【学習の科学】“まとめて一気に学ぶ人ほど伸びない”理由 フロリダ大学の実証研究が示す「分散学習」の決定的優位

【学習の科学】“まとめて一気に学ぶ人ほど伸びない”理由 フロリダ大学の実証研究が示す「分散学習」の決定的優位

多くのビジネスパーソンは、仕事の中で営業トーク、資料作成、マネジメント、データ分析など、新しいスキルを習得する必要に迫られています。

しかし、現場ではよくこんな悩みが聞こえてきます。

「一生懸命やっているのに、なかなか上達しない」
「集中してまとめて学んだのに、結局忘れてしまう」

しかし、これは能力の問題ではありません。

実は、「時間をまとめて学習したこと」が原因です。

脳科学の研究で、一度にまとめて努力するほど、上達は遅くなる。小さく分け、多く経験するほど、上達は加速することがわかっています。

今回は、フロリダ大学の研究をもとに、効果的な学習法についてお伝えしています。

 

なぜその問題が起きるのか

【学習の科学】“まとめて一気に学ぶ人ほど伸びない”理由 フロリダ大学の実証研究が示す「分散学習」の決定的優位

 

職場では、限られた時間の中で複数のスキル学習が求められます。

すると、多くの人は「休日にまとめて3時間学ぶ」「学習の時間をまとめて確保して学ぶ」という「まとめ学習」にどうしてもなってしまいます。

しかしそれでは、せっかく学習時間を確保したにも関わらず、高い効果を発揮できないことがわかっています。

 

フロリダ大学の有名な実験を紹介します。

この実験では、学生を「数重視グループ」と「質重視グループ」に分け、どちらのグループがより優秀な写真作品をたくさん作れるかを比較しました。

①数重視グループ:とにかく提出した作品数の多さが評価基準

②質重視グループ:提出は1枚だけ。ただし“完璧な一枚”で評価

その結果は驚くべきものでした。
なんと、高品質な写真を生み出したのは、すべて①数重視グループだったのです。

その理由は明確です。
Aグループは数をこなす中で、

試す → 失敗する → 学ぶ、そしてまた試す。

といった、大量の改善サイクルを回し技術が磨かれていったから。

一方Bグループは、「完璧な1枚」を目指しすぎてほとんど動けず、失敗も改善も経験できなかったためです。その結果、技術が全く伸びなかったのです。

 

つまり、上達の本質は「小さく、多く、経験(改善)を回すこと」。
これは行動経済学でも心理学でも一貫して示されている事実です。

現場への適用 何をすればいいか

では、現場では具体的に何をすればよいのか。

答えは明確です。

“まとめて1回の学習” をやめ、
“短く何度も” に切り替えることです。

 

具体的には次の通りです。

  • 1回30分の勉強より、5分×6回に分ける
  • 週一のロープレタイムより、数日おきに小さなロープレをする
  • 動画学習は「一気見」にせず、数回に分けて学習する

そしてさらに重要なのは、回数をこなした後の改善行動を忘れないことです

フロリダ大学の研究から分かるように、試したあとの、改善が成長につながるのです。

 

UMUでは、5〜10分の短い学習を繰り返す分散学習『マイクロラーニング』を基盤に、学習設計を行っています。

さらに、5分前後の短い動画を視聴したあとには、必ずミニテストやフィードバックを挟み、学んだ内容を実際に改善へつなげるステップを組み込んでいます。

これにより、フロリダ大学の研究が示す「試して改善する」という学習サイクルを、自然に、そして効率よく取り入れられます。

また、AIエクササイズを使えば、時間や相手に依存することなく、営業や接客の練習を好きな時に一人で行えます。

従来は「まとめ学習」になりがちだったロープレも、小分けにして数をこなすことが可能です。

このほかにも、スキルや知識の定着を強力にサポートする機能が多数そろっています。

まとめ

「まとめ学習」では脳はほとんど変化しません。小さな挑戦を分散して繰り返すことで初めて、神経回路は強化され、応用力が育ちます。

これは才能ではなく、完全に設計できるプロセスです。変えるべきなのは個人の根性ではなく、学習の構造なんです。

学習時間が成果を出すのではない。学習の改善の回数が脳を育てるのです。

ぜひ知識やスキルを定着する際は、「まとめ学習」でなく「分散学習」で多くの改善をこなすことを心がけてください。

 

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。ハーバード大学やスタンフォード大学などの論文や研究データ、脳科学・心理学の文献などを年間700冊読み込む。科学的に効果が実証された方法で社内研修や、組織構築を提供する株式会社HYBRID THEORYを設立。また、脳科学に基づいた学習方法を用いた学習塾を運営している。能力や才能に関わらず、誰でも結果の上がる「科学的に正しい方法」を伝えて、個人の人生の満足や会社の利益向上を目指している。

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