簡単な仕事だけでなく責任のある仕事も割り振る重要性とその解決策
職場において、部下に対して簡単な仕事ばかりを割り振ることは、成長機会を奪い、モチベーションの低下を招く可能性があります。責任のある仕事を割り振ることは、部下の能力を引き出し、成長を促進するために重要です。
今回は、簡単な仕事ばかりを割り振るデメリットを科学的に解説し、責任のある仕事を割り振るための具体的な戦略と、その改善によるメリットを紹介します。
簡単な仕事ばかりを割り振るデメリット
①モチベーションの低下
簡単な仕事ばかりを与えられると、部下は自己の能力が過小評価されていると感じ、モチベーションが低下します。
自己効力感理論によれば、自分の能力に対する信頼が低下すると、仕事に対する意欲も減少します。部下は自分の成長やキャリアの発展に対して不安を感じ、仕事に対する情熱を失ってしまいます。
②スキルの停滞
部下に簡単な仕事ばかりを割り振ることで、彼らのスキルや能力の発展が妨げられます。
仕事の多様性が欠如すると、新しいスキルを習得する機会が減少し、成長の機会が失われます。また、脳科学の観点から積極的な学習が行われた際に、脳の神経が繋がって太くなり、スキルや能力が向上します。簡単な仕事では、積極的な学習ができないため、今後も大きな成長が見込めなくなってしまいます。
③エンゲージメントの低下
部下が責任のある仕事を任されないと、仕事へのエンゲージメント(熱意やコミットメント)が低下します。人間は、周りから期待され、尊敬された時に仕事のやりがいを感じエンゲージメントが上昇するため、簡単な仕事では期待や尊敬を感じることができません。
エンゲージメントが低下すると、生産性や業務満足度が減少し、離職率や遅刻、欠勤などのリスクも高まります。エンゲージメントは、企業が担保するべき重要な要素ですので、責任のある仕事を割り振ることは避けるべきではありません。
責任のある仕事を割り振るための解決策
①個々の能力に応じたタスクの割り振り
部下の能力や興味を理解し、それに応じた責任のあるタスクを割り振りましょう。個々の強みや弱みを把握することで、適切な挑戦を提供し、部下の成長をサポートすることができます。例えば、「あなたの強みを活かして、このプロジェクトを担当してみてください」といった形で、具体的な役割を与えることが効果的です。
その代わり、上司は部下のレベルや強み、弱みなどを正確に把握しないといけませんから、日常的に部下とコミュニケーションを取ることが大切です。
②メンタリングとサポートの提供
責任のある仕事を割り振る際には、メンタリングやサポートを提供することが重要です。部下が新しい責任に対して不安を感じないように、上司としてのサポートを惜しまないことが信頼関係の構築につながります。例えば、「困ったことがあればいつでも相談してください」と伝えることで、部下は安心して新しい挑戦に取り組むことができます。
ここで重要になってくるのが、日頃から心理的安全性を確保することです。例えば、「いつでも相談してください。」といいながら、質問された際「前も言ったよね!」と言ったような対応をしてしまっては、部下は上司に質問やサポートを求めることができなくなります。
しっかりと、心理的安全性を確保した上でサポートをするようにしましょう。
③定期的なフィードバックと評価
定期的なフィードバックを行うことで、部下の進捗を確認し、適切な改善点を示すことが重要です。努力や進捗を評価することで、部下のモチベーションを高め、信頼関係を強化することができます。例えば、「この部分は非常に良かったです。次回はこうするとさらに良くなると思います」といった具体的なフィードバックを提供しましょう。
このフィードバックには多くのメリットがあります。現状を確認できるのはもちろん、最適なアドバイス、部下に「見ているよ感」を与えることができます。
とくに「見ているよ感」は、部下は自分が上司に期待されていると感じるため、モチベーションと生産性が向上します。
④成功体験の確認
最初から、難しい仕事を振ることにリスクがある場合は、簡単な仕事を振っても構いません。その代わり、簡単な仕事を完遂した際は、そこに至るプロセスや成果を認め、自信をつけさせてあげましょう。
そして、次からは、少しだけレベルの高い仕事を降り、同じく成果を認めてあげましょう。このプロセスの繰り返しで、部下は成長し、難しい仕事もこなせるようになっていきます。
簡単な仕事ばかりを割り振ることは、部下の成長を妨げ、モチベーションやエンゲージメントを低下させる可能性があります。
しかし、個々の能力に応じたタスクの割り振り、メンタリングとサポートの提供、定期的なフィードバックと評価といった具体的な戦略を実行することで、部下の成長とエンゲージメントを促進することができます。これらのアプローチを取り入れることで、部下は自己の能力を発揮し、安心して責任ある仕事に取り組むことができる環境が整い、結果として組織全体の成功に繋がるでしょう。
【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。
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