科学的にチームにミッションを浸透させる方法

科学的にチームにミッションを浸透させる方法

現代のビジネス環境では、組織の成功に向けた明確なミッションの共有が重要な役割を果たします。チーム全体が共通の目標に向かって一丸となることで、企業の競争力を維持し、成長を促進することが可能です。

本記事では、科学的根拠に基づき、チームにミッションを浸透させるための効果的な方法について探ります。

 

ミッションの浸透と自己決定理論

科学的にチームにミッションを浸透させる方法

 

ハーバード大学のエドワード・デシ教授が提唱する自己決定理論に基づけば、人間のモチベーションは「自律性」「有能感」「関係性」の3つの基本的欲求が満たされることで高まります。

この理論をミッションの浸透に応用することで、従業員の内発的動機付けを高め、ミッションに対する理解と共感を促進することができます。

①自律性の確保

チームにミッションを浸透させるためには、従業員に自律性を持たせることが重要です。

従業員がミッションを自分自身のものと感じ、主体的に取り組むことができる環境を整えることが求められます。

 

②有能感の向上

ミッションを達成するためには、自分が有能であると感じることが必要です。スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック博士の研究によれば、成長の実感を得られるフィードバックが重要です。従業員が自身の能力を信じ、ミッションの達成に向けて前向きに取り組むためには、積極的なサポートとフィードバックが不可欠です。

 

③関係性の構築

職場での良好な人間関係は、ミッションの浸透においても重要な役割を果たします。イリノイ大学の研究では、職場でのサポートが強いと感じる従業員は、より積極的に学習し、ミッションに貢献する傾向があるとされています。

実際にミッションを定着するワークを実施

会社やチームのミッションを定着させるためには、壁にミッションを貼ったり、毎朝読むだけでは定着しません。先程の自己決定理論を理解した上でワークをする必要があります。

次に自己決定理論をもとにミッションを効率的に定着させるワークショップをお伝えします。

ポイントとしては、相手を否定しない(自立性の確保)、相手の意見肯定するフィードバックを与える(有能感の向上)、みんなで会社をよくする話し合いをする(関係性の構築)、を守ることです。

グループを組んでミッションのお題を話し合う(グループワーク)

最初はグループを組んで、ミッションのお題について自分の意見をシェアします。この時グループは部署や上下関係等なくバラバラなメンバーにすることが理想です。

①意見のシェア

1.今回のお題のミッションが、仕事上で役に立った経験は何か

2.今回のお題のミッションについて、自分が思う事は何か(自由意見)

3.全員が発表者に対して、相手を否定しないポジティブフィードバックをする

②グループワーク

1.会社をより良くするために、今回のお題のミッションを明日からどのように活用すればいいか、グループで話し合う。

2.複数のグループでワークをしている場合は発表する。

このワークショップを定期開催し、「ミッションは自分の役に立つ」「ミッションがあると、みんなが仕事をやりやすくなる。」このような感覚を養っていきます。

 

ミッションの浸透は、会社の利益に大きく貢献します。 しかし、多くの会社がミッションの浸透方法を理解しておらず、ただの額縁の飾りになっています。

人間の心理を理解し、自己決定理論に基づいた正しいワークショップをすることができれば、効率よくミッションを浸透させることができます。

会社の利益拡大や、従業員の満足度を向上させるためにも、正しい方法でミッションを浸透させましょう。

 

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。ハーバード大学やスタンフォード大学などの論文や研究データ、脳科学・心理学の文献などを年間700冊読み込む。科学的に効果が実証された方法で社内研修や、組織構築を提供する株式会社HYBRID THEORYを設立。また、脳科学に基づいた学習方法を用いた学習塾を運営している。能力や才能に関わらず、誰でも結果の上がる「科学的に正しい方法」を伝えて、個人の人生の満足や会社の利益向上を目指している。

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