学習を最大化する脳科学的学習方法「想起学習」

学習を最大化する脳科学的学習方法「想起学習」

現代のビジネスや教育の現場では、基本的なビジネススキル、自社サービスの理解、接客スキル、セールススキルなど、さまざまな情報やスキルの定着が求められています。これらすべては、脳内で行われる「学習」によって実現されます。

つまり、効果的な学習を行うことで、あらゆるスキルや必要な知識を効率的に習得することが可能です。

その中で、想起学習は、記憶の定着率を劇的に向上させる科学的に裏付けられた学習手法として、脳科学の観点からその効果が実証されています。本記事では、想起学習の効果を最大化するための具体的な方法と、その背後にある科学的なメカニズムについて詳しく探っていきます。

 

想起学習の科学的基盤

学習を最大化する脳科学的学習方法「想起学習」

 

想起学習は、学んだ情報を積極的に思い出すことで記憶を強化する手法です。この手法には、テストを解く、ロールプレイングを行う、クイズに挑戦するなど、さまざまなアウトプットが含まれます。

ワシントン大学のヘンリー・ローディガー教授の研究によれば、情報をただ再読するよりも、積極的に想起することで、その情報が長期記憶にしっかりと保存されることが確認されています。

さらに、長期記憶に保存されるのは単なる知識や情報にとどまりません。ビジネススキル、営業スキル、接客スキルといった実践的なスキルも、想起学習によって記憶に定着し、現場で効果的に活用されるようになります。これは、単なる知識習得にとどまらず、実際の業務におけるパフォーマンス向上にも直結することを意味します。

したがって、想起学習を効果的に取り入れることで、日々の業務における成長と成果を最大限に引き出すことができるのです。

想起学習のやりかた

想起学習の効果を高めるためには、積極的な想起を促進する環境を整えることが重要です。

従業員が自発的に学んだことを思い出す機会を提供することで、学習の深度を増すことができます。具体的には、以下のような方法が効果的です。

 

①クイズやテストの導入

学習の途中や終了後にクイズや簡単なテストを取り入れることで、学習者に情報を思い出す機会を増やします。これらのテストは、想起学習の効果を高めるために非常に有効な手段です。単なる知識の再確認ではなく、積極的に脳を働かせて記憶を引き出すことで、記憶の強化と学習内容の確実な定着が図れます。

また、定期的なテストや復習を行うことで、学習者が自分の進捗を確認し、さらなる学習意欲を高めることができます。

 

②ロールプレイングなどの実習

実践的な状況をシミュレーションするロールプレイングは、習得したスキルを現実のシナリオで再現することで、想起学習の一環として効果的です。ロールプレイングは単なる暗記にとどまらず、身につけた知識やスキルを具体的な状況で応用する能力を養います。

さらに、ロールプレイングで実際に体を動かすといった多感覚的な学習体験が加わることで、学習内容がより深く脳に定着し、実際の業務での応用力が高まります。

これにより、単なる知識習得から、現場での実践力へと学習成果が強化されます。

 

③ティーチング(人に教えること)

他者に学んだ内容を教えることは、最も効果的な想起学習の手法の一つです。アメリカ国立研究所が提唱するラーニングピラミッドによれば、教えることは学習内容の定着率を高める手法として最も効果的であり、驚くべきことにその定着率は90%に達するとされています。

ティーチングの過程で、学習者は自分が学んだ情報やスキルを積極的に思い出し、整理しながら相手に伝えます。このプロセスが想起学習になっているため、学習の深い理解と記憶の強化が促されます。

また、ティーチングは学習者に責任感を持たせ、学習意欲の向上にもつながります。他者の理解を助けるために、自分自身がより深く理解しようと努めるため、学習内容がより確実に身につくのです。

このように、他者に教えること自体が強力な学習方法であり、学習者の成長と成果を最大限に引き出す手法に位置付けられます。

 

想起学習は、単なる記憶強化にとどまらず、学んだ情報やスキルを長期的に記憶に定着させ、実際の業務で活用できる力を育てる強力な学習手法です。

本記事で紹介したクイズやテスト、ロールプレイング、ティーチングなどの手法を組み合わせることで、学習者は自発的に知識を思い出し、より深く理解することができます。

これにより、知識やスキルが確実に定着し、持続的な成長と成果を最大限に引き出すことが可能となり、現代のビジネスや教育の現場で、想起学習を効果的に取り入れることで、個々の学習者が持つ潜在能力を引き出し、より高いレベルのパフォーマンスを実現することができます。

 

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。ハーバード大学やスタンフォード大学などの論文や研究データ、脳科学・心理学の文献などを年間700冊読み込む。科学的に効果が実証された方法で社内研修や、組織構築を提供する株式会社HYBRID THEORYを設立。また、脳科学に基づいた学習方法を用いた学習塾を運営している。能力や才能に関わらず、誰でも結果の上がる「科学的に正しい方法」を伝えて、個人の人生の満足や会社の利益向上を目指している。

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