科学的に実証された、部下が成長するフィードバック

科学的に実証された、部下が成長するフィードバック

職場におけるフィードバックは、従業員の成長と企業の発展において重要な役割を果たします。

しかし、フィードバックが効果的であるためには、科学的な根拠に基づいたアプローチが必要です。

ここでは、科学的に実証されたフィードバックの方法を紹介し、それを次の行動に活かし、成長を促進するための具体的な戦略を解説します。

 

科学的に効果のあるフィードバックのポイント

科学的に実証された、部下が成長するフィードバック

フィードバックの効果を最大化するためには、タイミングと方法が重要です。研究によれば、フィードバックを提供する際には、以下の要素を考慮することが推奨されています。

1. タイミング:フィードバックはできるだけ早く提供することで、従業員が自分の行動を修正しやすくなります。これは人間の報酬系というところが関係しており、行動とフィードバックが結びつくとモチベーションが向上するのですが、時間が経つとその効果がなくなるためです。
 
2. 具体性:漠然としたフィードバックではなく、具体的な行動や結果に基づいたフィードバックを提供することが重要です。これにより、従業員は何を改善すべきかを明確に理解できます。また、フィードバックに具体性がかけてしまうと、最大でモチベーションが5倍低下することが研究で明らかになっています。
 
3. 肯定的なフィードバック:フィードバックを提供する際には、批判ではなく建設的な意図を持ち、相手を尊重する姿勢が求められます。これにより、心理的安全性が保たれ、従業員はフィードバックを受け入れやすくなります。
 
4. 定期的なフィードバック:特にフィードバックがなくても、一言「褒める、労う」という言葉をかけてあげるのも、大変重要なフィードバックです。これにより、エンゲージメントが高まり、部下の生産性が約2倍も上昇するといった研究データも出ているくらい強力なものです。このように、定期的なフィードバックを与えるように意識しましょう。

質問+フィードバックで社員は自律し成長する

フィードバックをする際は、簡単な質問をするのが効果的です。

例えば、依頼していた課題が終わり提出してきた際は、一言「課題ありがとう。 よくできているね。それと、もしこの課題を同僚の鈴木さんに教えてあげるとしたら、どこをポイントに伝えたらいいと思うかな?」と言うような簡単な質問をするようにします。

そうすることにより、ただ課題を提出して終わりでなく、しっかりと頭で思考して回答する癖がつくので、自ら考え、成長する自律的な社員に育ちます。

ここでポイントとなるのは、たとえ質問の返答に誤りがあったとしても、必ず肯定的なフィードバックを与えるようにすることです。

というのも、こちらから質問をしておいて、それのフィードバックが強めの注意や「それはだめだよね。」といったネガティブなものだと、次回以降の質問に一切答えてくれなくなってしまいます。

なので、例え回答が間違っていたとしても、「なるほど、その考え方も面白いね」といったようなポジティブなフィードバックを与え、その後に「それと、ここを改善するともっと良くなるよ」といったような改善のフィードバックを飛ばすようにしましょう。

まとめ

フィードバックは、従業員の成長と企業の発展において重要な役割を果たします。

ただ闇雲にフィードバックするのではなく、しっかりと効果が実証されている効果的なフィードバックの方法を用いることで、部下の成長を促進し、次の行動に活かすことができます。

効果的なフィードバックで、職場全体のパフォーマンスを向上し、チームも個人も持続的な成長ができるようにしていきましょう。

 

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。ハーバード大学やスタンフォード大学などの論文や研究データ、脳科学・心理学の文献などを年間700冊読み込む。科学的に効果が実証された方法で社内研修や、組織構築を提供する株式会社HYBRID THEORYを設立。また、脳科学に基づいた学習方法を用いた学習塾を運営している。能力や才能に関わらず、誰でも結果の上がる「科学的に正しい方法」を伝えて、個人の人生の満足や会社の利益向上を目指している。

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