【営業の科学】その「アイスブレイク」実は効いてない-オキシトシンがつくる“信頼されるアイスブレイク”
営業などの現場でアイスブレイクは必ず使うテクニックですよね。
「時事ネタを用意する」
「相手が好きそうな質問をする」
「ホームページを見ましたと伝える」
「SNS拝見しました」
しかし、最高のワードチョイスができたはずなのに、なぜか場が温まらないことがあります。実はこれ、話題選びの問題ではありません。脳科学的には、もっと根本的な要因が影響しています。
結論は、営業のアイスブレイクで最も重要なのは、言葉の内容よりも「雰囲気そのもの」です。
つまり、相手に対して
“あなたに会えて嬉しい” “あなたのことをもっと知りたい”という空気が、あなたの全身から伝わっているかどうかが、信頼の形成を決定づけます。
「私はあなたに会えて嬉しい」が伝わる人は信頼される
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例えば、
「ホームページ拝見しました。このサービスは素晴らしいですね。どんな時に使えるんですか?」
という言葉でも、あなたの表情が硬くつまらなそう、声のトーンが平板、笑顔もなく淡々と話しているようなコミュニケーションでは、あなたから「ただアイスブレイクのために用意した言葉で、本心から聞きたいわけではない」という雰囲気が溢れ出ます。
これでは相手は、「はいはい、定型文ね」「本当は興味ないんでしょ」と受け取り、心の氷はまったく溶けません。
これでは、アイスブレイクはもちろん、営業自体が失敗する可能性が大きく高まります。
一方で、同じ言葉でも
“本当にあなたに会えて嬉しい” “あなたの話をたくさん聞きたい”という気持ちが、目の輝きや表情、声の柔らかさ、相槌ににじみ出ていたらどうでしょう。
このような「親身な雰囲気」で話されたら、誰でも嬉しいし、思わず積極的に答えたくなりますよね。
これが、真のアイスブレイクです。
つまり、アイスブレイクはワードチョイスよりも、表情や身振り手振りといった非言語コミュニケーションの方が、はるかに重要なんです。
︎アイスブレイクの正体は「オキシトシン」
これはなんとなく起きているのではなく、脳内で信頼ホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」が分泌されたためです。
人は、相手から親身な態度や共感、好意を感じると脳内でオキシトシンが分泌され、心理的距離が縮まります。
その結果、こちらの話を聞いてくれたり、信頼してくれるようになります。
つまり、あなたが「親身な雰囲気の理想的なアイスブレイク」ができれば、あなたのことを信じてくれるし、この後のあなたのプレゼンも真剣に聞いてくれる、紹介などの協力も生まれやすいということです。
信頼は、言葉ではなく「あなたに会えて嬉しい」「あなたともっと話したい」という雰囲気で生まれます。
これが、脳科学が実証した、結果の出るコミュニケーションの答えです。
〜ワンポイント〜
補足ですが、人間が犬を好きな理由もここにあります。
犬は、飼い主の帰宅を知るや否や、尻尾を振り、鼻を鳴らし、全身を動かして、飼い主に会えた喜びを全力で表現します。
こんなふうに出迎えられたら、嬉しくないはずがありません。もちろんこの時も、私たちの脳内ではオキシトシンが分泌されています。
つまり、犬は「アイスブレイクの達人」なんです。ぜひ、犬師匠のコミュニケーションを参考にしてみてください。
どうすれば“親身な雰囲気”を身につけられるのか
このような「親身なコミュニケーション」は才能やセンスではありません。反復練習で誰でも身につけられるスキルです。
しかし、これら非言語コミュニケーションは、言葉で教えることが極めて難しい分野です。
「もっと柔らかい優しい雰囲気で」と言われても、どんな目線で、口角をどの程度上げ、どのタイミングでうなずけば良いのかを理解するのは困難です。
これが、営業や接客のコミュニケーションが難しいとされる理由です。
ではどうすればいいのか。脳科学の観点から最も高い練習効果を発揮する方法は「モデリング(真似をすること)」です。
私たちは、他者の行動を観察し真似すると、自分の脳内でも同じ神経回路が活性化し構築されることがわかっています。これは脳内の「ミラーニューロン」の影響です。
つまり、あなたが理想的な非言語コミュニケーションを身につける一番近道で正確な方法は、営業が上手な先輩の笑顔の感じ、声のトーン、親身な雰囲気は、その人を頭の中でイメージしながら、徹底的に真似することなんです。
また、人間は言語情報よりも視覚情報の方が圧倒的に優れています。
例えば、言葉だけで相手にムンクの「叫び」を描いてもらうとおもったら困難を極めます。
「筆の線はうねっています」「橋のようなものに立って、人が手を頬に当てて叫んでいます」「色は濃いめのオレンジです」
これではいつまで経っても理想的なムンクの「叫び」は描けません。
こんな説明を繰り返すより、実物の絵を見せた方が何倍も早く、正確に伝わりますし、完成品のクオリティも、天と地ほどの差が生まれます。
そしてこれは、営業など非言語コミュニケーションのスキルもまったく同じ。言葉で学ぶより、実際の動きを観察して真似る方が、何十倍も速く理想的なスキルが身につくのです。
「百聞は一見にしかず」「1枚の絵は1000語に勝る」
非言語コミュニケーション習得の最適解は、理想とする先輩や同僚を徹底観察し、表情の柔らかさ、声のトーン、間の取り方などを徹底的に真似ることです。
︎UMUのAIエクササイズは“雰囲気”の習得を可能にする
UMUのAIエクササイズは、カメラに向かって営業のロープレを行う仕組みですが、このような非言語スキル習得に非常に有効です。
◯AIエクササイズは、理想的なコミュニケーションを取れる社員の映像を何度でも確認できるため、理想の表情や声の出し方、姿勢を視覚的に理解でき真似することができます。
◯自分自身の動きをカメラで撮影し、自分の目で確認するので、理想的なコミュニケーションと比べて「思っていたより表情が固い」「全然笑顔がない」といったズレにすぐ気づけます。
◯AIの評価によるフィードバックで、さらなる技術のブラッシュアップが可能です。
◯時間や人員といった制約に縛られず、いつでもどこでも練習できます。
総合的な接客や営業スキルにお困りの場合は、一度UMUのAIエクササイズをお試しください。
まとめ
営業のアイスブレイクにおいて重要なのは、話題選びではなく“親身さ”が伝わる非言語の力です。
表情、声の質、姿勢が相手のオキシトシン分泌を促し、信頼の基礎を築きます。
これは努力やセンスではなく、モデリングと反復によって身につけることができます。
営業でいつも断られる、プレゼンの空気が重い……。
そんな時は、ぜひ非言語コミュニケーションを磨き、
“あなたに会えて嬉しい” “私はあなたの話をもっと聞きたいです”という雰囲気を出してみてください。きっとうまくいくはずです。

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。
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