Performance Learning Award 2025 開催レポート(ダイジェスト版) 「学習を、成果に変えた先駆者たちへ。」各業界のトップリーダーたちが証明した、人的資本経営の実践

 

【速報】次なる知見の共有の場へ:「Performance Learning Summit 2026」開催決定

 

本アワードで発表された優れた取り組みの知見をさらに広く共有するため、「Performance Learning Summit 2026」の開催が決定いたしました。最優秀賞を受賞されたパーソルキャリア株式会社様をはじめ、各カテゴリー賞の受賞企業が登壇し、学習を成果に変える具体的な実践手法と、人的資本経営へのインパクトについて深掘りします。最先端のラーニングデザインを学び、自社の組織変革を加速させるためのヒントを得る絶好の機会です。
ぜひご期待ください。

 

 

 

開催概要とハイライト

ユームテクノロジージャパン株式会社は、2025年11月26日(水)にヒルトン東京にて「Performance Learning Award 2025」 を開催しました。

開演前から、ファイナリスト16社の取り組みをまとめたポスターセッションやAI Chatbot体験ブースには多くの人が立ち寄り、学習を成果に直結させた成功事例への知的な探求心に包まれていました。

3回目の開催となる今年のアワードは、「学習を、“成果”に変えた先駆者たちへ。」をテーマに、AI・テクノロジーの力を最大限に活用し、学習を企業の業績や経営インパクトに直結させた優れた取り組みを表彰する一日となりました。

 

 

イベント情報

  • イベント名: Performance Learning Award 2025
  • 開催日時: 2025年11月26日(水)
  • 会場: ヒルトン東京
  • 目的: 学習を企業の業績や経営インパクトに直結させた優れた取り組みを表彰し、その知見を社会に共有すること。

 

プログラム

オープニング基調講演

松田 しゅう平(ユームテクノロジージャパン株式会社 代表取締役)

  • テーマ: AI時代に成果を上げるパフォーマンスラーニング

オープニングに登壇した松田しゅう平は、パフォーマンスラーニングの理論的背景と、AIがもたらす変革の可能性について講演を行いました。

多くの企業が抱える「研修は実施したが、現場の行動は変わらない」というジレンマに対し、松田はパフォーマンスラーニングこそが解決策であると強調。その核心は、「練習」を通じた行動変容の科学にあります。知識をインプットするだけで終わらせず、学習した内容を繰り返し実践する「練習」によって、知識を「筋肉」に変え、最終的なビジネス成果へとつなげるプロセスが不可欠なのです。

そして、生成AIは、この練習環境を劇的に変えました。人間ではリソース的に不可能だった「安全な環境での無限の反復練習」と「即時的で客観的なフィードバック」を可能にし、学習者が実践的なスキルを効率よく身につけられるようになりました。

AIが普及する時代、企業が競争優位性を維持するために不可欠なのは、AIを単なるツールの代替としてではなく、人間の能力を拡張する強力なパートナーとして活用する「拡張知性(AIリテラシー)」の育成です。今回のアワード受賞事例は、AIに定型的な業務を任せ、人が複雑な対人関係や創造的な思考といった、人間固有の活動に注力するハイブリッドな協業を通じて、人材育成の質と効率を最大化できることを示していると締めくくりました。

 

 

カテゴリー賞① 表彰式と事例登壇

【ビジネスインパクト賞】

  • 外部審査員紹介: 永島 寛之 様
  • 受賞企業:

トランスコスモス株式会社

  • タイトル: 『事業所トレーナー研修』による価値創出
  • 取り組み概要: 早期退職率改善と年間3,000万円の採用教育費削減を目的に、全国のトレーナー研修をアウトプット中心の体験型へ転換しました。AIやEラーニングを活用した自律学習支援と伴走型フォローで、現場への定着を促進しました。
  • 主な成果: この取り組みにより、早期退職率は平均2.8%の改善を実現し、採用教育費は当初目標を上回る2025年第1四半期で2,500万円の削減に成功しました。
  • 受賞理由: 属人的な指導文化から体験型・アウトプット中心の研修へと大胆に転換し、退職率の改善と採用教育費の削減という明確なビジネスインパクトを創出した点が決定打。学習効果とビジネス成果を高い次元で両立させた実践例として評価されました。

 

  • 受賞企業:

一般社団法人日本血液製剤機構

  • タイトル: “アウトプットを促す文化の創造” 知識定着とスキル向上/行動変容への道筋
  • 取り組み概要: MRによる医療関係者への正確な情報提供活動を推進するため、発声を伴うアウトプット練習の環境を整備しました。心理的安全性の担保や練習するMRの称賛を通じて主体的な取り組みを促進し、活動の質の向上とアウトプット文化の醸成を目指しました。
  • 主な成果: 業務効率の改善に寄与するとともに、重点活動項目の活発化や活動の質の向上という形で、主体的なアウトプット文化の醸成に成功しました。
  • 受賞理由: 学習範囲をあえて限定し心理的安全性を確保するというユニークな視点が評価されました。ベテランMRのサポートと学習プラットフォームを組み合わせるハイブリッドなアプローチで、主体的なアウトプット文化を醸成し、活動の質の向上という成果につなげた点も素晴らしいです。

 

【AIトランスフォーメーション賞】

  • 外部審査員紹介: 神田 昌典 様
  • 受賞企業:

ヤマト運輸株式会社(事例登壇)

  • タイトル: 「安全第一、営業第二」次世代へつなぐ持続可能な安全教育モデル
  • 取り組み概要: 企業理念を継承するため、属人化していた指導スキルを解消し、指導品質の向上を目指してUMUを導入しました。「安全指導者スキル検定」のプロセスにAI評価を組み込み、ノウハウを形式知化・標準化し、全国展開を可能にしました。
  • 主な成果: この仕組みにより、指導者評価にかかる時間を1人あたり6時間から30分に激減させ、評価工数を大幅に削減しました。また、特定の担当者に依存しない、強固で持続可能な安全教育モデルを確立しました。
  • 受賞理由: 企業理念をAIの力で次世代に継承する、教育の本質を突いた取り組みでした。AI評価の導入で指導者評価時間を6時間→30分に劇的に短縮し、ノウハウの形式知化を実現した大規模オペレーションにおける先進事例として絶賛されました。

 

  • 受賞企業:

明治安田生命保険相互会社(事例登壇)

  • テーマ:AIを活用した明治安田生命の育成「大」改革
  • 取り組み概要: 優秀人財増加を目標に、個別最適な教育不足やインフラの未熟さといった課題を解消するため、育成体制を抜本的に改革しました。UMUによる教育インフラの刷新とAI Chatbotを活用した販売話法訓練を強化し、「個別最適化された学習」を実現しました。
  • 主な成果: 標準的な業績達成者は年間を通じて昨年を上回る水準となりました。
  • 受賞理由: 大規模組織において、AI Chatbotによる話法トレーニングやレベル別カリキュラム配信など、学習者のUI/UXを追求し、「個別最適化された学習」を実現している点が高評価でした。優秀人財増加という行動変容までをトレースした姿勢が優れた手本として評価されました。

 

カテゴリー賞② 表彰式と事例登壇

【パフォーマンスラーニングデザイン賞】

  • 外部審査員紹介: 中村 祥子 様
  • 受賞企業:

内外テック株式会社

  • タイトル: 半導体人材の創出を“人的資本投資”で実現するオンボーディング戦略
  • 取り組み概要: エンジニア不足の課題に対し、次世代半導体人材育成プラットフォームを開発しました。座学ではAIチャットで知識習得を効率化し、さらにVRやMR技術を用いた実践的なトレーニング環境も構築中であり、高いスキルを持ったオープンクラスター集団への変革を目指しています。
  • 主な成果: AIを活用した知識習得の効率化を実現しており、VR/MR技術を用いた実践トレーニング環境を構築しています。
  • 受賞理由: テキストや座学だけでは習得が困難なエンジニアリング領域において、VR/MRといった新しい学びのテクノロジーを積極的に取り入れようとする先進性が評価された。業界全体の課題解決に向けたオープンな取り組みで、学習デザインの未来に大きな可能性を感じさせる点が受賞に繋がった。

 

  • 受賞企業:

三木市教育委員会

  • テーマ/内容: 「新しい気づきがあった」100%達成!三木市 教員研修DX
  • 取り組み概要: 教員の多忙化と孤立化という課題に対し、認知科学に基づくマイクロラーニングとオンラインコミュニティを活用しました。「学びにアクセスしやすく、実践につながる」研修モデルを構築し、「振り返り」と「目標設定」を組み込むことで行動変容を促しました。
  • 主な成果: 最新のプログラムで「新しい気づきがあった」という回答を100%達成し、多くの教員が授業で実践するなど行動変容につながりました。
  • 受賞理由: 公教育における教員の負担増という深刻な社会課題に対し、学習の科学とテクノロジーを活用して取り組んだ点が高く評価されました。多忙な教員がアクセスしやすい学習設計とナレッジシェアの仕組みは、多くの企業にとっても再現可能な優れた学習デザインの事例であると絶賛されました。

 

 

【スケーラビリティー賞】

  • 受賞企業:

日本航空株式会社(事例登壇)

  • テーマ/内容: 旧来型教育からの一斉転換のポイントとデータ活用による管理業務効率化について
  • 取り組み概要: 旧態依然とした教育体系と紙ベースの管理業務という課題に対し、UMUを短期間で全社一斉導入しました。教育内容をモジュール型に再構築するとともに、UMUの機能を活用した資格・受講管理フローを設計し、全社的な教育変革を推進しました。
  • 主な成果: OJT記録不備がなくなり、月3人日分の点検作業工数を削減しました。また、資格管理にかかる工数も半減し、多拠点での均質な教育が可能となり、社員の自己学習文化が定着しました。
  • 受賞理由: 数万名規模の社員が在籍し、厳格な管理が求められる中で、紙ベースの旧来型教育からデジタルプラットフォームへの移行を短期間で垂直立ち上げした実行力が評価されました。資格情報の管理効率化や工数削減という具体的な成果は、教育DXの参考となる再現性が高い事例です。

 

優秀賞・最優秀賞 表彰式と事例登壇

【優秀賞】

  • 外部審査員紹介: 谷本 有香 様
  • 受賞企業:

楽天生命保険株式会社(事例登壇)

  • タイトル: UMUとAIを活用した、代理店間での相互学習とオペレーション革新
  • 取り組み概要: 代理店のスキル習得や情報共有不足という多層的な課題に対し、UMUを学習にとどまらない「代理店支援プラットフォーム」として戦略的に活用しました。AIによるコンテンツ制作効率化、地域密着型営業部との連携強化、代理店コミュニティの設置により、学習・連携・情報共有を統合しました。
  • 主な成果: アクティブアカウント数が3.8倍に増加し、必須研修の期限内受講率が100%を達成、情報検索効率も5倍に向上しました。また、地域別の販売実績が42%向上するなど、明確な営業成果に貢献しました。
  • 受賞理由: 社内だけでなく、代理店を巻き込んだ多角的な展開が評価ポイントでした。UMUをつながりのハブとし、学びを「義務」から「誇りとつながり」に変える新しい学習文化を創り上げた拡張性が素晴らしかったです。

 

  • 受賞企業:

アステラス製薬株式会社(事例登壇)

  • タイトル: 顧客エンゲージメントモデルを核としたMRスキル変革~個の成長を組織価値へ~
  • 取り組み概要: MRの役割を「情報提供型」から「課題解決型提案」へ進化させるため、独自のスキル共通指標「ACE」を策定しました。これに基づき、AI分析を組み込んだ「学習→実践→可視化→フィードバック」の育成サイクルを約800名規模で実装し、組織的なスキル変革を実現しました。
  • 主な成果: MR全体のACE平均スコアが向上し、重点戦略製品の売上伸長に大きく貢献しました。また、属人性を排した再現可能な育成体系により、MRの役割が課題解決のパートナーへ進化しました。
  • 受賞理由: 「AIは人を置き換えるのではなく、成長を支える」という哲学を800名の大規模組織で実現しました。目指す人材像を明確に定義し、AIを活用した学習サイクルでスキルの可視化と高度なフィードバックを実現。再現性の高い育成体系を構築した先進性が評価されました。

 

【最優秀賞】

  • 外部審査員紹介: 守島 基博 様
  • 受賞企業:

パーソルキャリア株式会社(事例登壇)

  • タイトル: 人とAIを互いに活かし合うラーニングデザインで実現する「自ら考え、行動する」人材育成
  • 取り組み概要: 育成者の指導が画一的で新卒の成長が鈍化する課題に対し、AIに基礎的タスクを任せ、トレーナーを「問いかける存在」と再定義することで、人とAIの役割を最適化しました。成果重視の学習サイクルと3段階のハイブリッド演習を設計し、「自ら考え、行動する」人材育成を実現しました。
  • 主な成果: 新卒社員の顧客接点数が昨対比135%(※注1)、新人全体の生産性が昨対比107%(※注2)へと大幅に向上しました。さらに、5カ月間のオンボーディング期間でトレーナー工数を1,400時間削減(※注3)しました。
  • 受賞理由: 研修効果を最大化するため、人が担うべき領域とAIに託す領域を明確に整理し実践した点が革新的でした。「AIが人間性を拡張する」という現代のニーズに対応し、新人生産性107%向上(※注4)という確かな成果を出したことが決め手となりました。
    ※注1)注2)注4)入社後5カ月目、全国キャリアアドバイザー職配属の新卒社員の実績
    ※注3)預かり期間の5カ月の累計(40h×7名×5カ月)。工数削減内容:問い合わせ対応時間、研修実施、ロープレ実施時間の短縮

 

クロージング

UMUポイント発表・ランキング表彰

イベント中にも活発に利用されたUMUのポイントランキング上位者が登壇し、メダルの授与が行われました。これは、ラーニングサークルやインタラクティブなアウトプットが称賛されるパフォーマンスラーニングの文化の象徴となりました。

 

審査員総括

外部審査員の皆様からは、今回の受賞事例が示唆する、日本企業の人材育成における明確なパラダイムシフトについて、以下のような総評が述べられました。

 

・学習院大学 経済学部 経営学科教授 / 一橋大学 名誉教授 守島 基博 様

「今回のアワードで評価されたのは、一言で言えば『個別性、戦略性、そして双方向のコミュニケーション』です。マス型の教育ではなく、AIを駆使して一人ひとりのパフォーマンスにフォーカスして設計されている点、そしてそれが事業目標に直結する戦略性を備えている点が、日本の人材育成の未来に希望を感じさせます。学習は、強制から解放され、より人間的で目的意識の高い活動へと進化しているのです。」

 

・パブロス株式会社 代表取締役 神田 昌典 様

「AIによって、定型的な『教える』は確実に代替されます。しかし、今日の事例が示したのは、AIによって『人間の知性は拡張される』ということです。人間は、AIができない発信の部分や感情を伴う動機付けに時間を使い、喜びを持って学習に取り組むステージを築き上げるべきです。本日の受賞企業は、そのロールモデルを示しました。知識を一方的に教え込むのではなく、知恵やノウハウを相互に共有し、互いの力を高め合う『共育』の時代に突入していることを、強く実感しました。」

 

・Forbes JAPAN 執行役員 Web編集長 谷本 有香 様

「受賞企業の多くが、AIを導入したその先に、トレーナーや現場社員の役割を再定義しています。単なる効率化ではなく、人の価値をどこに置くのかを明確にしている点に、経営戦略としての深さを感じました。これは、人的資本経営の実現に向けた、非常に具体的で再現性の高いアプローチです。人材への投資が、これほど明確にリターンとして可視化され、学習がROIを高める時代になったことを証明しています。」

 

・中央大学 客員研究員/(一財)人的資本経営推進協会 理事 元ニトリホールディングス 理事/人事責任者 永島 寛之 様

「今回の事例で特に注目すべきは、学習サイクルの確立と共通言語化です。ハイパフォーマーの行動を分析し、それを組織全体で共有できる『共通言語』に落とし込んでいる。これにより、本社と現場が一体となって育成を推進し、組織的な能力向上を可能にしています。データとロジックが融合することで、日本の学習文化が大きく進化した瞬間を見た気がします。特に、『行動の可視化』に成功している点が、マネジメント層の意思決定を支援し、属人的な指導を排除しました。」

 

・伊豆市CIO補佐官 / 総務省地域情報化アドバイザー 中村 祥子 様

「JAL様やヤマト運輸様の事例が示すように、デジタル化の成功は、単にツールを導入することではなく、現場の課題解決と組織文化の変革に深く関わっています。特に、安全やコンプライアンスといった『守りの学習』をデジタル化することで、教育の均質化とリスク低減に貢献している点は、公共性の高い企業にとって非常に大きな示唆となります。人財育成が、企業全体のリスクマネジメントに直結する時代になったことを証明しています。」

 

 

学習を、組織の力へ

「Performance Learning Award」は、学習を単なる教育で終わらせず、企業の業績、そして組織文化そのものの変革へと昇華させた「先駆者」たちの知見が凝縮された一日となりました。本レポートで共有された成功事例が、皆様の組織における次の成長への具体的な一歩を後押しするものとなることを願っています。

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