【ハーバード大学の研究から紐解く】失敗した部下を育てる方法
職場での失敗は避けられないものですが、それをどう対処するかが従業員の成長と企業の発展に大きく影響します。ただ怒るだけではなく、建設的なフィードバックを提供することが求められます。
ここでは、部下の失敗を成長の機会として活かすためのアプローチを紹介します。この方法を用いることで、部下の内発的動機づけを高め、自律的な成長を促進することができます。
失敗を成長の機会に変える具体的な戦略
上司が部下の失敗を成長の機会として活用する方法として、建設的なフィードバックが推奨されます。このアプローチは、部下が自らの行動を見直し、改善する意欲を高めるために重要です。
例えば、部下がミスをした際に、ただ怒るのではなく、部下の意見を引き出し、具体的な改善点を示すことが重要になります。
建設的なフィードバックの科学的根拠
フィードバックの効果に関する研究によれば、部下が失敗してしまった時はすぐに叱らず、穏やかな態度で相手の意見を聞くことが推奨されています。このアプローチは、部下が自らの行動を見直し、改善する意欲を高め、主体的に行動するために非常に重要です。
なぜなら、部下を叱ってしまった瞬間、部下の心理的安全性が低下し、3つのデメリットが発生するからです。
[科学的根拠のある部下を叱るデメリット]
①部下に最大級のストレスがかかる
部下に「急性ストレス反応」が発生。強いストレスがかかり、最終的に離職や病気につながる。
②脳が学習を強制ストップ
脳科学の観点から、叱られたことによる苦手意識が定着すると、脳が思考停止し学習がストップする。
③エンゲージメントの低下
心理的安全性が低下するとエンゲージメントも低下します。エンゲージメントが低下すると、生産性が約2倍低下、離職率が最大48%増加、社員のウェルビーイングは66%低下します。
相手を威圧せず、質問して成長を促す
部下がミスをした際は、上司がただ怒るのではなく、以下のことを実行することが大切です。
2.建設的なフィードバックを与えた後に、「何が良くなかったのか?」「これからどうしていけばいいか?」を質問して回答をもらう。(回答が間違っていたとしても、決して叱ったり、ネガティブな反応をせず、再度建設的なフィードバックを与える)
なぜこのような対応が必要かというと、まず最初に「1.相手を威圧したり、小馬鹿にする態度」をとった瞬間に、部下の心理的安全性は低下し、さきほどの、「叱ることのデメリット」が発生してしまいます。部下と接している際は、終始気をつけなければいけない重要な点です。
次に、2の「何が良くなかったのか?」「これからどうしていけばいいか?」を質問して回答をもらうことです。
これには何の意味があるのかというと、1つめは、自分の頭で考える癖がつきます。つまり、自ら現状とフィードバックで施行するため、能力が上がるのです。通常、ただフィードバックをもらっただけでは思考しません。フィードバックを活用してただ機械的に修正するだけなので、成長につながらないのです。
2つ目は、心理的安全性の向上です。自ら発言し、それを受け入れてもらえることで、「僕は発言していいんだ」「私の意見は必要なんだ」と感じることができるため、日頃から積極的な発言や、思考を行うことができるようになります。
結果、自ら動ける「自律性」も育てることができ、現在流行りの「指示待ち人間」を回避することもできます。
ここで一番注意しないといけないことは、質問した後のネガティブフィードバックです。これをしてしまうと、「質問→回答→叱られる」の流れが定着してしまい、上司から質問された際は「どうせ回答しても叱られる。発言したくないな。」となり、メリットどころが、デメリットに転化してしまうからです。
効果的なフィードバックの具体例
では、具体的にどのようなフィードバックが良いか、いくつか例をご紹介します。
①仕事のやり方を説明するフィードバック
「今の説明、どういうふうに受け止めてる?」
「どう解釈したかな?」
「今の仕事を誰かにそれをやってもらうとしたら、どう説明する?」
②仕事の大事なポイントを伝えるフィールドバック
「何を意識して実践すればうまくいくかな?」
「この後も忘れ図実行するためにはどうすればいいかな?」
いかがでしょうか。単にフィードバックで説明するよりも、かなり効果的です。
もちろん、叱ってしまったら今の一連の流れは崩壊し、部下の成長は阻害されてしまいます。
建設的なフィードバックは、部下の心理的安全性を高め、自律的成長を促進する上で非常に有効です。
部下を叱ることなく、穏やかな態度でフィードバックを飛ばし、その後の質問で自ら試行させることで、部下は自ら考え、学びを深めることができます。これにより、職場全体の学びの文化が育まれ、企業の成長につながります。
そして、この自律的な成長を促すためには、上司のフィードバックの質と、定期的な会話やフィードバックを提供する環境構築が必須になります。
【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。
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