DX人材・デジタル人材とは? 今求められるDX人材の育成の方法を解説

DX=デジタルトランスフォーメーションとは、デジタルを駆使して今ある価値観や枠組みを根本から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもので、昨今、DX推進に取り組む企業が増えています。

DX化の成功の鍵を握るのが、DX推進に必要とされるスキルや適性を備えたDX人材・デジタル人材(以下、DX人材に統一)です。

 

DX人材・デジタル人材とは?

 DX人材とは、自社のビジネスを深く理解したうえで、デジタル技術を活用して、改革の実現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材です。

デジタル技術に精通した人材だけではなく、事業部へのDXへの理解を促したり、プロジェクトを統括して進められたりする人材のことも指します。後者の場合、具体的には、ビジネスアーキテクト(ビジネスの現場においてデジタル技術の導入を行う全体設計ができる人材)、データサイエンティスト(AIを活用して多くのデータから新たな知見を引き出せる人材)などが想定されています。両者が連携することで、DX化を進めることができます。

 DX人材が求められる背景には、「2025年の崖」と呼ばれる問題があります。これは、基幹システムにレガシーシステムを使い続けていると、最新技術を取り入れることができず、維持管理費も増大して経済損失が発生するというものです。2025年までにDXを達成できなければ最大12兆円の経済損失が毎年発生すると試算されています。

さらに、「デジタル競争力ランキング2022」では、日本は63ヶ国中29位と低迷しており、特に「人材/デジタル・技術スキル」は、62位となっています。国際競争力を高めるためにも、DX推進は必須であり、DX人材の育成・確保は急務といえます。

新型コロナウイルスの影響により、非接触型コミュニケーションへの切り替えや業務プロセスの見直しが余儀なくされていることもDX推進の必要性に拍車をかけています。

 

DX人材を社内で育成することのメリットと難しさ

 2018年の経済産業省の発表によると、同年時点でIT人材の供給103万人に対し、需要は125万人と推定され、22万人が不足しています。この需給ギャップは今後さらに深刻化すると予測され、2030年時点で16万人から79万人のIT人材が不足すると考えられています。

DX人材はIT人材の一部であり、圧倒的な不足状況が続くなか、採用によって補うことは難しく、企業が意識的に育成していくことが必要です。

 自社で育成することにメリットは、主に以下の3つです。

 

社内体制を構築しやすい

DX化は多部署が関わるため、社内調整をスムーズに行うことで推進しやすくなります。自社の事業・業務内容を深く理解している人材が行うことで、組織や事業の変化にも迅速に対応することができます。

 

自社に適したDX化を実現できる

既存業務の改善や新規事業の開発のときにDX化が必要となります。既存業務やシステムを理解している人材が対応することで、問題点を正確に把握して、最適な改善や新規開発につなげることができます。

 

システムの一貫性を保つことができる

外部に委託する場合、認識齟齬や、エンジニアの技術力の差が発生する可能性があります。また、既存システムとの互換性に問題があるなど、一貫性のないシステムになる可能性があります。

社内の人材で対応することができれば、プロジェクトの企画立案から開発、テスト確認まで一気通貫で行うことが可能であり、システムの一貫性を保ちやすくなります。

 

一方で、自社で育成を行う難しさもあります。

DXに取り組むため全社方針を策定しても、社員のDX知識にばらつきがあり何から始めればよいかわからない、どのような人材がDX人材に向いているかわからない、誰を育成すればよいかわからないなど、スタート時点でつまずく企業も多いでしょう。

また、育成する人材や研修内容が決まっても、たとえば、ビジネス発想力やマネジメント力、社内調整力などは、研修だけでは身につきません。実務を通して学べるよう、環境をつくる必要があります。

すべて社内で賄おうとするのではなく、外部の教育システムで社員の適正を明確化したり、カリキュラムを活用したりしながら、自社で育成していくことが現実的ではないでしょうか。

 

DX人材育成の6ステップ

 DX人材育成のためには、まず経営者の意識を変えることからスタートします。実施のステップを6つに分けて説明します。

 ステップ1 経営目標、戦略を明確にする

DX推進のためには、何のためにDXに取り組むのかという経営目標や戦略を明確に示す必要があります。最近、経営層が、従業員が自ら仕事を創り出す、自発的に学ぶということに頼りすぎる傾向があります。しかし、まずは経営層がビジョンを示したうえで、従業員が必要なスキルの習得に取り組むのが本来の姿です。また、経営層はDXを理解し、短期的な利益のみを優先しないことを念頭に置いておく必要があります。

 

ステップ2 DX人材に向いている人材を選ぶ

DX人材にはいくつかの役割があり、それぞれ適性があります。ステップ1で、必要なDX人材像が見えたら、資質や能力を踏まえて、育成する候補者を選びます。候補者は特定の部門、役職、年次などにこだわらず、幅広い層から選ぶことが重要です。

 

ステップ3 育成プログラムを考える

一般的な人材育成手法として、自己学習、集合研修、OJTなどがあります。DX人材の育成も同様で、候補者の業務状況や育成手法による学習効果などを踏まえ、育成プログラムを考えていきます。

 

ステップ4 座学で知識・マインドセットを学ばせる

候補者を選んだら、まずは体験学習や社外講師による講義、オンライン学習など座学を行います。デジタルの知識だけではなく、データ解析やリーダーシップ、プロジェクトマネジメントなどのスキルも必要です。

また、DX人材に必要な主なマインドセットは、創造力、柔軟性、課題解決能力などがあります。

 

ステップ5 OJTで学びを実践する

座学で知識とスキル、マインドセットを学んだ後、OJTで学びを実践します。まずは社内限定の小規模なプロジェクトから始め、少しずつ活用する方法、実行する術を身に付けていきます。

 

ステップ6 外部とのネットワークを構築する

最後のステップとして、社外のネットワークを広げ、最新の情報を得ることができる環境を構築しましょう。交流を広げることで視野が広がります。ITは変化が速いため、常に最新の知識や技術を学んでいくことが大切です。定期的に社外勉強会に参加したり、共同ビジネスや共同プロジェクトなどを経験して学んだりすることが有効です。

 

 DX人材育成で気をつけるべきポイント5つ 

経営者主導で行う

前提として、人材育成のための投資が必要です。将来に必要な投資と位置づけ、推進部門には必要な権限と予算を付与することが求められます。人材配置、資金配分、事業方針の意思決定の権限をもつ経営者が行わなくては、改革には至りません。

また、新しい取り組みに積極的でない従業員もいるなかで達成するためには、経営者のコミットメントが不可欠です。

 

DX人材の育成の目的、ビジョンを可視化する

DX人材の育成の目的、ビジョンをしっかりと全社へ伝え、育成過程を共有・可視化しましょう。社内に共有されていることで、他部署からもサポートを得やすい環境ができます。また、成功体験を共有することは、全社的なモチベーションの向上やイノベーションにつながります。育成部門と一部候補者だけの閉じられた環境で行わないことが大切です。

 

社内育成と外部リソース活用の範囲を明確化する

DX人材育成を自社だけで行うことは、あまり現実的ではありません。DX推進組織を立ち上げた段階では、必要なスキルを身に付けている社内人材はごく少数であるケースがほとんどだからです。不足するスキルは外部委託することが妥当です。

内製化と外部委託の範囲は、企業の規模や人材育成方針によって異なりますが、中小企業では外部委託の比重が、大企業では内製化の比重が大きくなると考えられます。

 

アジャイル開発の手法を取り入れる

DX人材を育成しスキルを高めてもらうには、小規模なプロジェクトから行うことが効果的といえます。

アジャイル開発とは、プロジェクトを細かく区切り、小規模で実装とテストを繰り返しながら開発を進める手法です。完了までの期間が短く、難易度を高くないため、育成段階にいる人材でも携わりやすく、成功体験を積み重ねやすいことがメリットです。

 

全社員にデータ活用の基礎を習得させる

営業、マーケティング、製造、コールセンターなど、事業部門のスタッフがデータ活用スキルを持ち、効率的にタスクを実行できることも必要です。現場におけるデータ活用の気運を醸成することが、テクノロジーとデータによるビジネス変革の実現のために重要です。そのためには、全社的にITリテラシー向上を進めていきましょう。

 

 

UMUでできるDX人材・デジタル人材育成

DX人材育成のステップ3で挙げられていた、「自己学習、集合研修、OJT」など、どのような育成プログラムを企画した場合でも、学習プラットフォーム「UMU(ユーム)」は対応でき、学びを一元的に提供できます。


従業員のITリテラシー向上のための全社的に行う学習や、特定の従業員に向けた個別学習も、展開できます。

UMU上で、自社で1からコンテンツを簡単に作成して学習を提供することはもちろん、必要なテーマに応じた既成コンテンツを購入し、自社内で展開することも可能です。

 

〈DX人材育成に関する販売コンテンツ一例〉

 

UMUを活用したDX人材育成について、どんなコンテンツがあるのか、どんなことができるのか実際のデモ画面を見ながら詳しく聞きたいという方は是非お問い合わせください。

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