【AI×思考の科学】なぜAIを使うと“思考が深まる”のか? 新しい発想が生まれる“チャンク化”の正体とは

【AI×思考の科学】なぜAIを使うと“思考が深まる”のか? 新しい発想が生まれる“チャンク化”の正体とは

「AIは知識を得るための道具」そう思っていませんか?

もちろんそれも事実ですが、実はAIには“思考そのものを深める装置”としての側面があります。

特に注目したいのが、「チャンク化」という脳の仕組みをAIが支援してくれる点。

チャンク化がうまく起これば、集中力・記憶力が高まるのはもちろん、仕事や学習の思考や創造性、理解が今までよりもさらに深まります。

今回は、AIが“知識の外部化ツール”にとどまらず、“思考の拡張機能”となる理由を、脳科学と行動心理の観点から解説します。

 

脳が思考するためには、「チャンク化」が不可欠

【AI×思考の科学】なぜAIを使うと“思考が深まる”のか?
新しい発想が生まれる“チャンク化”の正体とは

 

チャンク化とは、バラバラの情報を意味のあるまとまりに再構成することで、記憶や理解を効率化する脳の情報処理メカニズムです。

たとえば、「6 1 9 4 8 7」を1桁ずつ覚えるのは難しいですが、「619」「487」と2つに分ければ格段に覚えやすくなりますよね。

または、旅行の準備をするとき。持っていくものを

「パンツ、Tシャツ、歯ブラシ、ヘアワックス、充電器、靴下、シャンプー……」と、バラバラ覚えようとすると、間違いなく覚えられないし、忘れます。

しかし、「下着類」「スマホ関係」「お風呂グッズ」というように、グループでまとめると一気に記憶できますよね。

これがチャンク化です。

仕事や学習の場面でも、脳はチャンク化によって整理し、意味づけし、活用できる知識へと昇華させているんです。
つまり、チャンク化が進むほど、思考は深まり、脳の負荷は減り、抽象的・創造的な思考にリソースを割けるようになるのです。

AIは“思考の交通整理係”としてチャンク化を支援する

では、AIはこのチャンク化にどう貢献するのでしょうか?

その答えは、次の4つの機能にあります。

 

① 情報の整理と構造化

膨大な情報を、見出しやリスト、カテゴリに分けて提示してくれることで、自然と意味のまとまりができあがります。

 

② メタ認知の促進

「自分では気づけなかった関連性や構造」を提示してくれることで、それをきっかけに全体像を俯瞰できるようになり、新たな知識が結びつくことで、一層理解や思考が深まります。

 

深い思考を助ける

もともと、チャンク化された情報が記憶されていても、引き出すにはきっかけが必要です。
そんな時、AIにざっくばらんにアイディアを出して貰えば、そのなかの1つがきっかけとなってインプットされている情報がどんどん繋がっていき、思考が深まっていきます。

 

④ 再表現による強化

同じ内容でも別の言葉、別の視点で言い換えてくれることで、脳内に複数のチャンクが形成され、理解が定着しやすくなります。

たとえば
「この複雑な会議内容、要点だけまとめて」
「この概念、図で説明して」
「一度説明してもらったけど、例え話で言い換えて」
こういった、別視点のやりとりのすべてが、脳のチャンク化を強化する“補助線”になるのです。

チャンク化を促す具体的な活用例

 

① 問題の構造を整理したいとき

たとえば、「この案件、どこに問題があるのか整理して」とAIに聞くと、因果関係や要素ごとの整理された図や文章が返ってきます。

それを見た瞬間、自分の中で「あ、たしか以前のA案件でも似た構造だったな」「この要因、クライアントの方針変更と関係あるかも」といった“頭の中に眠っていた断片情報”が引き寄せられ、まとまりになっていくのです。

AIが最初の“骨組み”を出し、それに自分の知識や経験がくっついてチャンク化が進行し、より深い分析へとつながっていきます。

 

② 思考を深めたいとき

「この考え、なんとなく正しそうだけど自信がない…」というときに、AIに「反対意見を教えて」「他の切り口は?」と尋ねてます。

すると、自分では思いつかない補助線や視点が提示されます。

その瞬間、頭の中に“点在していた知識”が結びつき、「あ、こういう背景があるなら、こっちの可能性もあるかも」と新たな理解のチャンクが形成されるのです。

AIは“外部の刺激”として機能し、内側の情報の再構成を自然と引き起こしてくれます。

 

相手に伝わる資料を作成する時

プレゼンや提案をするとき、内容がバラバラのままだと、聞き手の理解や思考は浅くなり、記憶にも残りません。

チャンク化は、話の流れ・構造を意味のあるまとまりに整理することで、「伝わる」「覚えられる」「動かせる」資料や説明をつくるうえで欠かせない要素です。

そこでAIを使い、「この内容を同じジャンルにまとめて」「話の順番が飛ばないようにせいりして」と投げかけると、論点をまとめ直してくれたり、話の順番を最適化してくれたりします。

そうすることで、より洗練されたチャンク=“伝わる構造”ができあがっていき、結果として聞き手の脳内でもスムーズに情報が整理され、印象に残るプレゼンが実現します。

 

このように、AIが出してくれる情報は、単なる「答え」ではなく「チャンク化を促す呼び水」。

そこに自分の中の情報が自然と統合されていくことで、深い理解・新しい発想・具体的な実行力が生まれていくのです。

UMUは「思考の拡張」を支援する設計をしている

UMUでは、「AIツール」や「AFX」といった、事業をサポートするAI機能があります。

これらは、あなたの事業に特化したAIになります。

つまり、専門特化な分、チャンク化はより深まり、今まで以上に深い思考や創造性、理解が可能になります。

そして、そもそもAIを使いこなすためにはAIリテラシーが必須になります。UMUでは、AIリテラシーコースを用意しており、誰でも簡単にAIを使いこなせる基盤も整っています。

ぜひ、UMUのAI機能を使って、御社の事業の最高の拡張ツールとしてご活用ください。

まとめ:「AIで考える」は、“ズル”ではなく“拡張”である

「AIに頼るのは甘え」──そんな声も一部にはあります。

でも、これは完全な誤解です。

AIは、“考える力”を奪う存在ではなく、“考える力”を増幅する存在です。

むしろ、AIの力を借りてチャンク化を加速し、発想力を高め、思考の幅を広げることこそが、これからの時代の“賢い知的生産”のあり方です。

思考が詰まったら、AIに一言。それが、あなたの脳を再起動させ、次のアイデアを生む起点になるかもしれません。

 

【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。ハーバード大学やスタンフォード大学などの論文や研究データ、脳科学・心理学の文献などを年間700冊読み込む。科学的に効果が実証された方法で社内研修や、組織構築を提供する株式会社HYBRID THEORYを設立。また、脳科学に基づいた学習方法を用いた学習塾を運営している。能力や才能に関わらず、誰でも結果の上がる「科学的に正しい方法」を伝えて、個人の人生の満足や会社の利益向上を目指している。

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