名:株式会社ビジネスコンサルタント

本社所在地:東京都千代田区神田相生町一番地 秋葉原センタープレイスビル 8F

資本金:4億1,000万円

設立年月日:1964年(昭和39年)2月24日

ホームページ:https://www.bcon.jp/

 

 営業部門の情報共有、全社オンボーディングプログラム、社内トレーナー養成支援など幅広いシーンでUMU活用

 当社では、UMUを活用して、いつでもどこでも学習が可能な環境を提供しています。これにより、情報共有や人材育成に成果を挙げています。

 

 

具体的には、営業部門の情報共有・人材育成ツール、全社のオンボーディングプログラムのほか、社内トレーナー養成支援の運営ツールなどにUMUを活用しています。

 

営業部門の情報共有・人材育成ツールとしては、業界に関する知識や当社の商材などのソリューションに関する知識などの学び、確認テストを提供しています。

また、UMUの機能を使って、定期的にAI を活用したロールプレイング大会「天下一武道会」を実施しています。「天下一武道会」で優秀だったロールプレイング動画を、次年度以降の新人教育などの教材として配信しています。

 全社のオンボーディングプログラムとしては、UMUで自己学習できるコンテンツをそろえています。入社後、各部署の紹介動画を見たり、社内の業務について学んだりできます。

社内トレーナーの養成支援ツールとしては、お客様組織内の社内トレーナー養成のためのサービスをオンライン化し、協調学習・自己学習・事後閲覧コンテンツを配信し、研修運営で活用しています。

 

UMUを活用した社内トレーナー教育

 

 

お客様にサービスとして提供している教育の内製化支援として、社内トレーナーの養成をUMUを活用して行っています。

お客様組織内の社内トレーナーは技術や専門知識の教育だけでなく、ヒューマンスキルやコミュニケーションスキルを向上させるために、階層別やテーマ別の教育を自社で実施しているケースも多くあります。

そこで、当社コンサルタントが60年間でブラッシュアップしながら使ってきたツールや理論ノウハウをプログラムとして構築し、お客様組織内の社内トレーナーに「ライセンス」として提供することで、社内教育の質の向上をご支援しています。

社内コミュニケーションの促進、共感力ある管理職の人材育成、イノベーションといったテーマに合わせてプログラムを準備しています。

あわせて、社内トレーナーに対して、プログラムの提供だけでなく、インストラクションスキル、フィードバックスキル、ファシリテーションスキル習得も目指しています。

 

新人が3ヶ月で1,000万の契約を取った社員育成

 

 

当社は2018年より新入社員の早期戦略化のためにUMUを活用していますが、2019年度の新入社員32人中、10人が3ヶ月間で仕事を受注しました。受注件数、受注金額ともにトップで3件受注したHさんは、学習ランキングでもトップでした。(書籍「パフォーマンスラーニング」書籍で紹介されました)このように、UMUで積極的に学習した社員と業績に相関が見られた取り組みでした。

 

「社内トレーナー養成支援」の概要と課題

 

 

当社は、お客様組織内の社内トレーナーを養成するための研修として「プログラムライセンス取得講座」というものを行っています。

これは、当社コンサルタントが長年にわたって活用してきた理論や、ツール、プログラムを展開できるような、社内トレーナーを養成する講座です。

トレーナーとして必要なインストラクションスキル、フィードバックスキル、ファシリテーションスキルなどの習得を支援しています。

 

 

ライセンス取得講座を運営するうえでの課題が大きく2つありました。

1つめは、受講者が実践力を身に付けられる場が限られることです。集合形式では、講座内容の復習、練習する回数やフィードバックを得られる回数が限られていました。

2つめは、事務局の事務作業コストです。知識の定着度を確認するテストを紙で実施していたため、その集計に手間がかかっていました。

この2つの課題をパフォーマンスラーニングの考えに基づいて、UMUを活用しながら研修をリ・デザインし、解決しました。

 

UMUを活用したライセンス取得講座のリ・デザインのポイント

 

 

従来は、3〜5日間程度の連続日程で集合研修を実施し、事前事後課題まではできていませんでした。

そこで、UMUを活用して、次の5つのポイントを踏まえながら研修の再設計をしました。

 

1つ目のポイントは、協調学習と自己学習をバランスよくデザインすること、

2つ目はマイクロラーニングを活用して自己学習ができるようにすること、

3つ目はインプットだけではなくアウトプットの機会をより多く設けること、

4つ目は間隔を空けた繰り返し学習にすること、

そして5つ目は自己学習の中でも相互学習ができる要素を多く取り入れることです。

 

上図の右側が現在オンラインで実施している新しい研修設計です。

各回3時間ずつ 、4〜5日間ほどで実施しています。毎週または隔週で行い、1〜2ヶ月間かけて、複数回に分けて実施しています。

受講者は、UMUで配布される事前・事後課題にも取り組んでいます。

 

 

協調学習と自己学習によるライセンス取得講座

 

 

上図は、当社のライセンス取得講座の全体の流れをまとめたものです。

 

事前に事務局が受講者(社内トレーナー)と面談し、事前診断を案内します。

講座後には、事務局から個別フォロー面談や問い合わせ対応を行います。

 

図の青色は協調学習を示しています。当社のコンサルタントがオンラインで講義し、自己学習の振り返りや、疑問に対する回答を行っています。協調学習のメインはチーム実習やインストラクション練習で、受講者が研修を行うためのトレーニングをします。

また、協調学習と協調学習の間に自己学習の期間を設けています。例えば、模範のインストラクションの動画を見た後に、実際に自分でカメラに向かって講義を行う練習をします。

インストラクション動画の提出後は、受講者士や事務局からのフィードバックがあります。

 

ライセンス取得講座のコース設計の詳細

 

受講者が自分のUMUにログインすると、上画像のようなライセンス取得講座に関する学習コンテンツがあります。

 

 

日ごと・回ごとに分けてコンテンツを掲示して、受講者が迷わないように設計しています。

 

 

ライセンス取得講座のコースを開いていくと、協調学習の案内や、事前課題、事後課題、個人ワーク、インストラクション練習の動画提出ボックスなどがあります。

 

 

UMUでZoomのURL情報を入手して協調学習に参加したり、自己学習の時間に個人検討課題について案内文を読んで自分のコメントを入力したりします。

事前に提出した個人検討課題について、協調学習の時間にチームのメンバーたちと討議し、事務局スタッフからの解説を受けます。

 

 

インストラクション動画の場合、受講者は模範動画を見て、テーマごとに復習します。

 

 

復習後に、スライド資料と、社内トレーナーとして社内で実際に講義する際に必要なキーワードを見てから、UMUで自分のインストラクションの様子を撮り、投稿します。

 

 

投稿後、AIの分析が出ます。AIがレーダーチャートで6つの指標についてフィードバックしてくれます。どのようなキーワードを何回言ったか、どのような内容を話したかを確認することができます。

受講者は様々なフィードバックを受けて、インストラクションスキルを高めます。チームで互いの動画を見て、良かったところや改善した方がよいところ、気になったところを指摘し合ったり、「いいね」をしたりします。スタッフからも音声のコメントを受けられます。

 

迷わず学習できる研修案内

 

 

今回、当社はUMUを活用して研修をリ・デザインしました。研修案内ページに、受講者へのZoomのURLの連絡や、事前・事後課題の案内を掲載し、迷わずに学習できる動線を整備しています。

 

 

また、個人検討が可能な内容は、事前・事後課題(自己学習)の一部として取り組むことで、学習の効果を高めることができました。

さらにインストラクションの練習を重点的に実施して、社内トレーナーの実践力向上に繋げています。

 

UMUの活用により学習効果と運営効率が向上

 

 

UMUを活用して、研修の学習効果が高まりました。

インストラクションの練習回数は、UMU導入以前と比べると 3~4 倍以上に増加しています。

2019 年度まではおよそ70%だったテストの正解率が、2023 年度には95%になりました。

運営面では、事務作業の手間を削減できました。テストの集計がオンラインで瞬時に終わり、終了後にスムーズに問題解説に移ることができています。また、試験の実施データがUMUに残るので、受講者の回答傾向などを分析しやすくなりました。

 

「記憶定着しやすい」との受講者の声

 

多くの受講者から非常に高く評価されています。以下、受講者の声の一部を紹介します。

 

「インストラクション練習動画は撮り直しを何度も行い、練習を重ねることで、記憶定着しやすかった」

「子育ての合間に、インストラクションの練習ができたので、受講しやすかった」

「講座中から終了後まで復習できるので良かった」

「模範インストラクション動画や他の受講者の動画の再確認もできて、学び直しもしやすかった」

 

講演に対する質疑応答

 

-社内教育の一環としての、AI活用による営業教育は営業社員の抵抗や会社としての抵抗はありませんでしたか?

 

抵抗感なく取り組めるのではないかということで、デシタルネイティブ世代である新入社員育成から展開していきました。AI に対する抵抗はほとんどなく、逆に面白いと感じていたようです。そこでHさんのような結果が出たので、営業部隊全員が取り組むことになりました。

以前から、当社の営業部隊のキャンペーンなどをやってきたもののかたちを変えて、全営業部隊でイベント的にできたのが、成功した要素の1つです。

「天下一武道会」には新入社員から営業幹部まで全員がロールプレイング動画を投稿しています。AIからのフィードバックが全て正解ということではなく、カラオケの採点程度のニュアンスで捉えることで、定期的に動画の投稿を全員が行い、スキルアップしています。

 

 

-研修をリ・デザインすると決めてから新しい講座を開始するまで、どれくらいの期間がかかりましたか? 全体設計からUMUへの落とし込み、実装までどれくらいの時間がかかったのか伺えますか。

 

2ヶ月ぐらいかかりました。

お手本動画を作ったり、どこを協調学習にしてどこを自己学習として切り出すのかを考えたり、5つのポイントを踏まえて、社内でディスカッションしながら進めました。

受講者の声に耳を傾けながら、マイナーチェンジを繰り返しています。最初のころは、どのようなコースの提供が、受講者にとって受講しやすいか、迷わないかなど、探りの時間が必要でした。受講者にわかりにくかった部分をコツコツ集めながら、細かい調整を毎回行うことに注力しました。

 

 

-動画課題に対するフィードバックの質を担保するという観点で、事前にアナウンスしていたことなどありますか?

 

講座運営スタッフで手分けしてフィードバックしています。

基本的にはフィードバックの観点は受講者にも案内して行っています。

あわせて、2回目の担当者は、1回目のフィードバックを踏まえてフィードバックします。そうすることで、2回目、3回目とフィードバックする担当者が交代しても、受講者はフィードバックを受け入れやすくなります。

 

 

-社内の教育で、積極的に社員が参加してもらうための施策や仕組みがあれば教えてください。

 

当社のLPSカンパニーという部署には複数の商材のチームがあり、互いの知識を勉強し合うために、毎日テストを1本ずつ配信しています。

 

 

1ヶ月経った後に、総復習クイズをランダム形式で提供しています。

自分の担当部署だけでなく、知識の幅を拡げることができます。

 

 

継続実施する中で、受講者から他のサービスを学習する機会が欲しいという声が挙がったことがきっかけです。当初はマネジャーたちが問題を作って配信していました。今は、学習者が自分たちで調べて問題と解説を作成し、配信しています。

また、営業部隊は、エリアごとに自分たちで今必要な学習コースを作って学びを深めています。

UMUでは、本社本部で決めたことを現場に伝えるだけでなく、現場に必要なことを自分たちで考えて実践する学習の仕掛けができます。

 

 


 

大手企業様をはじめとして、全社学習プラットフォームの活用、営業教育、新入社員教育等、様々なシーンでUMUをご利用いただいております。

Webでは公開していない情報も含めて、一つの事例に対し、1スライド形式でわかりやすく解説した事例集をご用意しております。是非事例集も合わせてご覧くださいませ。

 

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