ATD ICE 2024現地参加、デイリーレポート(DAY4:5月22日)

ATD ICE 2025デイリーレポート(DAY4)

2024年5月19日(日)〜22日(水)まで、アメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズにて、世界最大規模の人材開発・組織開発関連カンファレンス、「ATD-ICE(International Conference & Expostion)」が開催!ATD ICE 2024現地参加者によるデイリーレポートをお届けします。

 

UMUがATD ICE 2024参加する理由

ATD ICE 2024

人材開発の最新トレンドとベストプラクティスを学ぶ

ATD ICE 2024は、世界最大規模の人材開発・組織開発関連イベントであり、80カ国以上から10,000名を超える参加者が集まります。このイベントでは、業界のトップスピーカーによる講演や、最新のツールやソリューションを紹介する展示会などが開催されます。参加することで、人材開発の最新トレンドとベストプラクティスを学ぶことができ、自社の研修プログラムや組織開発戦略の改善に役立てることができます。私達UMUはこれらの情報を日本の人材育成に関わる方々にいち早くご紹介し、お役立てできればと思っています。

 

セッション参加レポート(DAY4)

atd ice 2024 Venus Williams

(Main StageのKeynote、ヴィーナス・ウィリアムズ氏セッションの様子)

 

私たちは今回参加したメンバーでカテゴリごとにチーム分けをし各セッションに参加をしています。

本日はその中から、

  • 基調講演のVenus Williams(ヴィーナス・ウィリアムズ)

カテゴリ別に

  • The Secret Sauce Most Sales Training Omits: Creating Prospect Belonging(ほとんどの営業研修が省略している秘密のソース: 見込み客の帰属意識を高める)
  • Burnout Immunity: How Emotional Intelligence Can Help You Build Resiience and Heal Your Relationship with Work (燃え尽き症候群への免疫: 心の知能指数が回復力を高め、仕事との関係を修復するのにどのように役立つかす)
  • From Exhaustion to Engagement: Helping Leaders Combat Change Fatigue(疲弊からエンゲージメントへ:リーダーを変革疲労から救う)

合計4つのセッションをご紹介します。

 

基調講演:Venus Williams(ヴィーナス・ウィリアムズ)

Venus Williams_ATD

テニス界の伝説、ビーナス・ウィリアムズがATD24で語る、コーチング、強いマインドセット、そして人生への愛がいかに彼女のキャリアを変えたか、ATD24の基調講演で、ビーナス・ウィリアムズは、メンタリティ、コーチング、そして人生への愛がいかに彼女のキャリアを形作ったかを語りました。

 

勝利の鍵はメンタリティ
ウィリアムズは、「勝利のマインドセットとは、物事をどのようにとらえるかということだ」と述べました。
彼女は、どんな状況でもポジティブに捉えることが重要であり、負けはほんの一瞬の出来事だと語りました。

 

疑いがあるときは、自信を装う
ウィリアムズは、自信がなくても自信を装うことが重要だと語りました。

 

妹セリーナからの学び
ウィリアムズは、妹のセリーナから多くのことを学んだと語りました。特に、セリーナの強さと闘志は、ウィリアムズにとって大きな刺激になったようです。

 

コーチングの重要性
ウィリアムズは、コーチングが成功のためには不可欠だと考えています。「コーチングは、ゲームにとどまるか、とどまらないかの違いです」と述べました。

 

人生を楽しむこと
ウィリアムズは、基調講演の締めくくりとして、「ポジティブでいること、そして自分の人生を愛すること」の重要性を強調しました。彼女は、どんな状況であっても前向きに捉え、人生を楽しむことができるように、と聴衆に呼びかけました。
彼女の言葉は、多くの聴衆にとって、人生を成功させるためのヒントとなるでしょう。

 

リファレンスサイト:https://www.td.org/atd24news/williams-keynote

 

The Secret Sauce Most Sales Training Omits: Creating Prospect Belonging(ほとんどの営業研修が省略している秘密のソース: 見込み客の帰属意識を高める)

 

Maureen Berkner Boyt

スピーカー:

Founder & CEO

The Moxie Exchange

Maureen Berkner Boyt (she/her/hers)

 

このセミナーで話されている内容

①除外された時の脳の反応

②所属感を高めて営業成績アップ

③包容性を営業活動に取り入れる

 

無意識のバイアスが与える影響と、営業プロセスにおける包括性の重要性が強調されました。マイクロアグレッション(小さな攻撃や無礼)は、受け手に対して身体的な痛みと同様の神経反応を引き起こし、購買意欲を低下させます。特に、Z世代やミレニアル世代が主要な購買層となっている現代では、包括性と帰属意識を育むことが重要です。営業担当者が無意識のバイアスを理解し、顧客との関わり方を改善することで、売上を向上させることができます。また、バイアスを減らすための具体的な質問や対話の方法が紹介され、営業の現場での実践が推奨されました。最後に、誤解やミスを恐れず、積極的にフィードバックを求める姿勢が大切であると強調されました。

また、今回の講義においても、講師の方は発言者に対して、代名詞(She/He)を確認しており、講師紹介においても、She/her、He/himという記載がありました。

 

Burnout Immunity: How Emotional Intelligence Can Help You Build Resiience and Heal Your Relationship with Work (燃え尽き症候群への免疫: 心の知能指数が回復力を高め、仕事との関係を修復するのにどのように役立つかす)

 

Kandi Wiens

 

スピーカー:

University of Pnnsylvania

Kandi Wiens

 

このセミナーで話されている内容

①燃え尽き症候群の理解とその影響

②感情知能(EI)を用いたストレス管理

③回復と再想像

 

このセミナーでは、職場での慢性的なストレスが引き起こす燃え尽き症候群の理解と、その対処法について議論が行われました。

燃え尽き症候群は、感情的消耗、シニシズム(脱人格化)、職業効力感の低下という3つの主要な症状から成る心理的な状態であり、従業員のモチベーションと生産性に深刻な影響を与えます。

特に高い感情知能(EI)を持つ人々が高ストレスな職場環境で燃え尽きずにいる方法についても詳しく説明されました。彼らは自分のストレスの引き金やそれを増幅させる思考パターンを認識し、感情、思考、行動を調整することで、最適なストレスゾーンにとどまります。感情知能の原則を活用することで、ストレスを効果的に管理し、燃え尽き症候群を予防できます。

さらに、回復と再想像の重要性も強調されました。アスリートのように日々の回復の実践を取り入れ、必要であれば仕事環境から一歩引いて健康に集中することで、感情的エネルギーを回復させる方法が紹介されました。

自分の価値観や重要な関係、仕事の目的に再接続することで、ストレスに対する主観的な経験を改善し、仕事との健全な関係を再構築することの重要性も述べられました。

 

From Exhaustion to Engagement: Helping Leaders Combat Change Fatigue(疲弊からエンゲージメントへ:リーダーを変革疲労から救う)

Holly Burkett

 

スピーカー:

Principal

hb Consulting | Evaluation Works

Holly Burkett

 

このセミナーで話されている内容
① 燃え尽き症候群(バーンアウト)の現状とその影響
② 効果的な対策とリーダーシップの役割
③ エンゲージメントとパフォーマンス向上のための具体的な手法

 

燃え尽き症候群は現代の労働者にとって深刻な問題であり、その根因には過剰な仕事量、非現実的な期待、管理とコミュニケーションの不足があります。効果的な管理、タスクの優先順位の設定、チームビルディングのスキルがマネージャーに求められています。また、従業員に対する十分なサポートと感謝の表現が重要であり、これによりエンゲージメントとパフォーマンスの向上が見込まれます。サイモン・シネックは、偉大なリーダーは自己の偉大さよりも人間性に価値を置いていると語っており、これが現代の職場における重要な教訓となっています。

 

このように、ATD ICE 2024は人材開発の専門家としてスキルアップするための絶好の機会です。
参加することで、最新の知識やスキルを習得することができ、他の専門家との交流を通して、自分の視野を広げることができます。

 

ATD ICE 2024参加者について

ATDICE2024参加者

参加者:10,250

参加国:77カ国

参加国TOP10

日本は2位!(昨年の参加者は130人から比べると29人増えました)

 

浦山昌志のデイリーインサイト

Masashi Urayama

共に学ぶ仲間は大切です。自分で気が付かないことも周りの人が示唆してくれます。
久しぶりに現地のATD ICEに参加してみて格別な感慨を味わいました。

 

人と人とのつながりや、直接の体験からくる高揚感、意図しない出会いから生み出される新たな気づきと学びの海の中で、ラーニングエクスペリエンスを体感している感覚でした。

 

4日目の基調講演はビーナス・ウィリアムスのお話。
トップのテニスプレーヤーでありながらビジネスを手がける彼女の聡明さや、試合に負けることがあってもそれは終わりではなく、機会であるという前向きなマインドセットや人生を楽しむことの大切さを教えられました。

 

そしてATDICE2024全4日を終えて、UMUデリゲーションツアー参加者の学びグループで互いに振り返りをしていると、それぞれに多くの知見を得ただけでなく、深い気づきや感情の高まりなど、学びが染み渡っていることが確認できて本当に良い機会だったと感じました。

 

ATD ICEも参加することが目的ではなく、この地で学んだことをきっかけにして、新たな学びを始めたり、帰国してから多くの人に共有することで点と点が線となり、面、さらには立体的な学びの展開になることと思います。
学びはイベントではなくジャーニーです。

 

UMUデリゲーションツアー参加者の方々は学びのジャーニーを続けさらなる成長をされていくと期待しています。

 

浦山昌志について

ASTD Japan創設者、株式会社IPイノベーションズ代表取締役の浦山昌志氏監修によるATD ICE UMUツアーを現地で開催します。人材育成(主にICT業界向け)の豊富な実績と、ASTD Japanでの研究成果をもとにした先進的なコンサルティングに定評がある浦山氏によるインサイトをいち早くお届けします。

 

ATD ICE 2024での学びをイベントで終わらせないための「振り返り会」レポート(UMUデリゲーションツアー)

UMUデリゲーションツアー

 

UMUデリゲーションツアーでは、その日の終わりに「振り返り会」を実施しています。

振り返り会はお互いの学びの共有し、新たな気づきを得る機会です。

ATDでは300以上の多くのセッションが実施されるので、この場を活用してより多くの学びを得て持ち帰ることが可能です。

DAY4最終日の振り返り会で参加者たちは、ATDICE2024全4日間での学びについて共有をしました。

 

1.ATD ICEへの参加の価値と頻度の変化

毎年の参加が重要となり、来年も劇的な変化が予測されるため、できれば毎年参加できるよう会社に対して提案していくことが推奨されました。(今回の参加において、ATD ICE参加に関する投資対効果が高いことを証明するため参加レポートを作成する)

 

2.従業員中心の企業運営

従業員の働き方や心理的安全性とリスク管理のバランスの重要性が強調されました。特に日本では生産性向上の課題が指摘されました。

 

3.AIとスキルの進化

AIの具体的な応用が増え、スキルの重要性が増していることが確認されました。また、個別の学習ニーズへの対応も重要視されました。

 

4.基調講演のキーワード

楽観主義や個人の成長、成果を出す方法に関するキーワードが印象的でした。特にダニエル・ピンクの「やらないことのリスト」の重要性、業務においてタスクが増える中、すぐにでも取り組めることとして強調されました。

 

5.リーダーシップとフィードバック

リーダーとしての成長やフィードバックの具体的な方法についての学びがあり、ポジティブなリーダーシップの重要性が指摘されました。

 

6.効果的なATDICE参加方法

休息の重要性や参加者の積極的な関与を促すための仕掛け(双方向)がカンファレンスの質を高める要素として挙げられました。

 

7.生成AIの技術と研修コンテンツ作り

生成AI技術の進化が次世代の研修コンテンツ作りや企業のポジショニングに与える影響が議論されました。

 

8.チームと個人の成長

個人の学びと成長、特にATD ICE参加において重要となる英語でのコミュニケーションや英語を使った新しいチャレンジの経験が共有されました。また、今回のUMUデリゲーションチーム全体での取り組みや学びの重要性が強調されました。

 

9.ダイバーシティとインクルージョン

ダイバーシティとインクルージョンの重要性が改めて認識され、特に営業の文脈での掛け合わせが新たな視点として紹介されました。

 

全体として参加者はATD ICEでの学びを活かし、組織だけではなく自分自身の成長に繋げる決意を新たにしました。

 

SEE YOU NEXT YEAR!ATD ICE 2025

see you next year! ATD ICE

ATD ICE 2025はワシントン DCで5月15日〜21日に開催が決定しています。

今回のセッションや展示会ではAIをテーマにした内容が多く見受けられました。
企業の成長においてAIの活用は必要な存在であり、取り組まなければ遅れてしまうことが明らかになりました。

2025年には生成AIを活用して個人や組織がどのように成長できたのか、より具体的な事例が聞けるのではないでしょうか。また、AIに注目が多くある中、心を持っている人間だからこそ大切なマインド面については年月が経っても変わらないでしょう。共感、創造性、倫理観といった人間らしさは、技術が進化する中でもますます重要になってきます。

ATD ICE 2025では、これらの要素をどのように融合し、バランスを取ることができるのかがさらに議論されることを期待しています。

ATDは次回も新しい知見とネットワーキングの機会を提供してくれることでしょう。
参加者全員が新たなインスピレーションを持ち帰り、職場で実践できる具体的なアクションプランを見つけられることを期待しています。

次回、ATD ICE 2025でお会いできることを楽しみにしています!

 

UMU限定!登壇者インタビュー動画公開

セッション登壇者にインタビューを実施し、セッションの重要ポイントを話していただきました。
登壇者インタビュー動画はこちらよりご確認いただけます。

ATD ICE 2024登壇者インタビュー

 

ATD ICE24を総括した報告会開催決定!

ATD ICE 2024現地参加報告会

 

報告会(Webinar)では浦山昌志、UMUスタッフが現地参加で得ることができた、グローバルにおける最新のテクノロジーや学習テーマ別の学習ベストプラクティスについてお伝えします。カンファレンス期間中に開催された3つの基調講演の情報をはじめ、各テーマ別に実施されていたセッションの内容をご紹介します。

開催詳細

開催日:2024年6月5日(水)10:00~11:30
形式:Zoom Webinar
費用:無料

このような方はぜひご参加ください

・グローバル企業が実際に何を取り組んでいるのか、まずは知りたい
・自分と同じ、人材開発に携わる方が何に困っているのかまずは知りたい
・トレンドを踏まえて、2024年は何を優先的に取り組む、準備するべきか知りたい
・最新のテクノロジー活用状況を知り、社内で実践したい

 

関連リンク

■【ATD-ICE 2024】デイリーレポート(DAY1)

ATD ICE 2024現地参加、デイリーレポート(DAY1:5月19日)

■【ATD-ICE 2024】デイリーレポート(DAY2)

ATD ICE 2024現地参加、デイリーレポート(DAY2:5月20日)

■【ATD-ICE 2024】デイリーレポート(DAY3)

ATD ICE 2024現地参加、デイリーレポート(DAY3:5月21日)

 

■ATD-ICE公式サイト

https://atdconference.td.org/

 

■アメリカATD公式サイト

https://www.td.org/

 

■ATD Member Network Japan公式サイト

https://www.atdj.jp/

 

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