【営業の科学】「いきなり応用練習は遠回り」マルチタスクの脳科学が示す、“基礎”の重要性
研修でよく聞くのが、「もっと応用的な学習設計の方がいいのでは?」「自由対話のような応用ができれば、基礎も自然と身につくでしょ」という声です。
しかし実際には、基礎を固めないまま応用練習を重ねても、成果は出ません。
なぜなら人間の脳は、基礎を無意識レベルに落とし込んで、初めて応用ができる構造になっているからです。
これは、根性やセンスではなく、脳の情報処理の仕組みに起因します。
つまり、いきなり“自由対話”のような練習をしても、脳がまだ準備できていない段階では、基礎と応用を同時に処理しようとして混乱してしまいます。
応用の練習から入るのは、見た目は効率的に見えて、実際には最も遠回りで非効率な方法なのです。
マルチタスクができない脳の構造
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脳科学的に、人間はマルチタスク(同時処理)ができないことがわかっています。
複数のことを同時にこなしているように見えても、実際にはタスクを高速で切り替えているだけなんです。
たとえば、名刺交換の場面を想像してください。
相手と目を合わせ、笑顔を保ち、同時に正しい言葉を選んで話す。
この一連の動作が自然にできるのは、そのうちの一方がすでに無意識化されているからです。
もしセリフを覚えていない状態で現場に立つと、「何を言えばいいんだっけ」と頭で考えている間に、笑顔も動きも止まってしまいます。
セリフとを頭の中で作る作業と、名刺の動きの同時処理(マルチタスク)を脳ができないからです。
つまり、基礎が無意識に落ちていない限り、応用は機能しないんです。
「基礎」が自動化されると、応用は自然に生まれる
営業現場では、「提案の流れ」と「顧客の反応への対応」など、さまざまの動作を同時にこなす必要があります。
例えばこのとき、提案スクリプトの記憶がまだ曖昧だと、会話に集中するあまり、表情がこわばり、身振り手振りも止まります。
また、逆も然りで、笑顔や身振り手振りに意識を使ってしまうと、提案のフレーズが出てこなくなります。
これでは、営業で失敗する可能性は高まります。
逆に、提案のフレーズや順序、笑顔や相槌といった非言語コミュニケーションなど、どちらかでも無意識レベルまで反復しておけば、適切な非言語コミュニケーションを維持しながら、理想的な会話ができると言った自然で臨機応変な対応、つまり、応用的な行動をとることができるようになるわけです。
これが、いきなり応用的な練習をするのは遠回りで、基礎を身につけた方が応用技を発揮できる科学的な理由です。
そして、これを繰り返していくうちに、習得する基礎レベルは上がり、どんどんスキルアップしていくのです。
応用とは、考えて生み出すものではなく、無意識化された基礎が積み重なった結果、自動で動く状態のことなんです。
これが、守破離の「守」、いわゆる基礎が“応用の前提条件”と呼ばれる理由です。
UMUのAIで「守」を仕組み化する
この無意識化のプロセスを、人手で支援するのは時間もコストもかかります。
しかし、UMUならAIを使ってそれを科学的に再現できます。
AIチャットボットでは、決められたフレーズを言い切るまで次に進めない設計になっており、何度も繰り返すうちに、言葉が脳内に自動化されていきます。
さらに、AIエクササイズでは、笑顔・姿勢・声のトーン・間の取り方など、非言語の動作を繰り返し練習できます。
もちろん、実際に話すので、自然な会話を習得することも可能です。
このように、言語と動作の両方からアプローチできるのがUMUの強みです。
応用や自由対話ばかりさせていた。基礎練習を効果的に実施したいと思ったら、ぜひ一度お試しください。
まとめ
基礎を軽視した応用練習は、脳の仕組みに反しています。
人間はマルチタスクができないため、まず一つの動作や言葉を無意識レベルまで反復し、自動化させることが必須です。
その状態になって初めて、複数のスキルを同時に扱えるようになります。
いきなり応用に挑むのではなく、基礎を磨き、脳の負荷を減らす設計を取り入れる。
基礎を磨けば奥義になる。それが、最も確実に“自然な応用力”を身につける方法なのです。

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。
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