【脳の学習領域を最大点に活用する】アクティブラーニングの力

現代の教育や企業研修において、アクティブラーニング(能動的学習)が注目されています。
従来の受動的な講義型学習と異なり、学習者が主体的に関与し、思考し、アウトプットすることで、知識の定着率や応用力が大幅に向上することが科学的に証明されています。
本記事では、アクティブラーニングを科学的根拠に基づき、その効果と取り組み方をお伝えします。
アクティブラーニングとは?
アクティブラーニングとは、学習者が受動的に情報を受け取るのではなく、自ら考え、議論し、問題解決に取り組む学習手法を指します。
具体的には、以下のような学習活動がアクティブラーニングに該当します。
・グループディスカッション(意見交換を通じた理解の深化)
・ケーススタディ(実際の事例をもとにした問題解決)
・ピアラーニング(学習者同士の相互教授)
・プロジェクトベース学習(課題解決型学習)
・即時フィードバックのある学習(リアルタイム評価)
・想起学習(積極的に思い出す学習)
・ロールプレイング(実際の場面を想定し、役割を演じながら学習)
・セルフエクスプレッション(学習内容を自分の言葉で説明しアウトプット)
・ティーチング学習(他者に教えることで自らの理解を深める)
これらの活動は、単に知識を覚えるだけでなく、実際の業務や日常生活で応用できるスキルを養うことを目的としています。
アクティブラーニングの科学的根拠
1.学習の定着率が向上(ラーニングピラミッド)
アメリカ国立訓練研究所の研究によると、学習定着率は学習方法によって大きく異なることが示されています。
学習方法 | 定着率 |
講義(受動的) | 5% |
読書 | 10% |
視聴覚 | 20% |
デモンストレーション | 30% |
グループディスカッション | 50% |
実践的な学習 | 75% |
教える(ティーチング) | 90% |
このデータからもわかるように、学習者が能動的に関与するほど、学習定着率が高まることが科学的に証明されています。
つまり、学習は受動的であるほど学習効率は低下し、能動的(アクティブラーニング)であるほど、学習率は向上していくのです。
2.「能動的な学習」は脳を活性化させる(脳科学的根拠)
ハーバード大学のエリック・マズール教授による研究では、受動的な学習(講義)と能動的な学習(ディスカッション)では、脳の活性化領域が大きく異なることが明らかになっています。
・受動的な学習では、主に聴覚野が活性化
・能動的な学習では、前頭前野(思考・判断を司る部位)や海馬(記憶の形成)が活性化
この研究からも分かるように、ただ講義を聞くといった受動的な学習は、学習を司る脳の領域が活性化しておらず、逆に、アクティブラーニングの場合は、脳の学習を司る部分が活性化しており、記憶や思考を促進することがわかります。
学習は受動的な学習よりもアクティブラーニングを
学習において、ただ情報を受け取るだけの受動的な学習と、自ら考え、議論し、実践するアクティブラーニングでは、成果に大きな違いが生まれます。受動的な学習は短期的な知識の獲得には有効かもしれませんが、長期的な記憶の定着や応用力の向上には限界があります。
一方で、アクティブラーニングは、学習内容を自分の言葉で表現し、問題解決に取り組むことで、思考力や応用力を大幅に向上させることができます。
学習効果を最大化したいのであれば、単に講義を受けるだけで終わるのではなく、ディスカッションや実践を取り入れた学習方法を選択することが重要です。
UMUでは様々なアクティブラーニングを体験できます
UMUのプラットフォームでは、アクティブラーニングの効果を最大化するための多様な機能が用意されています。
1.AIエクササイズで実際にアウトプット
AIエクササイズでは、画面に向かって自分の意見を動画で表現することが求められます。自ら考え、言葉にすることで知識の整理が促され、受動的に学ぶのではなく、能動的に学ぶ機会が生まれます。
2.ディスカッション機能で深い学びを促進
学習者同士が意見を共有し、異なる視点を取り入れることで、学習内容をより多角的に捉えられます。ただ情報を受け取るだけでなく、自ら考え、質問、回答することで能動的な学習ができるので理解が深まります。
3.インタラクティブクイズで即時フィードバックを受ける
クイズに答えるだけでなく、その場でフィードバックを受け取ることで、自分の理解度を即座に確認しながら学ぶことができます。これは単なる知識の暗記ではなく、間違いを通じて学びを深めるプロセスそのものがアクティブラーニングの一環となります。
4.AIチャットボットで個別学習をサポート
AIチャットボットを活用する学習は、自分で思考して学習を進めることができるため、受動的な学習では得られない能動的な学びが実現できます。
5.試験機能で理解度を測定し、学習計画を最適化
試験機能を活用することで、学習者はただの講義ではない能動的な学習が得られます。
また、自身の理解度を客観的に把握し、次にどの分野を強化すべきかが明確になるので、さらに高いレベルの能動的な学習に繋げることができます。
まとめ
アクティブラーニングは、知識を単にインプットするだけでなく、それを活用し、実践することによって学習効果を高める手法です。
受動的な学習では脳の活性化が限定的であり、学習定着率も低くなるのに対し、アクティブラーニングは思考や記憶を司る脳の領域を刺激し、知識の定着を促します。
また、ディスカッションや問題解決型学習を取り入れることで、実際の場面で使えるスキルが身につき、学習した内容を応用できるようになります。
教育の現場や企業研修においても、アクティブラーニングの導入が進んでおり、その効果は科学的にも実証されています。学習の質を高め、より深い理解を得るために、積極的にアクティブラーニングを取り入れていきましょう。
【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。
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