ATD ICE 2025現地参加、デイリーレポート(DAY1:5月18日) – AIと人材開発の最前線 –

UMUがATD ICE 2025に参加する理由

人材開発の最新トレンドとベストプラクティスを学ぶため、私たちUMUは毎年ATD ICEに参加しています。

 

ATD ICE 2025は、世界最大規模の人材開発・組織開発関連イベントであり、多くの国から数千名を超える参加者が集結します(過去実績に基づくと、約80カ国以上から10,000名を超える参加者が見込まれます)。このグローバルな学びの祭典では、業界のトップランナーによる基調講演、専門性を深める多種多様なセッション、そして最新のHRテクノロジーやソリューションを紹介する大規模な展示会などが開催されます。私たちがこのイベントに参加する主な目的は以下の通りです。

  • グローバルな知見の獲得:世界の成功事例や研究成果から、日本の組織や個人に活かせる実践的な知識を吸収します。VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)時代における人材育成や組織開発の最前線を肌で感じ取ります。
  • ネットワーキング:各国の専門家や実務家との交流を通じて、新たな視点や協業の可能性を探ります。多様なバックグラウンドを持つ参加者との対話は、私たちの視野を広げ、新しいアイデアの源泉となります。
  • 最新ソリューションの把握:特にラーニングエクスペリエンス(学習体験)を向上させるための最新テクノロジーや手法に触れ、UMUのサービスを進化させるためのヒントや、お客様に提供できる新しい価値を見つけ出します。

UMUは、これらの貴重な情報を日本の人材育成に関わる皆様にいち早く、そして分かりやすくお届けし、皆様の組織と個人の成長に貢献できるよう努めてまいります。このレポートが、皆様の日常業務や今後の戦略立案の一助となれば幸いです。

 

セッション参加レポート(DAY1)

DAY1も刺激的なセッションが目白押しでした!私たちUMUデリゲーションチームが参加したセッションの中から、特に注目すべき3つのセッションをピックアップしてご紹介します。

 

“Future Readiness: The Future of Talent Development, Advanced technologies, and the Jetsons”(未来への準備:人材開発の未来、先進技術、そしてジェッツソン一家)

 

スピーカー:Kristine M. Ellis

キーワード:未来への準備, 人材開発の未来, 先進技術, VUCA, ラーニングエコシステム, ウェルビーイング, エンゲージメント, 組織開発, リーダーシップ

 

〈セッション概要〉

本セッションでは、「未来への準備(Future Readiness)」という概念を深く掘り下げ、変わりゆく働き方や人生のステージ、そして人材開発と組織開発が果たすべき役割について、従来の誤解を解きほぐしながら論じられました。

 

〈主要ポイントと学び〉

  • 未来への準備は多角的:未来への準備は単に将来必要なスキルを身につけることだけではなく、複数の起こりうる未来を科学的に分析し、マクロ・ミクロレベルでの変化を理解することから始まります。重要なのは、過去と現在を分析するためのツールを活用することです。
  • 人生と仕事のステージの再定義:現代社会では、生物的な年齢や従来のライフステージ、ワークステージの境界が曖昧になっています。これにより、人生の異なる時期に多様なステージを経験する機会が生まれています。これは人材開発においても、画一的ではない、より流動的なアプローチが求められることを示唆しています。
  • 仕事は流動的なシステムへ:仕事はもはや静的なものではなく、組織され、配置され、維持されるタレントが流動的に動くシステムとして捉える必要があります。組織は古い考えを捨て、この流動性に適応していかなければなりません。
  • 人材開発における誤解の打破
    • 未来への準備はお金がかかるという誤解 → 真の準備は継続的な学習と再学習によって行われます。
    • 未来への準備は未来のスキルだけという誤解 → スキルだけでなく、ケイパビリティを再活性化または発明するための「コンピテンシー」「経験」「ドライバー(動機)」「プリファレンス(好み)」といったコアコンポーネントに焦点を当てる必要があります。
    • リーダーシップは特定の特性だけという誤解 → リーダーシップは、リーダーが具体的な行動を正しく実行することによって発揮され、他者に奉仕し、前向きな環境を作ることに関わります。
  • エンゲージメントとウェルビーイングの再考:従業員エンゲージメントの測定だけでは不十分であり、リーダーやマネージャーがエンゲージメントに対する責任を持てるようにする必要があります。ウェルビーイングについても、単に議論するだけでなく、リーダーがその重要性を体現する行動をとることが不可欠です。
  • ボードとの協業の重要性:人材開発の専門家は、取締役会(ボード)と対話し、その言葉で語る能力が必要です。文化とタレントは企業価値、パフォーマンス、リスクを推進する重要な要素であり、投資家、メディア、規制当局もタレントストーリーを知りたがっています。人材開発が経営層と戦略的な対話を行うことの価値が強調されました。
  • 失敗を受け入れる文化:未来への準備には実験が不可欠であり、実験には失敗が伴います。心理的安全性(Psychological Safety)が確保された職場では、失敗を非難せず、そこから学ぶことが奨励されます。これは、ハーバード大学のエドモンソン教授も提唱する重要な概念です。
  • ラーニングエコシステムの構築:学習は教室での介入だけではなく、組織内外の多様なステークホルダーを巻き込んだ、境界のない流動的なラーニングエコシステムを構築することが求められます。これにより、関係性の深化や予期せぬ学びが生まれます。

〈日本企業への示唆・実務への応用〉

日本の企業においても、VUCA時代における人材開発は喫緊の課題です。このセッションで語られた「仕事の流動化」「人生のステージの多様化」は、終身雇用や年功序列といった従来の雇用慣行からの脱却を迫られる日本企業にとって、まさに直面している現実です。単なるスキルアップ研修だけでなく、従業員のコンピテンシー、経験、動機、好みを理解し、個々のキャリアパスを支援する多角的なアプローチが求められるでしょう。また、経営層やボードに対して、人材開発への投資が単なるコストではなく、企業価値向上、競争力強化、リスク低減に繋がる戦略的な投資であることを明確に伝えるコミュニケーション能力が、人材開発部門に一層必要とされます。失敗を恐れず、実験から学び、変化に強い組織文化を醸成していくことも重要な示唆と言えます。

 

“Future Readiness: Change Agents: Leading talent Development in a Transforming World” (未来への準備:変革推進者としてのL&Dリーダーシップ)

 

スピーカー:Bhushan Kulkarni / Monette Saaade / Tatiany Melecchi / Thilo Eckardt

セッション形式:パネルディスカッション

キーワード:チェンジマネジメント, マネージャー・アズ・コーチ, 多様な文化, グローバルマインドセット, AIと教育, 組織開発

 

〈セッション概要〉

人材開発(Talent Development: TD)のリーダーが、変革期の組織においてどのようにエージェント(推進者)となりうるか、インド、アブダビ、ブラジルという多様な地域からの視点を交えて議論されました。技術革新だけでなく、組織文化やリーダーシップのあり方も変化の重要な要素であることが浮き彫りになりました。

 

〈主要ポイントと学び〉

  • チェンジマネジメントの難しさ(インドの事例):組織のリーダーシップ交代という変化の中で、「マネージャー・アズ・コーチ」「リーダー・アズ・コーチ」プログラムを導入した事例が紹介されました。国際コーチング連盟(ICF)の8つのコンピテンシーから、マネジメント・リーダーシップ機能に関連する2つに絞って指導。しかし、当初の参加率はわずか10%でした。その原因として、「リーダーは解決策を示すべき」「行動を示さなければならない」というマネージャー側の強いアイデンティティ(スピード、行動、解決策重視)が、コーチングの「解決策を提示しない」というアプローチと衝突したことが挙げられました。徐々に参加率は向上(50-60%)しましたが、変化には時間と粘り強い働きかけが必要です。
  • 文化・クリエイティブ産業の変化対応(アブダビの事例):アブダビでは、文化・遺産部門(博物館、イベント、図書館など)が急速に変化しています。「飛行機を作りながら飛ばしている」ような状況で、人材開発は業界の変化に先行して対応する必要があります。博物館は人間中心に、イベントはデジタル技術で参加者理解を深め、図書館はデジタル革新に注力。L&Dは常に最新トレンドを把握し、非常に専門的で集中的なトレーニングを提供することで、変化を乗り越えるのを支援しています。特に、未来の世代育成(インターンシップ、メンターシップ)と、専門家(イノベーティブだが秩序を嫌う傾向)への対応が課題。スミソニアン協会との協業による知識共有や、オープンアクセスでゲーミフィケーションされた短尺コンテンツプラットフォームの提供などが紹介されました。L&Dは、教える側から、各人の学習スタイルや都合に合わせた「支え合う環境を作る」役割へと変化しつつあります。
  • 技術とグローバルマインドセットの重要性(ブラジルの事例):ブラジルでは、人口の20%がインターネットにアクセスできないという課題があります。それに加え、グローバルな考え方(マインドセット)のシフトが重要であり、英語教育の普及が進んでいます(現在人口の5%のみ流暢)。マイクロソフトのような企業がAIへのアクセス機会を提供しており、企業社会の役割が大きいことが強調されました。AIチューターは、良い教育機会を得られない子供たちの学習を加速させ、将来の労働力育成に貢献する可能性を秘めています。企業は、技術を活用して教育を強化し、国全体の力に貢献するという視点を持つべきです。
  • チェンジマネジメント成功の鍵:パネルディスカッションやQ&Aを通して、変化を成功させるためには、HR/TD専門家が必要なリソース(時間、予算、サポート)を確保することが重要であること、そして人間的な側面(マインドセット、感情、対話)への働きかけが不可欠であることが改めて確認されました。特にマネージャーに対して、単に解決策を求めるのではなく、好奇心や振り返りの思考を促すことの重要性が議論されました。これはトップダウンでの働きかけも必要となるテーマです。

〈日本企業への示唆・実務への応用〉

日本企業もまた、組織文化や働く人々のマインドセットを含めた大きな変革の只中にいます。このセッションの事例は、技術導入や新しいプログラム展開の際に、働く人々の既存の価値観やアイデンティティとの衝突が起こりうることを示しています。「マネージャー・アズ・コーチ」のアプローチがすぐに浸透しなかったインドの事例は、日本企業が新しいリーダーシップスタイルを導入する際にも起こりうる抵抗を示唆します。ブラジルの事例が示すように、技術導入と並行して、従業員のグローバルマインドセットやAIリテラシーを高める教育が不可欠です。また、アブダビの事例から、特定の専門性を持つ人材(例えば研究開発職やクリエイターなど)に対するL&D戦略は、従来の研修とは異なる、より柔軟でパーソナライズされたアプローチが必要であること、そしてL&D部門自体が学習環境の「提供者」から「ファシリテーター」へと役割を変化させていく必要があることを学ぶことができます。人材開発が単なるプログラム提供にとどまらず、組織全体の変革を推進する「エージェント」としての役割を果たすためには、経営層への働きかけも含め、戦略的な視点が不可欠です。

 

 “Developing AI Skills through Deliberate Practice” (意図的な練習を通じたAIスキル開発)

スピーカー:William Rintz / UMU

セッション形式:講演・インタラクティブワークショップ

キーワード:AIスキル, AIリテラシー, 意図的な練習, Deliberate Practice, 生成AI, プロンプトエンジニアリング, ラーニングサイエンス, パフォーマンス向上, UMU

 

〈セッション概要〉

UMUのWilliam Rintz氏より、AIスキル、特に生成AIを効果的に活用するための「意図的な練習(Deliberate Practice)」の重要性とその実践方法について、具体的なフレームワークとワークショップ形式で紹介されました。単なる試行錯誤ではなく、体系的なアプローチでAIスキルを向上させる方法に焦点が当てられました。

 

〈主要ポイントと学び〉

  • AIスキルの喫緊の課題:多くの経営層や労働者が職場の変化の加速を認識しているにも関わらず、組織が従業員のAI教育を優先していると考える人材開発プロフェッショナルはわずか36%に留まります(ATDとUMUの共同研究レポートより)。多くのTDプロフェッショナル(54%)自身も、AIスキルの向上を試行錯誤に頼っているのが現状です。
  • 試行錯誤の限界:ジェームズ・G・マーチの「経験の曖昧さ」の概念から、効果の理由を深く理解せずに模倣するだけの試行錯誤には限界があり、より高度な理解と効果的なスキル習得には繋がりません。
  • 「意図的な練習(Deliberate Practice)」の適用:アンダーズ・エリクソンの研究に基づく意図的な練習は、最高レベルのパフォーマンス達成に不可欠な方法論です。これはAIスキルの習得にも応用できます。その主要な要素は以下の通りです。
    • 1. 目標志向性の練習 (Targeted Practice):特定の作業タスクに対し、具体的なツールやフレームワークを使って練習する。単にAIツールを使うだけでなく、どのように使うかを意識する。
    • 2. 集中力のピーク (Peak Concentration):練習のために時間を確保し、単に出力を見るだけでなく、自分の入力やプロセスに集中して検討する。
    • 3. 即時のフィードバック (Immediate Feedback):AIからの出力へのフィードバックだけでなく、自分の「入力(プロンプト)」の質や効果について迅速なフィードバックを得ることが極めて重要です。これはAIトレーニングで最も見落とされがちな点です。
    • 4. 反省を伴う繰り返し (Competition with Reflection): 同じタスクや異なるタスクで繰り返し練習し、より良い結果を得るためにプロセスや戦略を微調整する。練習で得た気づきを記録し、振り返りの時間を設ける。
    • 5. メンターシップ (Mentorship):リアルタイムの指導が最も効果的ですが、規模拡大は困難。先輩や同僚からのフィードバック、ベストプラクティスの共有、他の人のやり方の観察なども有効なメンターシップの形です。
  • RSTCCフレームワーク:生成AIへの効果的な入力(プロンプト)を作成するための実践的なフレームワークとして、「RSTCC」が紹介されました。
    • R (Role):大規模言語モデル(LLM)にどのような役割を演じさせたいか(例: 人事スペシャリスト、構造設計専門家)。
    • S (Skill): LLMに発揮してほしいスキルや専門知識。
    • T (Task):具体的に実行させたいタスク(例: オンボーディングセッションのアウトライン作成、採用計画策定)。
    • C (Context): LLMが最適な出力を生成できるよう、関連する詳細情報(例: 会社の文化、ターゲット人数、時間、組織構造)。
    • C (Constraints):出力に関する制約条件(例: 文字数、トーン、特定の情報を含める/含めない、参照元)。

このフレームワークに沿ってプロンプトを作成することで、単なる短い指示よりもはるかに効果的な出力を得られる可能性が高まります。

  • AIはツール、人は協働者:AIは万能の解決策ではなく、効果的な活用には人間の判断力と思慮深さが不可欠です。AIを単なるタスクの委任先やコピー&ペーストの道具とするのではなく、学習や記録のためのジャーナル、あるいはスキルを高めるための協力者として活用することが推奨されました。
  • UMUのAIリテラシープログラム:UMUでは、この意図的な練習の原則に基づき、AIスキルを体系的に開発するためのプログラムを提供しています。ワークショップでは、参加者が実際にRSTCCフレームワークを使ってプロンプトを作成し、AIからのフィードバックを得る体験を行いました。

〈日本企業への示唆・実務への応用〉

AIの急速な進化は、日本のビジネス環境にも大きな影響を与えています。従業員のAIリテラシー向上は喫緊の課題ですが、場当たり的な学習や試行錯誤だけでは不十分です。このセッションで紹介された「意図的な練習」の原則とRSTCCフレームワークは、企業が従業員のAIスキルを体系的かつ効果的に開発するための具体的な指針となります。特に、生成AIへの「プロンプトエンジニアリング」は、その出力の質を左右する重要なスキルであり、意識的な練習が必要です。単にAIツールを導入するだけでなく、従業員がAIと協働し、その能力を最大限に引き出せるようになるための実践的なトレーニングに投資することの重要性が改めて確認されました。これは、日本の企業がグローバルな競争力を維持・向上させる上でも不可欠な取り組みと言えます。

 

ATD ICE 2025 DAY1「振り返り会」レポート

 

UMUデリゲーションツアーでは、一日の終わりにその日の学びを深め、共有するための「振り返り会」を実施しています。ATD ICEでは300以上ものセッションが同時多発的に開催されるため、この振り返り会は、自分一人ではカバーしきれない多様な知見に触れ、学びを最大化する貴重な機会となります。

 

DAY1の振り返り会は、活発な意見交換と深い洞察の共有に満ちた時間となりました。参加者からは、多岐にわたるセッションの学びや、アメリカのL&Dトレンドに対する率直な感想が共有されました。

振り返り会では、以下のようなテーマで活発な意見交換や深い洞察が共有されました。

 

テーマ1:AIと人材開発・組織開発の未来

 

〈論点・問い〉

・AIは人材開発・組織開発のあり方をどう変えるのか?コンサルタントや専門家の役割はどうなるのか?

・AIの強み(生産性、精度、パーソナライズ)に対し、人間が担うべき領域(判断、共感、ストーリーテリングなど)は何か?

 

〈参加者からのコメント・ディスカッション内容〉

・AIを活用したプログラム設計は、詳細なプロンプトを与えれば非常に高度なものができることを実感。コンサルタントが不要になるのでは、という危機感と同時に、新しい役割への変化の必要性を感じた。

・セッションでAIの強みと人間の役割分担(判断)が明確にされ、「未来の予測できないVUCA時代に必要なのはGPSではなく羅針盤だ」という話に納得。人間は方向性を定める役割を担う。

・AIは言葉の意味を理解しているわけではなく、統計的に最適な応答を生成しているにすぎない点を再認識。ストーリーテリングや共感といった、意味や感情に関わる部分はやはり人間が担うべき領域だと感じた。

・AIによる個別最適化された学習プラットフォームが多く発表されており、マネージャーや人事の役割が大きく変わりそうだという印象を受けた。

 

〈明日へ繋がるアクション・今後の展望〉

・AIを単なるツールとしてだけでなく、人間との協働や、より高度な業務を支援するパートナーとして捉え、活用方法を探求する必要がある。

・AI時代における人材開発・組織開発担当者の新たなコンピテンシーや役割について、さらに情報収集と議論を深めたい。

 

テーマ2:ATD ICE参加を通じて見えた示唆

 

〈論点・問い〉

・アメリカのL&Dトレンドは日本の現状と比べてどうなのか?遅れているのか、進んでいるのか?

・セッション内容とエキスポで見たソリューションとの間にギャップはあるか?

 

〈参加者からのコメント・ディスカッション内容〉

・セッション内容は「古典的」「日本でも聞いたことがある」と感じる部分もあり、アメリカの企業も同じような課題に直面しているのだという気づきがあった。特にエンゲージメント測定だけでは意味がなく、マネージャーが責任を持つべきという議論は日本と同じだと思った。

・エキスポのUI/UXや製品の多言語対応、コンテンツ作成システムの進化は非常に印象的で、プロダクト面ではアメリカが進んでいると感じた。AIによる多言語対応は、コンテンツ展開のスピードを一気に加速させる可能性を感じる。

・セッションで語られる内容は、エキスポで展示されている最先端技術と比べると、やや練り上げられてはいるが、時間差があるのかもしれないという意見が出た。両方の視点を持つことの重要性を再認識した。

・セッション内容には「人としてどうあるべきか」「共感」「思いやり」など、AIにはない人間的な要素の重要性を説くものが複数あった。AIが進化するからこそ、人間ならではの価値に焦点を当てるべきというメッセージを感じた。

 

〈明日へ繋がるアクション・今後の展望〉

・アメリカの事例を参考にしつつも、日本の文脈に合わせた応用方法を検討する必要がある。特に、組織文化や雇用慣行の違いを考慮に入れる。

・セッションの学びとエキスポでの発見を組み合わせ、日本企業にとって真に価値のあるソリューションやアプローチを模索する。人間的な側面に強みを持つ日本企業ならではの差別化ポイントを見つけたい。

 

〈振り返り会全体を通しての総括〉

DAY1の振り返り会では、参加者一人ひとりが異なる視点から学びを共有することで、多角的な気づきが得られました。特に、AIの進化とそれに対する人間の役割、そして人材開発・組織開発のプロフェッショナルの今後について、活発な議論が交わされました。アメリカのトレンドや課題感が日本と共通する部分も多いこと、しかしソリューションやアプローチには先進的な点も見られることなど、多層的な理解が進みました。参加者からは「他の人の視点を知ることで、自分の学びが何倍にもなった」「具体的なアクションプランが見えてきた」といった声が多く聞かれました。AI時代における人材育成のあり方について、改めて深く考える一日となりました。この学びを単なる「イベントでの情報収集」に終わらせず、実務にどう活かしていくか、明日以降のセッション参加や帰国後の活動を通じてさらに深掘りしていく決意を新たにしました。

 

最速!ATD ICE 2025 現地からの最新レポート!~UMU アカデミックセッション登壇内容も独占公開~

 

 

世界最大級の人材開発カンファレンス「ATD ICE 2025」最速報告会、開催決定!

2025年5月19日から21日にかけてアメリカで開催される、人材開発に関する世界最大級のカンファレンス「ATD International Conference & Exposition (ICE) 2025」。

 

本ウェビナーでは、その熱気冷めやらぬうちに、現地で得られた最新のトレンド、ベストプラクティス、そして具体的なインサイトを、日本の人材育成に携わる皆様へいち早くお届けします。

その他の関連コンテンツ

UMUは、ATD ICE 2025での学びを深め、日本の皆様と共有するための様々なコンテンツを提供しています。

  • UMUブースのご案内:ATD ICE 2025にご参加の方は、ぜひUMUブース(No. 925)にお立ち寄りください! UMUの最新ソリューションや、ATDとの共同研究レポート第3版「組織におけるAI活用の現状と人材開発プロフェッショナルの役割」を無料でお渡ししています。レポートは人材開発におけるAI活用の最前線をまとめたものですので、ぜひご覧ください。
  • 今後のセッション登壇:DAY2 (5月19日) の13:00からは、UMUのWilliam Rintsが再度登壇し、「AIを活用した人材育成の最前線」と題したセッションを行います。ご関心のある方はぜひご参加ください。

関連リンク

・UMU公式サイト:https://www.umu.co/

・ATD-ICE公式サイト:https://www.td.org/ice

・アメリカATD公式サイト:https://www.td.org/

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