【脳科学】「何も挑戦できない」「自分には無理だ」こう感じるのは脳が無力感を学習したから低いパフォーマンスの根本原因を解決する

【脳科学】「何も挑戦できない」「自分には無理だ」こう感じるのは脳が無力感を学習したから低いパフォーマンスの根本原因を解決する

どれだけ努力しても結果が出ない。

何度挑戦しても、思うようにいかない。

そんな経験を繰り返すうちに、ふとこう思ったことはありませんか?

「どうせ自分には無理だよ。」

「きっと今回もうまくいかないんだ。」

実はこの「無理かもしれない」という感覚は、一時的な気分ではなく、脳が“無力であること”を学習してしまった状態かもしれません。

この状態を、心理学では「学習性無力感」と呼びます。

しかもこの無力感は、放置すると脳の神経回路に深く刻み込まれ、あなたの将来のパフォーマンス・成長・行動力すべてに致命的な影響を与えることが、科学的にわかってきています。

今回は、この危険な学習性無力感と仕事のパフォーマンスについて解説します。

 

無力感は「脳の構造」を変えてしまう

 

【脳科学】「何も挑戦できない」「自分には無理だ」こう感じるのは脳が無力感を学習したから低いパフォーマンスの根本原因を解決する

 

心理学者マーティン・セリグマンによる有名な実験があります。

犬を電気ショックの逃げ場のない箱に入れ、何をしても避けられない状態を体験させる。

この体験で、自分の無力を学習してしまうと、その後、逃げられる状況になったとしても、犬はもはや反応せず、電気ショックを受け続けてしまう。

このように、「自分には無理だからきっとチャレンジしても無駄だろう」と認識し行動できない状態が「学習性無力感」です。

もちろん人間も同様です。たとえば、

  • どれだけ営業を頑張っても数字が伸びない
  • 上司に何度提案しても却下される
  • 勉強をしても結果につながらない

こうした経験が繰り返されると、脳は「どうせ無理」と結論づけてしまい、「どうせやっても無駄なんだからやる必要ないよ」と先回りしてモチベーションやパフォーマンスを徹底的に低下させ、行動すら起こせなくなります。

さらに恐ろしいのは、こうした状態が続くと、前頭前野や海馬など「判断・記憶・感情の調整」に関わる脳領域の働きが実際に低下するという研究報告もあることです。

つまり、「やる気が出ない」は気のせいではなく、無力を学習したことによって、本当に脳の回路が弱っている状態なのです。

この状態になってしまうと、非常に深刻です。

  • 「どうせ自分には無理」と思ってしまい行動できない
  • その結果、十分な準備や練習ができず、また失敗する
  • さらに無力感が強まり、負のループに突入する

このような最悪な状況が起こり、再び高い成果を上げる事は、限りなく難しくなってしまうんです。

学習生無力感は、今だけでなく、未来の可能性の芽まで摘んでしまうとても恐ろしい現象なんです。

回復の鍵は「成功体験の認識」

では、この学習性無力感から脱却するには、どうすればよいのでしょうか?

答えは明確です。

それは「自分はできる」という成功体験をしっかりと認識することです。

これは決して大きな成功でなくて構いません。

  • 以前より話し方がスムーズになった
  • 同僚から「説明がわかりやすい」と言われた
  • 昨日よりも1つ多く行動できた

こうした小さな成功を「自分で認識し、積み上げること」が、脳にとっての最大の“やる気の回復剤”になります。

なぜなら、学習性無力感の逆の状態は、「自分は努力をしたり、行動すれば成果を上げることができる」と言う状態だからです。

しかし、成果を出していても“自らがそれを実感できていない”場合は、無力感は回復しません。

 

でもここでひとつ問題があります。

人間は、自分の成功や成長を自分では正しく評価しづらいということです。せっかく成果を上げているにも関わらず、

  • 他人と比較してしまう
  • 小さな変化を見落とす
  • 「まだ足りない」と感じてしまう

このように、自分自身の進歩を正しく捉えるのは、意外と難しいものです。

だからこそ必要なのが、外部からのフィードバックや客観的な可視化です。

UMUなら、「自分の成長」が見える・伝わる

UMUでは、こうした学習性無力感からの脱却を科学的に支援する機能が整っています。

たとえば

  • AIエクササイズは、自分の話し方や表情を記録・比較することで、成長の変化を視覚的に確認できます
  • 上司や同僚からのフィードバック機能により、「できていること」「成長している点」が具体的にそして客観的に伝えられます
  • アセスメント機能では、自身の成長をグラフなどで可視化して視覚的に確認することができます。

これらを通じて、「うまくいっているかどうかわからない」と言った状態から「自分は成果を出している」という実感と自己効力感を、脳にしっかりインストールしていくことができるのです。

まとめ

「学習性無力感」は、本人の努力不足ではなく、脳が誤った結論を出してしまった結果です

しかも、その結論が神経回路として固定化されると、成長どころか未来の可能性すら摘んでしまう。

だからこそ必要なのは、自分自身の成功体験を「気づき、認識し、再確認すること」

その積み重ねが、失われた意欲を回復させ、もう一度行動する力を与えてくれます。

もし、最近「自分には無理だ」と感じることが増えているなら、まずは自分の中の「できた」に目を向けてみてください。

そして、もしうまく実感できないときは、UMUの仕組みに頼ってみるのもひとつの方法です。あなたの中にまだ残っている“成長の可能性”を、脳に思い出させるために。

 

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。ハーバード大学やスタンフォード大学などの論文や研究データ、脳科学・心理学の文献などを年間700冊読み込む。科学的に効果が実証された方法で社内研修や、組織構築を提供する株式会社HYBRID THEORYを設立。また、脳科学に基づいた学習方法を用いた学習塾を運営している。能力や才能に関わらず、誰でも結果の上がる「科学的に正しい方法」を伝えて、個人の人生の満足や会社の利益向上を目指している。

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