AI Transformation Summit 2025 開催レポート:
「AI変革の主役は人である。」トップリーダーたちが語った、未来をひらく人間力とは
-1-1024x576.jpg)
本レポートでご紹介するパーソルキャリア株式会社様のセッションは、サミット当日も特に大きな反響をいただきました。 その成功事例をさらに深掘りするため、ご登壇いただいた住永 正氏をお招きし、 10月9日(木)に共催セミナーを開催することが決定いたしました。 現場主導のAI変革を成功に導いた具体的な仕掛けについて、さらに詳しくお話しいただきますので、ぜひご参加ください。
AI Transformation Summit 2025 最速報告会!パーソルキャリアの成功事例から学ぶ |
2025年9月30日(火)、JPタワー ホール&カンファレンスには、日本のビジネスシーンを牽引するリーダー約200名が集結し、ユームテクノロジージャパン株式会社主催による「AI Transformation Summit 2025」が開催されました。
開演前から、活発に名刺を交換し言葉を交わす参加者の姿や、最新AIのデモブースに立ち寄る人々で会場は熱気に満ちあふれ、AI時代への期待と知的な探究心に包まれていました。
「変化こそ唯一の永遠である。」
この言葉をまさに体現している現代において、企業はAIという大きな変化の波にどう向き合い、未来への一歩をどう踏み出すべきか。本サミットは、その羅針盤を探す一日となりました。
単なるトレンドの解説に留まらず、AI変革の主役である「人」の育成、すなわち「AIタレントの開発」に焦点を当て、組織全体のパフォーマンスをどのように高めるか。この本質的な問いに対し、第一線で活躍する実践者たちがそれぞれの知見を語りました。
本レポートでは、当日のセッションで語られた知見の数々をダイジェストでお届けします。
後日、各セッションをさらに深掘りした詳細レポートも公開予定です。ぜひ楽しみにお待ちください。
オープニングセッション:Dongshuo Li (UMU 創業者 代表取締役兼CEO)
テーマ:生成AI時代の「AI人材」開発
主催者であるUMU創業者 Dongshuo Liは、「AIは仕事を奪うものではなく、私たちをより創造的な仕事へと解放する翼であり、ともに未来を創造するパートナーである」という力強いメッセージでサミットの幕を開けました。
Dongshuoは、読み書き、メディア、IT、デジタルに続く新しい必須スキルとして、AIリテラシーの重要性を強調。特に、質の高いアウトプットを引き出すためのプロンプト「RSTCCフレームワーク」を紹介しました。
そして、AIを単にコピペして利用するだけの「乗客」ではなく、自ら思考しAIを操縦する「パイロット」になるべきだと提唱しました。
そのためには、AIを信頼しつつも、その出力に責任を持って人が検証する「信頼と検証(Trust and Verify)」という組織文化が不可欠であると語りました。
「テクノロジーの力で一人ひとりの可能性を解き放ち、組織の成長を加速させる」という創業以来の想いが、AIという強力なエンジンを得て、今や実現可能な未来図になったと力説。AI変革の主役はあくまでも「人」であるという思想が、サミット全体のトーンを決定づけました。
“私たちはAIを、人を入れ替えるためではなく、人を強化し、拡張するために使う。”
特別基調講演:澤 円 氏 (株式会社圓窓 代表取締役)
テーマ:AI時代の働き方の再定義とリーダーの在り方
続いて登壇した澤 円氏は、「AIは人間の仕事を奪うのか?」という根源的な問いを投げかけました。
澤氏の答えは明確です。AIは仕事のスタートラインを前進させるツールであり、人間はより付加価値の高い領域に集中できるようになると断言しました。
価値の源泉を示すスマイルカーブを引用し、AI時代には中間的な管理業務の価値が薄れ、経営と現場の価値がますます高まると指摘。
そして、AIに代替されない人間の領域として、「リーダーシップとアントレプレナーシップ」を挙げ、これからの時代は、自らの意思で行動し、一次情報を掴みにいく姿勢が重要になると締めくくりました。
“AIが仕事を奪うのではない。AIを使いこなす人が生き残るのです。”
スポンサー講演①:田尻 望 氏 (株式会社カクシン 代表取締役CEO)
テーマ:AI活用で、付加価値創造と人財育成はどう変わるか
田尻氏は、キーエンスでの経験を基に、「AI時代の付加価値創造」について語りました。
多くの営業が、自社の特徴(Feature)ばかりを語ってしまう問題を指摘し、顧客が本当に求めているのは、顧客を主語にした利点(Benefit)であると強調しました。
AIを活用することで、この特徴から利点への変換をパーソナライズし、顧客一人ひとりに最適な価値提案をすることが可能になると解説。最終的に企業の利益を高めるのは、この「付加価値」に基づいた価格決定であり、そのための人材育成が急務であると訴えました。
“これからは、経営レベルから現場までが、AIによって一本につながります。”
スポンサー講演②:佐藤 亮 氏 (株式会社セールスフォース・ジャパン 執行役員 関西支社長 関西支社 エンタープライズ営業本部 本部長)
テーマ:エンタープライズセールス×生成AIが導く真の変革
セールスフォースの佐藤 亮氏は、大企業向け営業(エンタープライズセールス)の現場におけるAI活用のリアルを語りました。アポイント調整や初期対応といった定型的な営業プロセスはAIエージェントに代替される一方、人間でなければ対応できない領域がより重要になると述べました。
それは、複雑な社内事情や人間関係を読み解く深い顧客理解や、顧客自身も気づいていない課題を提示し、プロジェクトの成功まで伴走する「プロジェクトセリング」です。
AIを、仮説構築や資料作成の時間を短縮するためのパートナーとして活用し、営業担当者はより高度で人間的な価値提供に集中すべきだと示しました。
“営業がやるべきことにAIを伴奏させ、よりレベルの高い価値を創出する。”
AI Transformation Success Stories:理論から実践へ。AI変革のリアルな成功事例
サミットのハイライトとなったのが、AIによって組織や働き方を実際に変革した企業の成功事例を紹介した「AI Transformation Success Stories」です。
パーソルキャリア株式会社 住永 正氏(エージェントサービス事業部 キャリア支援統括部 CAIT/EMC部 ゼネラルマネジャー)
テーマ:現場が牽引するAI変革:営業社員が生成AIを使いこなす仕掛けとは
経営層からの指示ではなく、現場のリーダーが自発的にAI普及を開始。「プロンプトの市民開発者」を育成し、ゲーミフィケーション(AI活用選手権)を取り入れることで、楽しみながら学ぶ文化を醸成しました。その結果、社員のAI利用率90%を達成し、年間約1.8億円の売上増に貢献しています。
“「AIを使いこなせれば、淘汰されない」。その危機感が、現場主導のAI変革を駆動させた。”
【10月9日(木)開催】AI Transformation Summit 2025 最速報告会!パーソルキャリアの成功事例から学ぶ
現場の営業社員が生成AIを使いこなし成果を上げる「AI変革の仕掛け」
株式会社クレディセゾン 小野 和俊氏(取締役 兼 専務執行役員CDO/CTO)
テーマ:300万時間の業務削減へ- 全社員のAIワーカー化を目指すクレディセゾンのAI戦略「CSAX戦略」-
社長号令のもと、全業務のAI前提での再設計を指示。全社員にChatGPT Enterpriseを配布し、全社員のAIワーカー化を推進。その壮大な目標は、2年半で300万時間(社員1,500人分)もの業務を削減することです。トップの強い意志が、組織全体の変革をダイナミックに牽引しています。
“もはや「AIをどう使うか」ではありません。「AIがある前提で、全ての業務をどう再設計するか」です。”
クロージングセッション:松田 しゅう平(ユームテクノロジージャパン株式会社 代表取締役)
AI変革の本当の始まりは、ここから
AI、経営、営業、そして現場。さまざまな角度から語られたセッションの熱気が冷めやらぬ中、サミットはクロージングの時間を迎えました。
最後にユームテクノロジージャパン株式会社 代表取締役の松田 しゅう平が登壇。「AIトランスフォーメーションの主役はAIではなく、人間である」という、この日の全セッションに共通するテーマを改めて強調しました。
「世界の最先端を、日本の力へ」という強い信念のもと、これからもUMUが皆様の挑戦に寄り添い、信頼できるパートナーとしてサポートし続けるという決意が語られ、大きな拍手とともにイベントは幕を閉じました。
“AIトランスフォーメーションの主役はAIではなく、人間です。”
講演後のネットワーキングタイムでは、登壇者と参加者が垣根なく交流し、あちこちで名刺交換の輪が広がりました。
セッションで得たばかりの気づきを語り合ったり、具体的な課題解決に向けた相談や新たな協業の可能性を探る会話があったりと、今日の学びを明日への具体的なアクションへとつなげようとする、ポジティブなエネルギーが会場を満たしていました。
この一日を通して見えてきたのは、AIという巨大な波を乗りこなすための鍵は、最新テクノロジーそのものではなく、それを使いこなそうとする人間の強い意志であり、変化を恐れず学び続ける組織文化にある、ということでした。
ご登壇いただいた皆様、ご来場いただいた皆様、そして開催を支えてくださったパートナー企業の皆様に、心より御礼申し上げます。
このサミットはこれで終わりではありません。皆様の会社におけるAIトランスフォーメーションの、本当の始まりとなることを、心より願っております。
-
まずはコレから!
組織のAI力を高める
実践型AIトレーニングとは?AIで企業の業績を向上させるためのUMUが提供しているサービスの特徴や実績、実現できることがわかる資料です。
人材育成でUMUのAIを活用した効果が数字でわかる企業事例に加え、最先端の生成AI知識を習得し、変化の激しいAI領域における最新の事例や技術トレンドをキャッチするためのポイントも紹介。さらに、事業会社でのAI活用事例を通じて、自社のビジネスへの応用イメージを膨らませることができます。