学習を物理的に阻害されるマインド「セルフハンディキャッピング」
セルフハンディキャッピングとは、失敗を恐れたり、他者に無能だと思われたくないという心理的な防衛反応から、自らに不利な状況や言い訳などをあらかじめ設定してしまう行為です。
このような思考は、学習時に大きな障害となり、脳に悪影響を与えます。
特に、脳の神経可塑性の停止や、コルチゾール(ストレスホルモン)の過剰分泌によって学習効果が著しく低下するため、何かを学習する際は、セルフハンディキャッピングを避けなければいけません。
脳の神経可塑性への影響
学習はすべて、脳内の神経可塑性によって進行します。脳は、新しい情報や経験に基づいて神経回路を柔軟に構築し、スキルや知識を習得します。
しかし、セルフハンディキャッピングを行うと、脳は「どうせ失敗する」という考えに基づき、神経の構築が停滞します。これにより、いくら努力しても新しいスキルや知識を効率的に吸収できなくなります。
ストレスホルモンの分泌と学習効率の低下
セルフハンディキャッピングを行うと、失敗への恐怖や不安が増し、コルチゾールが過剰に分泌されます。コルチゾールは脳の海馬(記憶の形成に関与する部位)に悪影響を与え、記憶力が低下します。具体的には、新しく学んだ情報を思い出すことが難しくなり、長期的な知識の定着が妨げられます。
セルフハンディキャッピングの具体的な例
一般的な場面
〇プレゼン前に「私のプレゼンでうまくいくはずがない」と思い込む。
〇チームプロジェクトで「自分が足を引っ張るかもしれない」と不安になる。
〇新しい業務に挑戦する際、「自分には向いていない」と決めつけてしまう。
学習の場面
〇資格試験の勉強で、「今回もどうせうまくいかない」と思ってしまう。
〇新しいスキルの習得中に「自分には無理だ」と諦め、練習を放棄する。
マインドセットが学習効率を左右する
セルフハンディキャッピングを避けるためには、適切な「マインドセット」を持つことが最も効果的です。失敗を恐れず、成長のための挑戦をポジティブに捉えることで、学習の質が大きく向上します。自分に不利な思考を手放し、前向きな姿勢で学習に臨むことが、神経可塑性を高め、学習効果を最大化するカギとなるのです。
人は、ついつい、自己保身のためによく言い訳を言ってしまったり、逃げ道を用意してしまいます。しかし、このようなセルフハンディキャッピングは、脳の神経可塑性を阻害し、学習効率を低下させるだけでなく、ストレスホルモンの過剰分泌によって記憶力にも悪影響を及ぼします。
つまり、努力したとしても、物理的に学習が阻害されてしまうため、成果につながらなくなってしまうのです。
せっかくの努力を無駄にしないためにも、このようなセルフハンディキャッピングの思考を避け、前向きなマインドセットを保つことが、学習の成功と成長への第一歩になります。
【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。
AI Chatbotを活用した対話トレーニング
UMUは、現場で使える「対話力」を身につけるための、
営業の質問スキルやマネージャーのコーチングスキルなど、
︎AI Chatbotの特徴がわかるページを見てみる
︎AI Chatbotのデモ動画を見てみる
▼こちらのコラムもおすすめ
もっとUMUについて詳しく知りたい方はこちらから資料をダウンロードができます。
LMS・eラーニングを包括する総合学習プラットフォーム【UMU】
『学習の科学・脳科学』のカテゴリで過去のメルマガで配信した【科学的に正しい学習方法】についての内容を定期的に掲載しております。
▼こちらよりご確認ください
https://umujapan.co.jp/column_category/learning-science/
私達UMUは、企業様向けに研修のオンライン化やリモート学習の無料相談会を毎日実施しております。
また、常に最先端のテクノロジーと学習情報をアップデートしておりますので、お困りごとや、追加で必要な情報のご要望などございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
▼各種お問い合わせフォーム
https://umujapan.co.jp/contact/
▼無料相談会の予約ページ
https://umucs.youcanbook.me
-
まずはコレから!
人材開発におけるAI活用がわかる
初めて資料3点セット
AIで企業の業績を向上させる学習プラットフォーム「UMU」の特徴や実績、UMUで実現できることがわかる資料です。
人材育成でUMUのAIを活用した効果が数字でわかる企業事例、ユーザー様からの評価をご覧いただけます。学んだことを定着させ、現場実践に活かせる成果に繋がる学びのあり方・実現方法を理解できます。