【科学的に解明】営業スキルなどの練習は成果が出にくいのか? 自分の動作を視覚的に確認する意味とは

研修や現場のOJTで「もっと笑顔で」「もう少し明るく話して」こうしたフィードバックが与えられる場面は少なくありません。
しかし実際には、多くの人が言われても自分で改善ポイントを具体的に把握できないことがよくあります。
本記事では、自己の客観視が難しい脳の仕組みと、そこを克服するために必要な支援方法、さらにUMUのAIエクササイズの活用について解説します。
人間は「自己の客観視」が苦手な構造になっている
人は本質的に自分自身の表現行動(表情・声・話し方など)を正確に認識することが苦手です。
その理由は、脳内での情報処理の仕組みにあります。
『脳は「内的感覚」と「外的フィードバック」を区別できない』
脳科学の研究によれば、私たちの脳は
- 実際に相手にどう見えているのか(外的情報)
- 自分がそうしているつもりの感覚(内的情報)
を完全には区別して処理できません。
カナダの心理学者ダニングとクルーガーによる「ダニング=クルーガー効果」でも示されている通り、人は自己評価がしばしば過大・過小になりがちです。
特にパフォーマンス系スキルでは、「自分はできているはず」と感じながら、実際には全く違う動きや声になっているケースが多発します。
これは、自己モニタリング能力が限界を持っているためです。
他者から指摘されても「具体的イメージ」が持てない
さらに問題は、他人からの助言も抽象的すぎて実行しにくいという点です。
- 「もう少し笑顔で」
- 「声をもっと明るく」
- 「ハキハキ話して」
こうした助言は日常的に行われますが、受け手は「どの程度?」「具体的に何を?」がわからないことが多くあります。
理由は、脳がこのような抽象的なアドバイスを、肉体の具体的な行動に落とし込めるように作られていないから。
分かりやすく言うと、楽譜を見ずに音楽だけを聴いて、ベートーヴェンの名曲を弾けるようになろうとしているのと同じこと。
つまり、営業や接客のスキルにおいて、言葉だけのアドバイスには限界があるのです。
自己動画確認による客観視が不可欠
こうした背景から、自分の接客や営業の様子を「第三者の視点」で振り返ることが非常に有効になります。
「百聞は一見にしかず」「一枚の絵は千語に勝る」と言ったことわざは脳科学的に正しく、自分を客観的に確認することをはずしてはいけないのです。
その理由は、視覚的なイメージ処理は、とても古い原始的な脳の機能であり、とても発展しているためです。
逆に、人類が言語を操り、言語情報を処理する脳が発達したのはかなり後発組。
つまり、進化の過程で、言語情報はイメージ情報に絶対勝てないのです。
そのことから、
- 表情の動き
- 声の高さや強弱
- 話すテンポ
- ジェスチャーの有無
これらを客観的に可視化することで、脳は初めて「自分はこう動いていたのか」と誤差を認識し、修正プランを立て始めます。
さらにその上で、より的確な言語でのアドバイスを受けると、客観性と具体性が増し、効果は最大に高まるのです。
UMUのAIエクササイズが実現する「客観的な自己認識」
UMUのAIエクササイズは、まさにこの課題を解決する仕組みを提供しています。
■自動録画機能
→ 自分のロールプレイや接客を録画し、表情・声・話し方を後から客観視可能。
■AIによる定量的フィードバック
→ 笑顔の有無、声のトーン、間の取り方などが数値で可視化され、曖昧さを排除。
■改善指標が明確
→ どこをどう修正すれば良いかが具体的に提示されるため、行動修正が進みやすい。
このように、脳科学と進化の過程にしっかりと沿って、効果が最大化するよう作り上げられています。
これにより、自分では気づけない課題を明確に発見し、継続的なスキル改善が可能になります。
まとめ:客観視を支援する仕組みが成長を加速させる
自己表現スキルは、本人の感覚だけに任せていても正確な把握が困難です。
また、他者の助言も抽象的になりやすく、具体的な改善に繋がらないケースが非常に多く存在します。
これは、我々の進化の過程、脳の仕組みなので、抗うことはできないのです。
だからこそ、「客観視の仕組み」を学習設計に組み込むことが重要です。
成長とは「正しく自分を認識すること」から始まります。
UMUを活用し、科学的アプローチで着実なスキル向上を実現していきましょう。
【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。
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