“とりあえず受けてる研修”は脳科学的に時間のムダ! 効果的な研修とは?

「研修には出席している。でも終わった直後には内容を覚えていない」
――現場でよく聞かれる声です。研修を形骸化させてしまうこの状況、実は脳科学の観点から見ても、大きな学習効果は期待できません。
貴重な時間とコストをかけて実施する研修。ただ形式的に終わらせてしまうことは、企業にとっても個人にとっても大きな損失です。
本コラムでは、「脳が本当に学ぶために必要な条件」と「受動的な研修スタイルがなぜ効果を生まないのか」という本質を明らかにし、最後にその課題を根本から解決するUMUのアプローチをご紹介します。
脳は「受け身」では記憶を残さない
私たちの脳は、ただ聞いているだけの情報には、ほとんど注意を払いません。
その理由のひとつが、「選択的注意」と呼ばれる脳の仕組みです。
人間の脳は一度に処理できる情報量に限界があります。
そのため「これは自分に関係ある」「これは使いそう」と判断された情報だけを優先的に記憶し、その他は“ノイズ”として処理してしまうのです。
つまり、「なんとなく受けているだけ」「とりあえず出ているだけ」の受動的な研修内容は、脳からすると“関係ない情報”、つまり全てノイズとして処理され、すぐに忘れ去られるというわけです。
「能動的に関わる」だけで、記憶の定着率が数倍に
では、どうすれば記憶に残るのか?受動的の逆、「自分で考えたとき」「手を動かしたとき」「答えを予測したとき」といった能動的な学習です。
これを裏づける研究のひとつに、アメリカのロディガー教授らによる「想起学習」の実験があります。
この実験では、「講義をただ読むだけのグループ」と「自分で思い出す練習をしたグループ」とで、1週間後の記憶保持率を比較。
結果は圧倒的でした。
思い出す練習をしたグループは、記憶の定着率が最大で2倍以上になっていたのです。
このように、能動的な関与があるかどうかが、記憶と学習効果を大きく左右します。
人は「自分が話したこと」「使ったこと」しか覚えない
「自分が発言したことは覚えてるけど、講師の話はほとんど覚えてない」
そんな経験はありませんか?
これは脳の記憶システムが「出力中心」に設計されているからです。
脳は、インプット(聞く・読む)よりも、アウトプット(話す・書く・使う)を重要視しています。
なぜなら、出力には
- 記憶の再構築(=想起)
- 誤りの認識
- フィードバックを受け取る
このような高度な脳機能が含まれているため、脳にとって“本当に重要な学習機会”として認識されるので、学習の定着が捗るのです。
そして、このようなアウトプットは100%能動的な学習です。これほど、受動的学習と能動的学習では、成果が変わってくるのです。
UMUが“研修の効果”を最大化する理由
UMUの学習設計は、こうした脳の仕組みに沿って作られています。
ただ動画を見る・講義を受けるのではなく、自ら手を動かし、考え、発信し、フィードバックを受ける仕組みが多数用意されています。
たとえば…
▶AIエクササイズでは、しっかりと体と頭を使い、その場でアウトプットします。これが想起学習になっています。
また、想起学習は知識といった情報だけでなく、営業に使われる身振り手振りや笑顔といった技術にも影響します。
つまり、AIエクササイズは、知識の定着にとどまらず、営業スキル、接客スキルに至るまでオールマイティに学習をこなすことができるのです。
▶UMUの学習設計では、研修の内容に応じた問題(テスト)や気づきをアウトプットする場がしっかり組み込まれており、
受動的学習で終わらず、しっかり能動的に学習できる仕組みが作られています。
▶他にも、定期的にアウトプットの機会がある毎日ミニテスト、自分の思考をアウトプットするAIチャットボットなど、
さまざまな能動的な学習方法が用意されています。
まとめ:「聞いてるだけ」は脳にとって“ムダな時間”
もう一度、はっきりお伝えします。
「聞いてるだけ」の学習は、脳科学的に見ても非効率で、記憶にも行動にもつながりません。何の意味もありません。
成長するために必要なのは、
- 自分で考えること
- 話すこと
- 行動に移すこと
そして、その全てを自然に促してくれる環境に身を置くことです。
一昔前の、講義を聞いて終わるスタイルは、脳科学や技術革新といった時代のながれと共に終わりました。
テクノロジーと学習の科学をしっかり活用して、学習効果を最大に高めていきましょう。
【執筆者】株式会社HYBRID THEORY 代表取締役 丸山裕之 氏
栃木県で公務員を経験し独立。
AI Chatbotを活用した対話トレーニング
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